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歴史 騎士が心惹かれた弓の音色

 会社に勤めていた時、私はソフトウェア設計の仕事だったが、
大抵の場合、既存のソフトウェアがあって、ソースコードを見て、
前任者の設計意図を探り出すことから始める。
 
思い出せば、入社したての頃は楽しかった。
前任者の意図がまったく理解できない。
先輩に「なんで、ここは、、、」
質問、質問、質問で新しい世界観が見えてくるのが楽しかった。
 
メカトロニクスソフトウェアは、
性能の低いマイコンや容量の少ないメモリという制約の中で
いかに目的の機能、目標の性能を作るかに
私なりの「作る楽しみ」があった。
 
 
ヴァイオリンの設計を始めた時、
私はやはり、ストラディバリの製作意図を探すことから始めた。
 
しかし、数年前からテールピースやあご当てといった
パーツのデザインを自分で考えるようになり
設計者の意図が最も強く出るのは「アウトライン」だと気が付いた。
 
私は、間違えていた。私が見るべきは、
「15、16世紀ごろに、ヴァイオリンのアウトラインを考えた人」
 なのではないか。

 もっと昔へ行こう。
 
 ヴァイオリンの祖先は弓から始まっていることを、
何かの本で読んだ記憶がある。
なるほど、中世の騎士が馬の尻に引っ掛けておいた弓に、
馬毛が擦れて、
 「何か気持ちの良い音がする」
という感動が、人を動かし、楽器を作り出した。
ヴァイオリンの原点としてふさわしい話しだと思う。

弓から始まり現在を経て、未来に残るヴァイオリンを作るためには、
「騎士が心惹かれた弓の音色」
を作れる仕組みを継承していなければならない。
 

前振りが長かったが、ようやく本題。
ヴァイオリンの原点が弓であるならば、
ヴァイオリンは弦でボディを内側にしならせる楽器である。



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