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foodskole農園部日誌2021:【ジャガイモの「実」を初めて見た日】6/12(土) 10:00- 天気:☀

東京都八王子の磯沼ミルクファームさんの畑をお借りして、月2~3回と「ゆる〜く楽しく食を学ぶ」をモットーに活動しています。

今回は飲み食べ好きなエンジニアの野中健吾が日誌を担当します!

〇ハイライト

1. 初めて見た、ジャガイモの「実」

この日は晴天。絶好の農作業日和!・・・と言いたいところですが、午前中でも作業するにはかなり暑くなってきました。もう夏も間近ですね。

僕は数週間ぶりの畑だったのですが、いろいろと様変わりしていてビックリ!
梅雨入り前の、天から降り注ぐ陽射しを受け、トマト、きゅうり、万願寺とうがらし、なす、オクラ、白大豆、にんじん、ピーマン、枝豆、とうもろこし、じゃがいも、それぞれの作物達が本当に勢いよく育っていて、太陽の恵みって偉大だなあと実感しました。
そして、作物だけでなく雑草も元気に育っているので、まずは皆で草取りから。前々回の農園部日誌でご紹介した、にんじん畑にそびえ立つ立派な雑草群も相変わらずの勢いで、完全ににんじんが負けていました・・・。

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「雑草の中でもにんじんは育つか?」の実験だったわけですが、これはもうイカンだろうとの判断で、こちらの雑草はついに撤去されることになりました。今まで雑草に押され気味だったにんじん達ですが、これからはスクスクと成長してくれることを祈るばかりです。

続いては作物の収穫。パクチーは小さくて可愛らしい花が咲いていましたが、葉や茎は固くなってしまっていて育ち過ぎの状態。仕方がないので一通り引き抜いて畑のスペースを空けました。

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続いてはじゃがいも。実はこの翌週にカレー祭が控えており、そこで使う分は残しておかないといけません。しかし、それにしても多いので、畑の畝(うね)1列だけは今回収穫しようということになりました。

見ると、地上に半分くらい顔を出しているじゃがいももいます。その中には緑色になっているものもあり、いかにも「まだ熟していません」な感じです。これはもっと日に当てて(熟して)から収穫しないといけないのか?と悩んでいると、農園の管理でお世話になっているフナキさんがご到着されたのでここぞとばかりに質問しました。そこで教えて頂いたのは意外なことばかり!

じゃがいもは実ではなく、茎が発達したもの(地下茎)だということは知っていたのですが、
・茎なので、じゃがいもが日に当たると葉緑素が出て緑っぽくなってしまう。
・よって、むしろ土をかけて日を遮ってやる必要がある。
・収穫後に保管する際も、暗い場所に置いておけばとても長持ちする。
 (日に当たると緑色になったり芽が出たりする)
・じゃがいもはトマトと同じナス科なので、トマトっぽい実がなる。

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↑これがじゃがいもの実なんですよ!初めて見ました。地下茎の方に栄養が行ってしまうためか、こういった実はあまりおいしくもないので、特に収穫はせずに放置するそうです。小さな頃からずっと慣れ親しんできたじゃがいもですが、とても新鮮な驚きでした。
そしていよいよ収穫。皆で土をかき分けていくとじゃがいも達がゴロゴロと溢れ出てきます。

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じゃがいも掘りなんて小学生の時以来ですが、宝探しのようでやはり楽しいですね!


2. 大麦を手にした人類(農園部員)それぞれの工夫

今回収穫したものがもう1つあり、それは大麦です。暑い季節にはいつも大麦の麦茶を飲んでいましたが、畑で見たのは初めて!この勢いよく突き出てるツンツンの部分とか、垂れ下がってる穂が「麦が実ってる!」感があり、めっちゃいいですねー。

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もちろん、これで麦茶を作れます。が、その前に麦の粒をこのツンツンや茎から取り外さないといけません。いわゆる「脱穀(だっこく)」というやつです。

目の前には文字通り山と積まれた大麦、しかし脱穀機のような文明の利器は私たちにはありません。とにかく量が多いので、班に分かれて手分けして、自由に脱穀してみることにしました。ここから大麦を前にした人類(農園部員)の挑戦が始まります。

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僕らの班は最初ちまちまと手でやっていましたが、これではキリがありません。ふと目に入ったのが、バーベキュー用の金網。班員の一人が、「この上でこすりつける様にしたらいいのでは?」と言い出し、やってみると手よりずっと楽に麦の粒がバラけていきます。しかし、目が粗すぎてツンツン部分など余分なものがかなり混じってしまいます。

するとまた一人が、「ザルを使ったらいいんじゃないか?」と提案。これは素晴らしいアイデアで、ザルの上でわしゃわしゃと揉むと、乾燥した部分は崩れながら抜けていき、麦の粒だけが残りました!やはり道具とその使い方は重要です。

昔、歴史の授業で江戸時代の「千歯こき」という脱穀用具で生産性が急激に向上したと習ったことを思い出しました。あれから数十年を経て、脱穀用具の威力に想いを馳せる時が来るとは・・。人生、何があるかわからないものです。

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ふと隣の班を見ると、水を入れたボウルの上の空中で、手に掴んだ麦の束をわしゃわしゃと揉んでいます。すると様々な破片が水面に落ちるわけですが、麦の実は浮かび茎などは水を吸って沈んでいきます。最後に上澄みだけを取れば麦の選別が完了という仕組み。これはこれでなるほど!と感心しました。

いやー、農耕を始めた人類はこうやってそれぞれ独自の工夫をしながら村ごと、地域ごとの文化を発展させていったのだなあと、人類の歴史を短時間で振り返ったような気がして興味深かったです。

こうして皆で苦労して選り分けた大麦ですが、最後は部長が持ち帰り、フライパンで殻ごと炒ってから煮出し、カレー祭の時に麦茶として持ってきてくれることになりました!

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麦茶のお味などは、この次の日誌をどうぞお楽しみに。


〇日誌当番の感想

農園部の活動は毎回同じ畑に行っているだけといえばそうなのかもしれません。しかし、その度に色々な発見があるなあと、日誌を書いているとしみじみ感じますね。これからも様々なことが味わえそうで楽しみです。
今回雑草を抜いたりして空いた区画には、新しい作物も植えました。暑さの中で順調に育っている以前植えた作物達に加え、それらも育って収穫できるのがまた楽しみです♪

収穫した野菜はもちろん料理して食べていますが、やはり新鮮さと自分たちが作っている思い入れが両方あっておいしいんですよ。スーパーで野菜を見ても、種類や産地、育て方なんかに以前よりも興味が湧くようになってきました。そう考えると、農園部の活動は畑の外にも広がっている、と言えるかもしれません。

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