動物病院の裏側その1。お金事情とか。
今日の一言。
「猫になら何をされても許せる。猫になら。」
職場にはお客さんやクライアントと接するときの表側、キッチンやスタッフルーム、オフィスなどの裏側がどこにでもあるだろうと思う。
動物病院で言うなら、待合室と診察室が表で、それ以外が裏側ということになるだろう。
基本的に診察室には飼い主さんも一緒に入るので、ペットを飼っている方にとってはイメージがわきやすいと思う。
待合室からつながる個室に、犬猫用の体重・診察台があるスタイルがほとんどだ。
では、その奥はどうなっているんだろう?
そのあたりを今日は説明したいと思う。
私は今までに2つの動物病院に勤めてきた。
うち1つは分院のある病院だったので、施設単位で言うと4件だ。
それ以外にも自分のペットを動物病院に連れて行ったり、学生時代に見学・研修に行ったり、知り合いの先生の病院に行くこともあるので、かなりの数の病院のスタイルを見てきている。
その中で一般的な動物病院(高次獣医療を専門としていない”街のかかりつけ医さん”)の裏側というものを紹介したいと思う。
動物病院の構成はだいたい以下の通り。
・待合室(診察受付、待機、薬のお渡し、お会計)
・診察室(体重測定&診察台)
・処置&検査室(治療や超音波検査などを行う場所)
※処置検査室は診察室と兼ねていることもある。
・レントゲン撮影室(放射線を取り扱うので、診察室とは全く別の隔離空間がある)
・手術室
※レントゲン室や処置室と兼ねていることもある。
・薬剤保管スペース&作業台
・検査台(血液検査の機械や顕微鏡が置いてある)
・入院室(犬、猫の入院室を分けている場合もある)
・ICU(酸素室など、集中治療が必要な患者さんの入院室)
・院長&スタッフルーム
・備蓄スペース(療法食やケアグッズ、トイレシートなどを保管)
上記のうち、太字がいわゆる”裏側”。
けっこう色々あるな、と思いませんか?
日本は特に、エコー(超音波検査)やレントゲン、一通りの血液検査、入院を末端の病院でもできるようにしているので、かなりのスペースが必要。
(これ、海外ではたとえ先進国でも当たり前ではないらしいですよ。診察台のみってこともあるらしい。)
そして、スペースの問題だけでなく、機器の購入・維持費もかなりかかる・・・
突然お金の話ですけど、獣医って正直、みなさんが想像するほど収入良くないんです。
人のお医者さんとは天地の差があるし、一般的なサラリーマンの平均より年収が低かったりもする。
だって、病院側の支出はかなり大きいけれど、動物の治療費は全額負担(保険に入ってれば別だけど。)だから、飼い主さんたちが払える額にしないといけないですから。
でも、
「全ての患者さんに、できるだけのことをできる病院に。」
そういう思いで獣医さんたちは病院を建てています。
動物病院の治療費ってけっこう高いイメージがあるかもしれないけど、こういう裏事情があることを理解してもらえると嬉しいです。
今日から週末。
でも、コロナを拡げないためにできるだけ家にいましょうね。
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