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wawabubu
2021年9月12日 20:21
あたしは、親友を売った。なぜって?それは、あたしが日本人だから。会社の南さんは、いろいろ教えてくれた。叔父とも相談して、あたしは、「きんちゃん」こと金明恵(キム・ミョンヘ)を警察に売った。電話番号、家族歴・・・彼女について洗いざらい話した。思ったより、彼女のことを警察は把握していたのには少し驚いた。断片をつなぎ合わせると、きんちゃんはある暴力団の幹部の愛人だったというのだ。き
2021年9月12日 20:12
イ・ジョンキルのカリの張ったペニスがあたしの目の前にあった。常夜灯の下でそれはゆらゆらと立ち上がっている。「姐さん、また舐めてくれよ」「はいよ。ここでこんなことばっかりしてていいのかな」わたしは、つい冷めた口調になってしまう。「いいやんけ。当分、表にはでられへんもん」日本の警察がこの町内をマークしてきている。今週に入って、一段と警察の目を感じるようになった。「なあ、おかしいと思わへ
2021年9月12日 20:07
あたしは、朝から会社の研究室で「重合実験」をしていた。高分子化合物を作るには「重合反応」を起こさねばならない。小さい分子が、いくつも鎖のようにつながって何十万、何百万の高分子化合物を形成する。タイヤ一個が一つの分子だってこともありうるのだ。(ゴムは高分子化合物です)あたしの勤めている会社は、工業用の接着剤を作っている。大学の先生の推薦でここに入社できた。もう三年になる。丸いフラ
2021年9月12日 17:40
「小糠(こぬか)雨降る御堂筋・・・」雨を見てると、この歌詞が頭に浮かぶ。あたしは、読みかけの本を置いた。アップダイクの「走れうさぎ」の主人公、ハリーの逃げるばかりの人生・・・そういや、あたしも逃げてばかり。電話が鳴った。出ると、「きんちゃん」こと金明恵だった。「もしもし、なおぼん?」「どうしたん、突然、どっか行ってしまうから・・・」「ごめんね。あたしはどうもないんよ。受信機
2021年9月12日 17:34
夜はパブになる組事務所に二人の男がテーブルに向かい合って座っていた。「おい、李(り)」「へえ、大将」大将と呼ばれた中年の男は指定暴力団「琴平会」の会頭の蒲生譲二だった。「お前、きんじっせい(金日成)の手先て、ほんまけ?」※金正恩の祖父が金日成「おれは、そんなもんやないです。ただ向こうの工作員に連れてこられて・・・」一方の青年は在日朝鮮人の李鐘吉(イ・ジョンキル)といった。「手先や
2021年9月12日 17:24
あたしは、狭い四畳半を見渡してタバコをくゆらしていた。「この中百舌鳥(なかもず)のぼろアパートがこれからあたしの家になるんや」なぜかというと、あたしが北鮮の工作員に「土台性」を認められ「土台人(トデイン)」に選ばれたからだ。※土台とは北朝鮮の工作員が日本に潜入しやすいように下地を作る、文字通り日本で「土台」となる在日朝鮮人である。それなりの日本での地位や能力(土台性)がないとなれないのだ。