平和ボケと言われようとも

私は後世に残したいと思う映画作品がある。
それは「パッチギ!」と呼ばれる作品である。
今回は今更だがその映画作品について語ります。

映画の見どころポイントとしては、異国間での恋、国交問題、60年代の文明文化の違いに纏わるいざこざetc…。

私は1960年代に生まれたわけでもないが、今と何ら変わらない国交問題がその映画で見られて「昔も今も変わらないものなのかもな」と軽い気持ちで昔ビデオ屋で手にしてから運命が変わったー・・・。

ヒッピー文化や、学生運動など過激な時代だった60年代に学生だったという私の先輩たちは当時の日本をどうしたかったのだろうか?どう思っていたかは定かではありません。

当時がどんな時代だったかまでは実際に見たことがなくとも作中序盤のつまらない理由でのケンカに始まり、終盤の当時の朝鮮高校生と日本の高校生とのケンカから、当初は俗に言う中身の無い不良カッコいい〜…とか、血みどろのスプラッターな映画だろと1回目の視聴の際に思っていたが見れば見るほど「あぁ、そういう事なのか」と人間なら頷けてしまう部分がある作品であると気が付きました。

作中の最も大事な部分で登場する「イムジン河」…後にこの曲を実際に視聴してみましたが、仮に国と国に境目があるかもしれないが音楽に国境が無いものなのだと監督のメッセージをハートで理解できた。

日本人が悪い、韓国人が悪いとか誰かが悪いのかのように犯人探しみたいなことを言い出せばキリがありません。

そりゃ異国間同士での人種や領土問題は古くから決められていた歴史的観点や学問的なもので解決するに事したことはないが、時として捏造と言ったものがしばしば見られて正しい歴史を学んで来たはずが、それが後になって虚偽のデータだったとなればこれは両者間での重大な溝を生み出すことになると懸念されます。

かと言って放っておけば解決する事もなく、悪化する事もなく文字通り「誰も得をしない」道が目の前にまで来ているのは間違いないと思います。

この国の人と付き合ったって仕方ないよと思うか、或いは得だからだと選り好みするかしないかで聞かれれば私は自分にとってプラスになるだろうと直感で選びます。

はっきり言ってそれが人として正しいか間違えているかは分からないけれども、自分の世界を壊そうとしてくる人は自分の視界に入れたいと思えません。

それが特定の外国人であろうが、自己の世界を広げられるならば思想とかで縛らずに老若男女問わず色んな人と話がしたいし、交友も広げたいので語学を勉強したり、実際にその国の文化や文明に触れたりするのも厭わない。

この映画の伝えたかった事、それは紛れもなく「たとえ歪み合う国の歌であろうともそれを禁止する権利なんか無い」と言う事だろう。

作中の終盤で、歌手の大友康平先生が演じるラジオ放送局のADが全国に向けてイムジン河を歌う予定だった主人公が韓国人の友の死により弱気になっていたところを見兼ねて発した大好きな言葉があります。

「どんな理由があろうとな、歌ったらあかん歌なんかあるわけないんだ!」

・・・どう思いますか?一理どころか千里あると私は感銘を受けています。今更ながら。大友さんがその言葉を言い放ったからこそ胸に響いたのかもしれない。
この映画も好きだし、なによりも作中の脚本の中で一番この言葉が大好きなのです。

戦争を経験したことのない頭すっからかんの若造の私からしてみれば、まず文明文化や言語が通じ合わなければ音楽でコミュニケーション取ろうぜ!って思ってしまいます。その考えはこの作品を通じて培われたとも言えますね。

日本も戦時中は、相手国であった国の書物を読んだり、歌は歌ったり聴いてはいけないと禁じられた。言葉の中に英語なんか使えば忽ち後ろ指をさされ、住んでいた地域では村八分にされたりしたそうです。

人が始めた戦争とは愚かで醜いものです。本当に。人が人の心から自由を奪います。そんな事あって良いはずがない。

そんな事を思う私には好きな歌があります。

それは「Deutschland」です。これはドイツの国歌です。

Deutschlandは元々オーストリア国の国歌「神よ、皇帝フランツを守り給え」のメロディーにドイツ国の歌詞を入れてアレンジされて生み出された音楽だそうです。

この事からDeutschlandの歌詞は兎も角、メロディーとしてはドイツ国に生まれた人間でもなく、音楽の知識も碌に持ち合わせていないペーペーの素人が偉そうに言ってしまいますがこの歌は本当に美しく、国を表す歌としては完璧と思えます。

現在1番と2番の歌詞を歌うのは禁じられています。
なんと3番だけしか歌わないのだそうです。

その理由と致しましてはまず1番目の歌詞がドイツの領土だけでなく他の国の領土も含んでいる事から不適切なのだそうです。

2番目の歌詞は簡単に言うと「ドイツの女性は素晴らしい ドイツのワインは素晴らしい」と言う内容。

近隣諸国を刺激したり、昨今の女性と男性とでの差別や表現の暴力なんかが横行する時代ですから歌詞的に都合が悪いのかもしれませんが、1人の人間として私が言える事はドイツの国歌は良いメロディですねとしか言えない。

これに関しては表現する為の語彙力を増やす国語力をはじめ、もっと芸術や音楽の知識を蓄えなくてはいけないと思えます。

ちなみにヒトラー政権時代は逆に3番を歌わなかったのだそうです。

それこそ戦争中の人々の心境がひしひしと伝わってきそうですが、どんな理由があろうともやはり歌ってはいけない歌なんか無いのではないだろうかと学の無い頭すっからかんの私は思う訳なのです。

余談ですが私が尊敬する歌手アーティストで大友康平先生も挙げられますね。この映画作品を通してその人の歌声の素晴らしさを知りました。

いすゞのトラック(大友康平ver.)は私のハートをメラメラと燃やしてくれるやる気の燃料とも言えます☺️

歌詞も大事ですが何よりも私は心(心の底からの歌声、ハートがこもっているか)を大切にしていますから。