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好きな曲は好き~ハナノユメ/チャットモンチー~

はじめに

私がチャットモンチーを聴き始めたのは中学生の頃でした。
かわいらしいボーカルのお声とポップなロックに惹かれました。特に初めて聞いた『風吹けば恋』という曲の疾走感に惹かれました。
今日は特に好きな『ハナノユメ』という曲についてお話します。


ふいに訪れる痛みの由来

この曲はイントロがなく、所謂サビから始まります。

『薄い紙で指を切って赤い血が滲む
 これぽっちの刃で痛い痛い指の先』

このサビを聴いたとき、不注意でふいに紙で指を切ってしまったときのことを思い出しました。
経験したことのある人も多いのではないでしょうか。
紙で指を切るとき、切った時にすぐにその痛みに気付くこともあれば、血が出ているのに気づいてから、指を切っていたことに気付くこともあります。
でも、確かに痛く、普段よく使う指など、不便に感じます。

『これっぽっち』というところに、私は“落胆”を感じました。
ただ、「あ、切っちゃった!」という軽さではなく、紙で指を少し切った“だけなのに”とても落胆しているように感じました
なぜこんなにも落胆しているのでしょうか。


幸せをあげるのは誰で、もらうのは誰か

『枯れてしまったピンク色のばら
 明日はちゃんと水を吸って
 元気になりますように
 どうかどうか 幸せをあげるから』

ここからAメロに入ります。
花が出てきたら、花言葉を調べたくなりますよね??
バラも色によって花言葉がいろいろですが、ピンク色のバラには次のような花言葉があるようです。
「感謝・しとやか・上品・感銘」
バラというと“愛”等を想像しがちだと思いますが、少し異なって、少しおしとやかなイメージがあると感じました。

私は、花や植物を育てて、愛でてみて考えたことがあります。
花に愛を与えるから、人は花を育てるのでしょうか。
花が育つと愛をもらえるから、人は花を育てるのでしょうか。

私は、人は花を気持ちを表現することに使いがちだからこそ、後者であると考えています。
ものすごく悪く言うと、人間のエゴです。
そのため、この歌の『水を吸って』は花に“切願”しているように感じました。
ただ、花の成長と復活を願うのではなく、「自分のためにお願いだから水を吸って」と切願しているように感じました。
なぜ、切願しているのでしょうか。


フラフラでグルグル

『二本足で立つ地球の隅っこ
 ふらつく体 バランス取れてるかしら
 トランス状態 抜け出せなくて
 グルグルまわる明日はどこ』

ここにきて、完全に精神がまいっているような表現が出てきました。
トランス状態とは、意識が弱く自発的な行動がしにくい、あるいはできない精神状態だそうです。
なんとなく、花にすがっていた理由が見えてきたような気がします。
自分を俯瞰的に見て、とてもつらい状況であることを表現していると思います。

『薄い紙で指を切って赤い血が滲む
 これぽっちの刃で痛い痛い指の先
 バラのトゲを見ていたら
 あなたの心の寂しさが
 痛い痛い とがった心臓
 どくんどくん 血がめぐる』

ここでも一度、サビの歌詞が出てきました。
紙で指を切るという“ふいの痛み”が、人の“心の痛み”と重なったように感じました。

『二本足で立つ地球の隅っこ
 ふらつく体 バランス取れてるかしら
 トランス状態 抜け出せなくて
 グルグルまわるあなたの声』

ここで“あなた”という相手が出てきたことで、これは恋の歌だと気付きました。
当時中学生だった私には、経験したことのない、痛みです。
この歌の“私”は相手に何を言って、何を言われたのでしょうか。
何があったにしろ、トランス状態になるほど、混乱している状態だと思いました。

私は臆病なので、人は怖いと思ってしまいます。
こんなに痛くて、怖い思いをするぐらいだったら、恋なんてしない方が良いのではないか、と。
でも、次の歌詞で、その認識は少し違うものになりました。


痛みで生を感じるということ

ここでもう一度、同様の歌詞が出てきます。

『薄い紙で指を切って赤い血が滲む
 これぽっちの刃で痛い痛い指の先
 あなたのトゲが刺さったようで
 これぽっちの小さな傷が
 痛い痛い まあるい心臓
 どくんどくん 血がめぐる』

前歌詞と異なるのは“まあるい心臓”です。
ふいに現れた指先の痛みのように誰かと交わって感じたふいの痛み
物理的な動悸がするように、自分の中に痛みを感じる。
そして、この項の痛みに、自分の心臓を感じるほど生を感じている。
それがもし恋なら、どういう気持ちでしょうか。

そして最後に、もう一度切願するような歌詞が出てきます。

『枯れてしまったピンク色のバラ
 幸せをあげるから』

これまでの歌詞を踏まえると、衰退してしまった恋模様の復活を祈っているような歌詞に思えてきました。

一度はなくなってしまいそうだった(枯れてしまった)お互いへの感謝(ピンク色のバラ)や想い、もう一度歩み寄るから(幸せをあげるから)…
のような感じでしょうか。


さいごに

私はこのような歌を自分に当てはめて考えるのが苦手です。
経験値が低いからでしょうか…
でも、チャットモンチーもポップで、ロックで、元気が良くて、思わずくちずさんでいるメロディーが大好きです。
一度は生で見て見たかったです。

ここまで読んでくださってありがとうございました。
♡励みになりますありがとうございます。



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