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アメリカ中西部 KfT#3 ハプニングの深夜700kmドライブ
砂漠の歓楽街へ
ビーフジャーキーとコカ・コーラ
グランドキャニオンへ行くべくモアブへの分岐から、
ハイウェイをラスベガス方面へ、通行止めハプニングのため、やむなく方向転換して走り出す。
「夕食どうしようか」
何か食べたいけど、まだ先が長いから、レストランでゆっくりする気にならないし、ファストフードをがっつり食べる気にもならない。
コンビニに寄る。
「スープ飲みたいな。supyなもの。」
インスタントスープを買ってお湯を入れて、車の中ですする。
ダニーはビーフジャーキー。好きらしい。
コーラとデカいビーフジャーキーをかじっている。
すごいな。犬みたいだ。
ダニーはレストランでも家でも食事の時はコカ・コーラなのだ。
「スープはいいチョイスだね」とダニー。
「でしょ。夜は温かい飲み物だよ」
Yeah Yeah Yeah's "Heads Will Roll" の曲をかけてもらう。
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ダニーに教えてもらったお気に入りの曲、クレイジーな曲だけどこれ聞いてちょっと元気が出る。
さあ出発しようか。あとどのくらいかなーーー
約1.5時間毎に、ガスステーションで一本休憩しつつ、
夜のハイウェイを走る走る、走る走る。飛ばす飛ばす、飛ばす飛ばす。
目的地は、700キロメートル先。
マイルとキロメートル
眼下遠くに街のネオンがキラキラ見えてくる。
左右に広がる黒い山肌の向こうに、たくさんのオレンジ色のキラキラが、ひとかたまりになっている。
「ラスベガスが見えてきたよ!」
うわあ、明るいなあ、あの辺りだけ。あたりは真っ暗なのに。
キラキラが見えてからも、なかなか目的地には着かない。見えてる分だけ、なかなか着かないことに少々イライラする。
見えることと距離感は日本と規模が違うんだ、デッドホースポイントの時と同じだな。
それでも、少しずつ少しずつ、だんだんだんだん、キラキラが大きくなってきて、、
そして、あるとき気づいた。
車の速度計が「87」を指している。
時速100キロ以下で走ってるのか、そんなもんかーとずっと思っていた。
しかしここはアメリカ、マイル単位だった。
時速87マイル = 時速140キロだ。 ひゃー
時速140キロで一日中走ってるんだ。 ひえー
道や景色が広いから、スピードをそれほど感じないのだ。
「時速87キロ」でも何となく納得していた。
初めての体感。そりゃ乗ってるだけで疲れるわけだ。
助手席は自分が運転していない分、体が揺さぶられるだけから、なおさら疲れると聞いたことがある。
オレンジ色のラスベガス
やがて、だだっ広く平らな土地に入り、平屋の住宅がぱらぱらと現れてくるのが暗闇の中でも薄明かりで見える。
ラスベガス郊外へ入ってきたのだ。
インターセクションを抜けて、いよいよ、
ネオンの街、ラスベガスだーーー
ハイウェイから見えていた、オレンジ色のキラキラが、ピカピカ、ギラギラ に変わる。
![](https://assets.st-note.com/img/1685192604618-OCqG1uqTKR.jpg?width=800)
映画や写真でよく見る景色を、今まさにリアルで見ている。
しかし私は、ただただ車を降りたい、外に出たい、やっと街についた、それだけだった。
![](https://assets.st-note.com/img/1685192082962-i467yzyevY.jpg?width=800)
どこでもいいから、早くどっか入ろうよー
私は時差ボケも相まって、眠くて疲れてドロドロだった。
ハプニングゆえの長丁場ドライブで、
一生懸命運転しているダニーを横に、口には出せない。
しかも真夜中なのに、車が渋滞していて、なかなか進まない。
ダニーが入ったのは、翌朝知ったが、"CAESARS PALES" シザーズパレスホテル。
![](https://assets.st-note.com/img/1685192702721-LGM4fHTs3Z.jpg?width=800)
内緒だが、笑 前の奥さんと結婚式をしたところらしい。ここもお得意の場所なのだろう。
立体駐車場へ、やっと車の外に出られた!駐車場からエレベーターでロビーへ。
明るい!深夜の目には眩しすぎるライト!
きらきらの広ーいロビーカウンターへ。空いてる部屋を尋ねるダニー。
部屋があてがわれ、がこーんと何にもない、殺風景な広ーい部屋へ。
日本人なら4人くらい寝られそうなワイドキングサイズよりも大きいのではないかというベッドと、ソファーとサイドテーブルとイスがちょこんとあるだけ。パーティのための部屋みたい。
窓の外は、、
カーテンを開けるとホテルの壁面と窓が続いている。
当日、深夜に空いているくらいだから、そういう部屋なのも納得。
寝るだけだから問題なし。
ダニーもさすがにベッドへ直行、バタンキュー。
私は「風呂入りたい」
バスルームへ、広いなあ。オレンジ色の大理石調で、洗面台、奥に四角いバスタブが壁面にはりついている。でかい。古代エジプトの棺桶みたい。
ガラス張りのシャワールームは別にある。
ラスベガスは何かとオレンジっぽいのだ。
シャワーのハンドルを回すも、やけにでかくて硬いハンドル、どこで止めたらよいやら、勢いの調整ができない。お湯もあんまり温かくないけど、
とにかく髪洗って、体洗って、ドライヤーで髪乾かして、やっとこさ寝られる!
![](https://assets.st-note.com/img/1685192389106-lhe2e8YX6R.jpg?width=800)
しかし、
スーツケースがタバコ臭いよ、、
タバコ吸いのダニー。
運転中は窓を開けて吸ってくれてはいたが、すでに車がタバコの匂いだから、トランクの中のスーツケースの中の私の荷物にまでタバコのにおいが移ってしまっていた。
スーツケース全開のまま、とにもかくにもベッドへ。
ホテルに着いたのが深夜2時ごろだったから、それからなんやかや、寝たのは深夜3時を過ぎていた。
この日の行程
ダニーの家から
クレセントジャクソン(モアブへの分岐)約300kmを経て
ラスベガスまで約700km
途中、モアブからデッドホースポイントまで約80kmを含めて
合計 約1,080km
日本換算にしてしまうと、これは
「東京から青森 もしくは 岡山へ 700km を一晩で走った」
「東京から福岡を 時速140kmで 1日で走りきりました」
ということになる。
つづく…
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