生真面目で自分で考えられない人間だった話

私は真面目だった。
真面目に見えそうな見た目もしてるから
(基本無表情なので)
学校のパンフレットに載らないかという話は
毎年いただいたし
(もちろんお断り)
新卒で入ったアパレルの会社では
先輩にいつも真面目だねと言われて。
もちろん嫌味で。
嫌味なんて普段は全くといっていいほど
気づかないのだけどそれでも分かった。

その頃から自分に対して向けられる
「真面目」と言う言葉は
誉め言葉ではないことに気づいたわけだ

でも真面目であることのなにが悪いんだろう?
褒めてないなら
私にどうあってほしいと思ってるんだろう?
ということはずっと分からなかった。

アパレルでは
「お金がないので給料が入る来週まで
取り置いてほしい」というお客さんに対して
快く取り置きをして、
そのことを店長に報告すると
「今日売ってほしかったんだよ」
と言われる始末。
人が自分の店のなに買うかなんて
どうでもいいのに来店したその日に
苦労して稼いだお金を払わせる。
先輩たちは毎月、
このお客さんからは今月何万払ってもらえて、
これとこれを売ってとか計算している。
年始のセールと福袋販売では、
いつもの製造工場と全く違う工場が作った
チープすぎる「福袋用」の洋服を、
とにかく福袋が手に入ればなんでもいい
お客さんが朝一から買っていって
隣の店では福袋の在庫がまだたくさんあるのに
「ラスト3つです!!!!」とか叫んでる。
社会って、お金を稼ぐって汚いんだな。
と絶望して1社目を辞める。

それでもお金を稼がないといけなかったので
2社目に入る。
まぁそこもブラックだったので
後々体調を壊して辞めることになるわけだが
社長からは毎週課題の提出を求められ、
それを「もうやめていいよ」と言われるまで
1年間毎週やった。
こんなこと当たり前だと思っていたけど
当たり前じゃないらしい。
みんな、数ヶ月で自然と
提出しなくなっていくらしい。
だから逆に社長は「すごいね」と思うより
「変わってるな」と感じたっぽい。

その後、なにかと怒られるときに言われたのは
「本質が分かってない」
でもその本質がなにかは教えてくれない。
そもそも本質ってなんなんだろう。

言われたことをただこなして
おかしいなと思っても、
意味を理解せずに仕事しているから
自分の感覚が合っているのかも分からないし
なにより社長に文句言うというのは
大変なことだから仕方ないと飲み込む。
そんなことをしていたら完全に体がやられて
2社目も辞める。

3社目は仕事内容はよかったが
完全に上司との相性が悪く
ここも辞めることになる。
いじわるされていたとか性格が悪いとかではなく
もう仕方ないほどに相性が悪かった。
それでもその上司に感謝していることがあって、
私は「サボることを覚えないとダメ」
だと言われた。
え、仕事って真面目にやるものじゃないのか。
時間内にできるめいっぱいのことをして、
もしそれで余裕ができたら
他の人の仕事を手伝うものじゃないのか。
そう思っていたけど上司は
仕事中よくトイレにいって10分帰ってこない
ことはザラにあって、
自分に振られているタスクも
時間内でできる100%じゃなくて
割と余裕を持たせているとのことで、

私も余裕を作るべきだし、営業に行ったら
カフェで一杯飲み物でも飲んで
時間潰して戻って来なよと言っていた。

上司がこう言ってくれるなら、
言われたことをやっても怒られないのだから
気持ちも軽くなり
存分に余裕が作れるようになった。

自分の仕事の量を自分で決める。
言われたことだけやるのではなくてサボる。
(=立場が上の人の言うことに全て従わない)
ということができるようになってから、
真面目を脱却し、
ある程度自分で考えるということが
できるようになったと思う。
現に今は4社目の会社で働いていて、
こうして仕事中に文章を打っているわけだ

日本人は真面目だというけど
それも決して誉め言葉ではない。
真面目だから言われたことしかできなくて
サボれなくて余裕がない。

本質がなにかとは他人は教えてくれないし
2社目の社長も実は分かってないけど、
つまり肉(動物)を食うなということです。
動物を苦しめない、殺さない、利用しない。
だって自分たちは人間なんだから。
これが人間社会の本質です。


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