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シャガールと花森安治 〜世田谷美術館〜

リハビリと避暑を兼ねて美術館に行きました。
ほんとは先日書いたように、渋谷のソール・ライター展を見たいのだけど、渋谷の改札を出てから地下道を通って・・と想像すると、もう気持ちが萎えてしまう。会期の終わりまでに行ければいいのだけど。

ということで、見ようと思っていた別の展覧会へ。


きぬた公園の一角にある世田谷美術館。
緑がいっぱいの世田谷にある。リハビリ?にはどう考えてもこっちのほうがいいでしょう。

「マルク・シャガール 版にしるした光のうた
神奈川県立近代美術館コレクションから

シャガールは2000点もの版画作品を手がけていて、版画の分野でも大きな足跡を残しているのだそうです。
今回はエッチングやリトグラフで制作されたものを集めた神奈川県立近代美術館収蔵品の展示でした。

実はもともとそんなに好きな作家でもないのだけど
色は綺麗だし、中学くらいから「すごく好きでも無いけど気になる」画家ではありました。
そして美術好きな人って、特に好きでなくとも展覧会行くんですよね(私だけ?)。

「ラ・フォンテーヌ寓話集」や「ダフニスとクロエ」「サーカス」など、6つの版画集から140ほどが展示されています。
最初に展示されていた「ラ・フォンテーヌ寓話集」は、モノクロのエッチングの横に寓話のパネルが展示されているので、めずらしくお話までひとつづつ読んでしまった。絵を見ながら文字(解説)を読むのが苦手なのに。

「ダフニスとクロエ」は古代ギリシャの恋愛小説だそうで、シャガールの版画も特に色が美しいし、点数も多くて見ごたえがありました。

一通りじっくり見て、いい展示だったのだけど、
私はやっぱりシャガールがそんなに好きではないな、と思いました(えー!?)。

そして、もうひとつの展示室で今日から行われている展示も興味があって、
結果的に今日はこっちを見に来たのか!と思うことになりました。

雑誌にみるカットの世界!

岩波書店の雑誌「世界」(1946年創刊)と
暮しの手帖社の雑誌「美しい暮しの手帖」(1948年創刊)。
そのカットや表紙の原画の展示です。
「世界」は今話題の「君たちはどう生きるか」の吉野源三郎が創刊当時の編集長。

「美しい暮しの手帖」といえば、NHKの朝ドラにもなりました。
服飾評論家の花森安治はなもりやすじが、編集者大橋鎭子と創刊した生活総合誌。
「美しい暮しの手帖」の前身「スタイルブック」の表紙絵なども展示されていました。

ドラマでも話題になったので、花森安治の絵は知ってはいましたが
原画はやはり印刷とはぜんぜん違う。
特に初期のほうの表紙絵が可愛くてきれいだし、
小さなカットひとつひとつに、ものすごく味がある。

原画はすっかり黄ばんでいるけど、その古い感じがまたいい。
英字新聞のカットなんてすごく好き。右の味噌汁もいいなー。

ひとつづつ鼻をくっつけるように見てしまいました。

もともとシンプルな線画が好き。
なんなら自分が描いた線画ですら好きだったりするのですが
なんでだろう、と思います。

花森さんのカットを見ていたら、
もっとこういう身近なものからたくさん描こう、と思いました。

「暮しの手帖」のすごくかわいい表紙絵がポストカードになってました。
奈良の蚊帳布ふきんも何種類かあって、まよったけど、線画がかわいいものをチョイス。

版画が好きなので、シャガールの版画に特化した展示を見に来たのだけど、結局のところ、雑誌の小さなカットに惹かれてしまう自分を再認識しました。
版画が好きなのも、線に味があるから好きということもあるので。

しかし、絵を見るのはやはり集中力がいるから
美術館を出てからは眠くて眠くて。

気になる展示はいくつかあるけど、行けるかな。


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