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[週刊 未亡人生活] 第5号! どん底だったからこそ思い切って好きな場所に住んで趣味を極めた日々の話。

ごきげんよう、ある未亡人です。

いきなりですが、

なんということでしょう!

こちらnoteにて、わたしが最初に想定していたのは、
[未亡人の十年]を粛々と更新してゆくことでした。

が、しかし!

思いがけず、立ち上げた[週刊 未亡人生活]のほうが好評です🍀

こんなうれしい誤算ってあるんですね。
いまの自分を褒めていただいた気分です。

おまけにこのマガジンは自分でも書いていて、
ものすごく楽しいです🍒

経験してきたことはいまの自分にとって、とても重要で、
あの頃があるから、いまの[週刊未亡人生活]が生まれているんだな、と。

それでは今週もよろしくお願いします🦋


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こちらは、未亡人になったわたしが、
自分を励ますために実践してきたことをご紹介するコーナーでございます。

大きく分けて、こちらの3つ📍

(1)おひとりさまとして、毎年恒例の行事をつくる。
(2)美容にお金をかける。(老化は容赦なく進み、ひとを落ち込ませる)
(3)やりたいと思ったことは、やってみる。


(1)(2)につづき、今回は(3)を紹介します。

どん底だったからこそ、
思い切って好きな場所に住んで趣味を極めた日々の話。


はい。タイトル通りのお話です。

これまで書いてきましたように、
わたしは夫を亡くしてから、長い年月、悲嘆に暮れる日々を送りました。

もっともつらかった時期には死を考え、ほぼ5年間、ひきこもっていました。


それはおいおい、[未亡人の十年]に記していきますが・・・

今回は、それをこえたときのお話です。

とつぜん、こうおもったのです。

「どうせつらいのなら、いいとおもったことは全部やってみよう」
「やると決めたら、失敗したときのことは考えないようにしよう」
「やりたいことをやってみよう」

この<3つのおもい>でした。(3つ決めるの好きだな、自分)

それまでの自分は、悲嘆をのりこえるために、

たのしんじゃいけない・・・
自分を見つめるために苦しまなければ・・・

そうおもっていたところがありました。

でも、反省しても、感謝しても、いっこうに悲嘆はおさまらず。

そこで、なかばやけになって、
逆をいってみようとおもったのです。

それがうえに掲げた<3つのおもい>でした。


偶然の出会い


よりによって、そんなとき、出会うものですね。

テレビで、ある学校の特集を見かけたのです。

それは、京都にある伝統工芸の専門学校でした。

子どもの頃、螺鈿の大きなテーブルを見て育ったせいか、
以前から蒔絵や漆工芸に興味がありました。

伝統工芸に限らず、職人さんたちのお姿を見る機会があり、
「そういう選択もあったかもしれないな」と、
パラレルワールドにいる自分の姿を想像したこともあります。

自分の仕事にも職人的な部分があり、姿勢からの学びも多かったです。

しかし、遠い地で伝統工芸の勉強をしようという発想はまるでありませんでした。

ただ、
もしかすると、(2)で書いた、
毎年の恒例で正倉院展に通っていたことと地続きの話かも知れません。
つながっていたらうれしいです。
それがあって、テレビで見ただけのその学校に惹かれたことは確かです。


🦋

さて。

そのテレビコーナーを目にしたころの自分は、
いまおもえば<ザ・どん底>にいて、
夫を亡くした際に受けた葬儀パワハラのフラッシュバックに苦しんでいました。

「なにか打ち込める気晴らしをつくってみたら?」

友人たちが折に触れて忠告してくれていました。
が、わたしには聞く耳がありませんでした。

べつのことがあれば忘れられる、というわけでもないだろう。

そうおもったし、
先に述べたとおり、自分への締め付けもありました。

わたしのケースは、PTSD由来の複雑性悲嘆だったので、
くるしみの解消と、
「打ち込める気晴らし」をもつこととはまたべつの話なのですが、
そのときは偶然見かけたテレビ番組がなにかの啓示のようにおもえまして、

こまかな手仕事をすることで、自分を忘れたい。
家で夫が亡くなったので、一度、離れてみたい。

そのように考えたんですね。

で。
いいとおもったので、実現に向けて動いてみることにしました。

もともと行動力はあるほうなので、そこからの話は早かったです。

📍まず、学校について調べ、入学までに時間があることを知った。
📍学校の寮に宿泊できるオープンキャンパスに参加した。
📍行きたいのは蒔絵科だったので、デッサンの教室に通った。
📍漆に皮膚がかぶれる体質なのかどうか、お試しで漆教室に入ってみた。

で、次の春には入学してました🍒

それから一年間。
東京に住居をのこしたまま、京都の寮から学校に通いました。

夫は自宅で亡くなったので、一度そこから離れてみる時期も必要でした。

入学式には親友も来てくれて、
わたしのひどかった時期を知っているので、泣いてましたね・・・。

ちょうど桜が満開の時期で、
円山公園のしだれ桜を見ながら、友と酒を酌み交わしました。
忘れられない光景です。

もう、毎日がたのしくて! 
ただもう、たのしくて!


で!
入学してみて、よかったです!

実習重視の学校なので、体力的にはかなりきつかったはずなのに、
それでもワクワクがとまらなくて(おもいに追いつく語彙が浮かばぬほどに)、
とにかく、目覚ましなしで毎朝5時にはすっきり目が覚めてしまうのです。

脳と身体は正直ですね。

「今日はなにをやるのかな」とおもいつつ、
始業前には学校の図書館に行き、漆芸の作品集をながめていました。

竹工芸、仏像彫刻、木彫、友禅、陶芸、和紙・・・と、
多彩な科の友だちも出来たし、
リタイアしたばかりの年配の先輩たちも通われていたので、
頻回に大人の飲み会を開いたりしてました。

飲み会では、ほんとうにすがすがしいほどに、
工芸に対する熱いおもいを、いい大人たちがぶつけ合っていました。

誰がどういうひとで・・・なんてまったく関係なくて、
将来の夢は、ただもう、好きな工芸をつづけていくことなんです。

18歳で入学してきたお子さんたちとは違う、
たのしみながらのやる気がギラギラと燃えさかっていました。

あの日々・・・。
ほんとうにたのしかった。

土日は学校が休みだったので、
美術館に行ったり、神社仏閣を訪ねて御朱印をいただいたり、
京都の漆屋さんが開いている漆教室に通っていました。

いままでやってなかったことが不思議。
どんだけ漆工芸が好きなんだよ、ってかんじでした。

おかげで、1年間で漆芸の基礎を身につけました。

戻ってからは、
東京藝大講師の先生に師事し、蒔絵をつづけました。

京都では職人さんが先生でしたので、
言葉ではなく「見て盗め」という日々でしたが、
東京藝大の先生は精緻に言語化するかたちで技法を教えてくださり、
不器用な自分ながら、両方のよさをいただいたおもいです。

わたしは好きなことを仕事にしてしまったので、
仕事以外の趣味が持てたのはとてもよかったです。

打ち込んで自分を忘れるほど、こまかなピースに切った貝を貼ったり、
金粉を蒔いたり、微細な模様を蒔絵筆で描いたり。

そういった<入り込み>について、
敬愛する漆芸家さんから貴重な言葉をいただきました。

入り込んで我を忘れているとき、
ふと、これが「祈り」というものなのかなって、
しみじみとそうおもえる瞬間があるんですよね。
そしてそれは、とてもしあわせな瞬間です。

大切にしたい言葉になりました。

蒔絵をしているのは静かで穏やかな、自分と向き合える時間です。

<工芸療法>と呼べるものかもしれません。

「祈り」だけでなく、
「遊び」でもあるのだなと、最近はしみじみと感じています。

心理学の勉強が佳境に入ってきたからでしょうか。
ほかに打ち込んでいるものがあってこその「遊び」なのだともおもいます。

年齢を経てからもこんなに打ち込めるものが出来て、無我夢中になれるなんて、
「遊びをするために生まれてきたんだね!」と、いまはいえます。

この境地へといたるまで、長かったし、お金を使い果たしました。

そして、これは、
夫からいただいた時間なのですが、夫と分かち合いたかったな・・・。

つい・・・そこに戻っちゃいますね。


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だいぶまえにつくったブローチです。(架空の花)
いまはもうすこしうまくなっているはず!


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今週は、通信教育の夏期スクーリングが立て込んでいて、
とくにこの3日間はほかのことができないほどに疲労がたまりました。

録画を見るだけのオンライン授業の過酷さを体験しました。

2倍速で視聴するのは、脳の疲労がそうとう激しいです。
途中でチョコレートとバナナを摂取しながら、どうにかやれています。

以前は通うのが面倒なんておもっていましたが、
対面授業には高い学習効果があると痛感しました。

あと、対面じゃないので友だちができないのもつらいところ。
さいきん、同じ学科のひとたちが集うLINEグループに招待していただいたので、
先輩や同級生とやりとりしたりして、かなりストレスがなくなりました。

交流は大事ですね。
同年代が多いので、動機づけも高まります。


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今週は、京都時代のお話をさせていただきました。
京都といえばこちらの塔ということで、
たのしかった日々のお礼として、りぼんのっけてみました。

読んでいただき、ありがとうございます。
よい一日をお過ごしください🍀


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