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樹木希林に学ぶお金の話

渋谷の西武百貨店で開催されている『樹木希林 遊びをせんとや生まれけむ展』に行きました。

希林さんといえば、物を持たない、自分のことは自分でする主義で知られていました。マネージャーも付けず、古い服や受賞トロフィーをリメイクして使うなど、質素倹約に努めた一方、古くから不動産を多く持ち、安定した貯蓄を得ていたそうです。

「食っていくために役者をする」ではないのが、希林さんの生き様、それが演技や作品につながっているのかもしれない。

様々な言葉が展示されていましたが、中でも刺さったのがこの言葉。

職人と芸術家の違いを「採算がとれるかどうか」と考える希林さん。曖昧なラインにしっかりと線を引いて見極める。

これも希林さんらしい言葉ですね。自欲に走らず、三方が良ければそれでいい。自由と責任というか、そのバランスを忘れてはいけないと問われているようです。

会社や創作活動にも同じことが言えると思うんですけど、儲かるかどうかをちゃんと考えつつも、儲けだけを考えては成り立たない。芝居ができるのであれば、高い服なんていらないし、見栄を張るためのトロフィーなんていらない。良い作品とスタッフに巡り会えれば、それで良い。

希林さんはかつて「悠木千帆」という芸名だったのですが、番組の企画でなんと2万2000円で売り、「樹木希林」に改名するほど、自分の名前にすらこだわらなかった。でもそれで困ることは無かったんでしょうね。それが希林さんのへの信用とか、役者としての持ち味になったのかもしれない。

自分も「お金」については、もっと賢くなりたいと日々思っています。手を動かし続けないとお金にならない人生なんて嫌じゃないですか、何をすべきなのか。何に投資するべきなのか、どう振る舞うべきなのか…。

こんな広告もありました。(これは展示してなかったのですが)

「死ぬときぐらい好きにさせてよ」
人は必ず死ぬというのに。
長生きを叶える技術ばかりが進化して
なんとまあ死ににくい時代になったことでしょう。
死を疎むことなく、死を焦ることもなく。
ひとつひとつの欲を手放して、
身じまいをしていきたいと思うのです。
人は死ねば宇宙の塵芥。せめて美しく輝く塵になりたい。
それが、私の最後の欲なのです。(宝島社/2016)

希林さんの思想や世界観が伝わる、素晴らしい展示でした。

4月7日(日)までです。


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