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動物のお医者さん。今日のひとことと一緒に、獣医の生態や動物病院の裏側をちょっとずつアッ…

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動物のお医者さん。今日のひとことと一緒に、獣医の生態や動物病院の裏側をちょっとずつアップしていきます。

最近の記事

動物に人の薬を使ってるって本当?

今日の一言。 「責任は目に見えない。」 この質問の答えから言おう。 本当です。 もう、めちゃくちゃよく使う。 胃薬に、抗生剤に、注射薬も。 麻酔だって人と同じものを使ったりする。 そしてこれ、別に違法でもなんでもない。 獣医師が人体用薬や麻薬を取り扱うのは、基本的に法律上なんの問題もない。 ただし、動物種によって用量が違ったり、効能についてのデータがない場合もあるので、その辺は獣医師の裁量に任されることもある。 (私は怖いので、ちゃんと動物に対して使ったとき

    • 医者と獣医の仕事ってどう違うの?

      今日の一言。 「隣の芝生は青い。」 そもそも医者と獣医はどこが違うのか。 両者はいずれも国家資格を必要とする職業だが、同じ資格では無い。 それぞれに必要な要件を満たした修学を経て、 それぞれに医師国家試験、獣医師国家試験を合格して、 それぞれ医師免許と獣医師免許を取得し、 それぞれの仕事をする。 どちらの免許も、劇薬や麻薬の取り扱い、検査や認定権など許されている行為に共通する部分もあるので、公務員や企業、研究分野などでは同じ領域で働くこともあるが、他に対する”

      • 医者と獣医の大学入試ってどっちが難しい?

        今日の一言。 「自分が何をしたいかが一番大切。」 私は子供の頃から動物のお医者さんになりたくて、獣医師になった。 もしかしたら、子供の頃はユニセフ募金や国境なき医師団に興味もあったし、頭の片隅に”人間のお医者さん”になることもあったかもしれないが、あまり覚えていない。 もしそんなことがあったとしても、人間のお医者さんと動物のお医者さんは同じ仕事、と思っていたくらいの年頃の話だろう。 獣医学生の中にはもともと人間の医者になりたくて医学部を受験した、またはしたかった、と

        • 獣医師が苦手と思う犬種や猫種はある?

          今日の一言。 「好きの反対は嫌いじゃないよ。」 犬や猫とひとくちに言っても、その種類は様々だ。 人間より大きい犬もいれば、うさぎくらい小さな犬もいる。 毛の長いふわっとした猫もいれば、ほぼ毛の生えていない猫もいる。 そんな中で、獣医師として、治療がしづらいなどの理由で「苦手だな」と感じる犬種や猫種はいるのだろうか。 もちろん、獣医師それぞれで得意や不得意はあるし、そもそも非協力的(暴れる、噛む、など)な動物は苦手以前の問題だ。 今日は私が「苦手だな」と感じたり、

        動物に人の薬を使ってるって本当?

          しゃべらない生き物をどうやって診察するの?

          今日の一言。 「気持ちがあれば乗り越えられるよ、なんて絶対に言わない。」 人間は言葉があるから便利だ。 どんな風に調子が悪いのか、どこが痛いのか、患者さん本人から聞くことができる。 では、動物病院にきた動物たちはどうだろうか? 彼らは私たちにわかるような言語では話してくれない。 どう頑張っても私には「わん!」とか「にゃー」としか聞こえない。 動物の言葉がわかる獣医師の話が映画になっていたりするが、あくまで映画の中の話だ。 動物と話せるという資格?もあるそうだが

          しゃべらない生き物をどうやって診察するの?

          なぜ動物を助けたいと思うのか?

          今日の一言。 「ギブアンドテイクにも色々な形がある。」 私は獣医師である。 獣医師は「人間以外の動物」を治療する職業だ。 では、なぜ動物なのか? なぜ、人の医者では無いのか? 自分は人間なのに。 そう疑問に感じる人も多いのではなかろうか。 実際、よく聞かれる質問でもある。 それは、単純に考えて「動物が好きだから」でしょ? 誰もがそういう答えを期待していると思う。 正直にお答えしよう。 私は動物が大好きすぎるのだ。 予想通りのつまらない答えで申し訳ない

          なぜ動物を助けたいと思うのか?

          動物病院の裏側その3。人間関係とか。

          今日の一言。 「それでも私は性善説を信じたい。」 動物病院で働く獣医師や看護師のイメージはどうだろうか。 「動物に優しいんだから、人間にも優しいはずだよね。」 そんな声が聞こえてきそうだ。 正直に言おう。 半分アタリで、半分ハズレ。 もちろん、大半のスタッフは動物には優しい。 動物には。 獣医師の生態について少し前に話したが、獣医師はどこかズレている人が多いように思う。 そして、それは動物看護師さんにも当てはまる。 動物病院は変人奇人の集まりだと私は思っ

          動物病院の裏側その3。人間関係とか。

          動物病院の裏側その2。ペットたちのリアルな扱われ方。

          今日の一言。 「他をおもんばかるというのは実に難しい。」 前回は動物病院の裏側事情として、診察室の向こう側とお金の事情をお伝えした。 今回は、診察室の向こう側、飼い主さんの見えないところでペットたち(患者さん)がどう扱われているか?についてぶっちゃけて話したいと思う。 突然ですが、皆さんはどんな想像をしますか? もちろん、優しく扱ってくれるよね? いやいや、実はブラックな事してるんじゃないか? かわいい我が子が誰かに預かられるというのは、とても心配なことだと思う。

          動物病院の裏側その2。ペットたちのリアルな扱われ方。

          動物病院の裏側その1。お金事情とか。

          今日の一言。 「猫になら何をされても許せる。猫になら。」 職場にはお客さんやクライアントと接するときの表側、キッチンやスタッフルーム、オフィスなどの裏側がどこにでもあるだろうと思う。 動物病院で言うなら、待合室と診察室が表で、それ以外が裏側ということになるだろう。 基本的に診察室には飼い主さんも一緒に入るので、ペットを飼っている方にとってはイメージがわきやすいと思う。 待合室からつながる個室に、犬猫用の体重・診察台があるスタイルがほとんどだ。 では、その奥はどうな

          動物病院の裏側その1。お金事情とか。

          獣医師の生態について獣医師が解説したいと思う。その3

          今日の一言 「酒は飲んでも飲まれるな。」 昨日、まだ小学生の甥っ子に言われた言葉である。 いつの間にこんな言葉覚えたんだろう。 子供の成長はいつも不思議だ。 さて、これは私の偏見だが、獣医師には酒好きが多いと思う。 学科内でのつながりが強い獣医学科は、学生の頃に飲み会が山ほどある。 同学年、先輩後輩、研究室に所属すればそこでも。 先生と呼ばれる立場の人間は「真面目でちゃんとしている」イメージが強いかもしれないが、大概の人はそんなことない。 飲み会となれば破茶滅茶

          獣医師の生態について獣医師が解説したいと思う。その3

          獣医師の生態について獣医師が解説したいと思う。その2

          今日の一言 「猫のようにたくましくなりたい。」 獣医師なら、動物のことなんでも分かるんでしょ? そう聞かれることがある。 お答えしよう。 なわけない。 ホモサピエンスがホモサピエンス以外の生き物を治療している。 ホモサピエンス同士でも何考えてるかわからないんだから、全く違う生き物なんて、より一層わからない。 というか、この世界にどれだけの生き物が暮らしているかすら、私は知らない。 人間がまだ知らない生き物なんて、まだこの地球にはウヨウヨいる。 私が人より少

          獣医師の生態について獣医師が解説したいと思う。その2

          獣医師の生態について獣医師が解説したいと思う。その1

          今日の一言 「大体のことは自分の思い通りにはならない。」 獣医師とは。 ヒト以外の動物の医師。 (byウィキ先生) 動く生き物ならヒト以外なんでもいいので、学校では蜂の勉強もします。 「飛ぶ動物恐怖症」の私からしたら、教科書開くのも地獄。 獣医だからって全ての生き物を愛せるわけじゃないんですよ。 というより、実は動物そんなに好きじゃない人もけっこうな割合で混ざってたりする。 もちろん、好きな人が大半だけど。 私? 私は愛が重すぎて、最後には相手されなくな

          獣医師の生態について獣医師が解説したいと思う。その1

          はじめまして。

          獣医師のべてりなりあんです。 これを読んでくれた皆さん、獣医師って会ったことありますか? ペットを飼っている方以外にとっては、かなり、レアな生き物だと思います。 獣医って一体どんな生き物なの? 動物病院の裏側ってどんなふうになってるの? そんな感じの表&裏話を毎日1つずつ、短編でアップしていこうかなと思います。 これからよろしくお願いします。

          はじめまして。