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nihongo cafe・つながるアジアカフェ|外国人技能実習生と地域をつなぐ温もりの時間

つながる気仙沼プロジェクト。このプロジェクトは、気仙沼市で仕事をする外国人技能実習生と気仙沼市で生活する地域の人々のつながり創造する、特定非営利活動法人地球対話ラボによるプロジェクトです。2023年12月。私は、このプロジェクトを実施している喫茶店を訪れました。

つながるアジアカフェが催されたくるくる喫茶うつみ

少子高齢化が急速に進む昨今。気仙沼市もまた少子高齢化に苦しむ自治体の一つです。令和2年に実施された国政調査によると、気仙沼市の総人口60,501人の内、65才以上の人口は23,437人。つまり総人口の38.7%もの人口が高齢者で占められています。

そのため、地元の現役世代だけで地域の仕事を支えることは、とても難しい状態になっています。そんな中、地域を支えてくださっているのが、外国人実習生として気仙沼で生活し、働く人々です。外国人実習生の存在なくして、地域の仕事を支えることは、非常に難しいと言っても過言ではありません。

一方で、気仙沼市を訪れる外国人技能実習生は、日本語に堪能なわけではありません。また彼等彼女等は、気仙沼市に縁もゆかりもない人々です。言葉も深くは理解できない。土地勘もない。知人や友人、家族といった頼れる人々もいない。そんな土地で、彼等彼女等は仕事を行うのです。

「最初はとても怖かった」

つながるアジアカフェを訪れていたインドネシア出身の男性は、初めて気仙沼市を訪れたときの感情を教えてくれました。年齢は21才。屈託のない笑顔の奥に潜む真剣な眼差しが印象的な男性でした。気仙沼市を訪れたのは今春。気仙沼歴は1年に満たないそうです。

「でも、会社の人たちが本当に良くしてくれるので助かっている」

にこやかに微笑みつつ彼は日々の生活について、私に教えてくれました。声は朗らかながら真剣で、そこにおべっか色はありません。本当に周囲の人々が、彼の生活に対して不便さが生じないように計らっているのが伝わりました。

巷では、外国人技能実習生に対する惨いと表現するにふさわしい非人道的な仕打ちが話題に上がることが少なくありません。事実、そうした数々の非人道的な仕打ちに端を発した問題を受けて、外国人技能実習生制度は見直しが進んでいます。

一方で、彼を取り巻く環境のように、外国人技能実習生を私たちと何ら変わらない一人の人間として大切にしている企業も存在しています。彼を通じて、そんな現実に触れることができたのは、私としてはとても素晴らしい機会でした。

ところで、つながるアジアカフェと同時に、nihongo cafeというプロジェクトも同時に行われていました。本プロジェクトもつながるアジアカフェと同様に、気仙沼市で生活する外国人と地元を繋げる優しさにあふれるプロジェクトです(上記のInstagramはnihongo cafeの公式アカウント※ID:tunagaru_nihongo)。

こちらは、ぬま大学という地域プロジェクトの6期生として活動した若者が運営を行っています。常に微笑みを絶やさず、訪れる人々全員を温かい気持ちにさせる優しいコミュニケーションを取っているのが印象的でした。先ほど伝えた彼も、そんな運営者にすぐに心を開いているように見えました。

つながるアジアカフェ、nihongo cafeともに、とても温もりが感じられる空気感の中、穏やかに流れる時間を楽しめるのは、そのような優しさにあふれた人々が運営を行っているからなのだと感じずにいられません。つながるアジアカフェの運営を担う地球対話ラボの方も非常に気さくで、外国の方々を常に楽しませておりました。

過ごしてきた環境や背景にある文化・歴史が異なる人々とのコミュニケーションは、非常に難しいものです。初めて会う人々となれば、一層難易度は上がるでしょう。にもかかわらず、訪れる人々全員がリラックスしながら、思い思いに談笑や食事、歌を楽しめていたのは、まさにそうした運営に携わっている方々の人柄や心根の優しさあってのものだと考えます。

参加者による弾き語りの様子
そして夜はふけていく

本プロジェクトは、今月より第2日曜日に実施され、来月も行われます。地元の方々はもちろん、気仙沼市で生活する外国人実習生、外国から移住された方々にぜひ参加して欲しいです。

※参加費用はなく、食事を注文した場合に食事代が生じます。この日は、フィリピンの家庭料理チキンアプリターダが450円でした。クリスマス企画も行われていたようです

※1月分

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