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ドーバーを越えて、朝パリに着く
1988年春。
初めてのヨーロッパで、イギリスからドーバー海峡を船で渡って、列車でパリに入ることにした。
最初に想定していた行程は、ロンドンからスペインまで飛行機で、と思っていたのに、現地のチケットがとても高かったので、急遽変更することになった。
夜、ロンドンから列車に乗って海峡沿いの駅まで行き、フェリーに乗り換え。とにかく揺れたので船酔いで気持ちが悪く、ふつうにリラックスしてお菓子を食べてる西洋人らを横目で見ながら友人とふたり、席でうずくまっているうち、ウトウトと眠ってしまった。
ふと気づくと、揺れはすっかりおさまっていて、船は静かに進んでいる。
フランスのディエップという港に着いたのは夜中の3時頃で、ノルマンディー地方のこの港での乗り換えの状況はほとんど憶えていない。
きっと船の疲れと眠気でぼーっとしていたのかもしれない。
はっきりと憶えているのは、列車に乗り換えてパリに向かい、早朝7時頃、そろそろ到着というときにフランス語の車内放送が入ったこと。
初めてフランスの灰色の街並みを列車の窓から見ながら、パリに来たんだなぁ〜!と、感慨深い気持ちになった。
大学の卒論がフランス革命だったので、パリには思い入れがある。
でもそれは素敵なイメージではなく、かなり血なまぐさいイメージでもあったけれど、国を変えようと立ち上がった人達の熱の残滓のようなものに出会えるかと思っていた。
お腹が空いたので、駅の構内のスタンドでクロワッサンとカフェオレを頼んだ。立ち食いだったけど、パリのクロワッサンとカフェオレ!!という感動もあって、とても美味しかった記憶がある。
ただ、フランス人の第一印象の悪さは噂に違わず、だったけれども。
photo : "paris, 1988" by KAORI K. (photofran)
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