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アメリカ中西部 KFT#4 ラスベガスの粋な仕事人たち
目覚めたら夕方のラスベガス
15時間寝た
深夜の強行ドライブでラスベガスに到着後、
目が覚めたのは翌日の夜6時ごろだった。
「もう夕方だよ…」
ダニーの声で目を覚ます。
「夕方?」
深夜3時から15時間ぶっ通しで寝たことになる。
時差ボケ解消もプラスして、あーよく寝た寝た。
とにかく外へ出よう!
ご飯を食べに街へ繰り出す。
連泊の手続きをしてもらい、まだ明るい夕方のラスベガスの街へ。
たくさんの人種の人達。
交差点で待つ人達を見るだけで、いったいどれだけの国の人たちがいるのだろうかと想像する。
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どこから来ましたか?インタビューしてまわりたくなる
やっと甘くないホットティー
ハーレーダビッドソンのお店 "BEST BAR-B-QUE" でディナー。
2日ぶりにやっとまともに食事をした気がする。
ここでやっと「甘くない、ホットティー」にありつけました!
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今日ばかりは車を運転しなくていいから、ダニーはビールを注文。
2杯注文すると、グラスごと2本プレゼント!お持ち帰りできる。
「これいいよ!」とご満悦。
さあ、ラスベガスの街を散策開始。
そろそろ暗くなり始め、グッチやらのブランド店、ホテルのネオンが光りだす。
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ラスベガスの仕事人たち
マジシャン CRISS ANGEL
エジプトイメージのホテルのロビーに入ってみる。のどが渇いた。
「甘くないティー」のペットボトルを見つけるのが大変だ。
コンビニの冷蔵庫の中をくまなく見る。
このころには、たくさんの清涼飲料水の中に1種類は「甘くないティー」があることを学び、すかさずそれを手に取る。
「著名なマジシャン"CRISS ANGEL" がゲストで来ている!」
とダニーがポスターを見つける。
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さらにそのマジシャンCRISS ANGELグッズのお店を発見。
「すごいぞ!」と言って、興奮気味にフーディを買うダニー。
実はファンらしい。
片手にはさっきのハーレーダビッドソンのお店で飲んだビールグラスを手に。ずっと車の運転で酒を飲めなかったけれど、今日は運転は忘れてグラスのビールを歩きながら心置きなく楽しんで、ダニーはごきげん。
CRISS ANGELフーディをさっそく着て、ちょっと酔っ払って、超ご満悦。
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座り込み
とあるホテルのエントランスの目の前で、2人の男性が「のぼり」を持って座っていた。
書いてある意味が分からず、ダニーに聞くと
「このホテルはシーツが染みだらけで汚くてサイテー」
と書かれているそうだ。
「ここで働いていた人たちかな?」
「たぶん、そうかもね」
「写真撮っていい?」と彼らに聞くと、無表情で
「Sure」
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静かに楽しんでいるようにも見える
おもしろいなあ。なんでもストーリーになってしまうんだ。
やっぱり砂漠の街 ラスベガス
ラスベガスは、ネオン街を抜けると途端に暗く寂しくさびれた感じになる。砂漠地帯で、緑が少ないからだろうか。
ネオン街を歩いていないと、どこか不安になる。暗い方は住宅街なのだろうけど、なぜか冒険する気になれない。
ラスベガス郊外は、ラスベガスで働いている人たちと家族が住んでいる。
家賃は安い方だそう。治安があまりよくないから。
その雰囲気をなんとなく感じるのだろうか。
もう行くとこない、と思ってしまう。思わずネオンの方に引き返してしまう、不思議なちょっとこわいような感覚。
ネオンのはずれまで来て、もうこの先行くとこないよ、とダニー。
改めてエンタテインメントとカジノのために造った街なんだなと実感する。
カジノでダンサーと遊ぶ
ダニーには、この旅でしばしば「チップとスタッフとのコミュニケーション」を学ばせてもらった。
私にとって初めてのラスベガスだが、
賭けゲームにはダニーも私もまったく興味がなく、
「なんかやってみる?」
「やらない」
せっかくラスベガスにきたのにね。
「やってもいいけど、やっぱりお金もったいないよな」笑
そしてカジノをぐるっと散策すると、
あちこちのカジノ台と同じ高さのお立ち台に、水着スタイルの女性が音楽に合わせて踊っていた。景色の一部になって踊っている。
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写真を撮りたくて、ダニーに聞いてみた。
「撮ってもOKだよ、その代わりチップを渡すんだよ。1ドルx3枚くらい。
彼女も仕事をしているんだからね」
「そうか、わかった。よし、やってみよう!」
ダンサーに目で合図して、
「Can I take your photos?」
ジェスチャーとともにお立ち台へ話しかける。
「もちろん、いいわよ」
とポーズをとってくれる。
「ありがとう!Thank you!」
よーし次はチップだ。
「どうやって渡すの?」
「丸めて折って投げればいいよ」
しっかりお札を折って、
「投げるよ!」
と彼女に合図、慣れてる彼女は
「Yep!」と手招き、
「えいや!」
チップをキャッチした彼女は、
お立ち台にすでに準備してあるおもちゃのビーズのネックレスをお返しに投げてくれた。
「写真撮るだけじゃなく、チップもらうだけじゃなく、チップもらったお礼もサービスで返す」
その軽快なやりとりに、私はとてもとても感動した。
とても素敵だなと、じんわり思った。とても楽しかった。
ほんの数分の出来事だけど、あとでにっこりが残るコミュニケーション。
金額よりも、そのコミュニケーションが大切なような気がした。
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粋なラスベガスのスタバスタッフ
ラスベガスの街を一周りしてホテルへ帰ってきた。
夜10時過ぎ、カジノやバーはまだまだ盛況だが、コーヒーショップのスタバはちょうど閉店したところだという。
コーヒーを飲みたくて、滑り込みで間に合うかなとカウンターに行ったら、ちょうどコーヒーマシンを片付けて終了してしまったところだった。
「そっかー、タッチの差だったか」
がっかりして部屋へ帰ろうとしていると、
女性スタッフが、
「ちょっとまってて」と店の奥へ。
大きいグランデサイズのコーヒーを片手に、どうぞ、と手渡してくれようとする。
「自分であとで飲もうと思ってたものだから、お代はいらない」という。「とっておいたものだから、あまり熱くないかも知れないけど」
「それはいくらなんでも悪いよ」
「いいからいいから」
と私たちに渡して、そのまま店の奥へ片付けをしに戻って行った。
カウンターに佇む私たち。
コーヒーを受け取って、ホテルの部屋へ歩き出したが、
「彼女にお礼をしなきゃ!」と同時にお互いに顔を見合わせた。
「チップを渡してきなさい」
「そうだね、いくらかなあ」
コーヒー代プラス1ドル札3枚くらい財布から出して、カウンターに戻り、
「Hello!!!」
とさけぶと、 彼女が出てきてくれて、初めは断っていた彼女だったが、最後には受け取ってくれた。
部屋に戻り、ダニーとBIGなコーヒーを分け合って、ほっこりした気持ちで、夜中のコーヒーを味わったのだった。
ただでもらって得した、ラッキー!と喜んで、そのままになる場合もあると思うけれど、お礼をしてこそ、気持ち良いコミュニケーションが成立するのではないだろうか。
「アメリカには義理はない」なんて聞いたことがあるが、きっとこういうところで WinWinの関係というものが存在するのではないだろうか。
またの機会にお礼を、できる間柄なら良いけれど、そういう場面でないことも多くある日常、チップは、その場、その時々でお礼の表現ができる、便利なツールなのかもしれない。
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つづく….
前編は↓こちら
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