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2022年11月の記事一覧
【361日目】:病むことの意味
ご隠居からのメール:【病むことの意味】
病むことにも意味があるとすれば、それはどんな意味だろうか。病むという体験をしてよかったという意味かもしれない。
我が八十三年の生涯をふりかえると、風邪、結核、脳梗塞、肺炎という四種類の病気を罹患した記憶が残っているが、いずれの場合も、無事恢復している。恢復していなければ、こうして生きながらえて、駄文を書き散らすこともない。そう考えると、病むことの意味には
【360日目】:老いることの意味
ご隠居からのメール:【老いることの意味】
老いるとはどういうことか。開けてびっくり玉手箱、太郎は白髪のおじいさん、という悲哀をかみしめることか。いや、白髪は一本も残っていないぞ。歯もみんな抜けてしまった。目は一寸先も見えない。そのうえ、足腰はめっきり衰え、味覚嗅覚障害に悩まされ、認知症が進行中の老いさらばえた身体ーーこの状態で生きていくことに何の意味があるのか。
それでも意味はあるのだと、フラ
【359日目】:生きることの意味
ご隠居からのメール:【生きることの意味】
入院中はヒマがたっぷりあり、養老孟司『バカの壁』を二度にわたって読む機会に恵まれた。これもコロナのおかげである。
世の中には、「話せばわかる」と思っている人がいる人が多いが、それはウソか、幻想であると、養老先生はいう。人間同士がお互いに理解したいと思っても、口先だけのことばで理解しあうのは不可能に近く、たいていの人間は話してもわからない。そのうち、テロ
【358日目】:健康経過観察(三回目)
ご隠居からのメール:【健康経過観察(三回目)】
順天堂大学付属浦安病院で三回目の健康経過観察を受けた。間質性肺炎の炎症はほとんど消えており、新しくできた炎症は一切見られないので、ほぼ完治したみてよいと医師はいう。これにて一件落着である。めでたし、めでたし。
ただし、緩下剤として酸化マグネシウム錠とピムロ顆粒一か月分の処方箋を渡された。一か月後からは市中のかかりつけクリニックから処方箋をもらって
【355日目】ナムアミダブツかアーメンか
ご隠居からのメール:【ナムアミダブツかアーメンか】
人間は罪深い存在である。常日頃は勇ましい言動をしていても、死の淵に直面すると、気が弱くなり、神仏に頼りたくなる。死に瀕したときに、どんなホンネをもらすかを含めて総合的に判断しなければならない。たとえば、正宗白鳥がアーメンととなえ、佐藤紅禄がナムアミダブツととなえて、あの世に逝ったのがその例だ。人間の本質は常日頃のタテマエの言動だけで判断すると真
【354日目】:高瀬ゴッポーか石ゴッポーか
ご隠居からのメール:【高瀬ゴッポーか石ゴッポーか】
私は子供の頃、高瀬ゴッポーと呼ばれた。隣村まで足を伸ばして遊びに行くと、「高瀬ゴッポーが来たぞ。やーい、ダラズゴッポーやーい」といって、からかわれたのである。ダラズというのはのろまのバカという意味の方言。つまり、高瀬ゴッポーは蔑称、差別用語である。
ゴッポーは、高瀬ゴッポーと石ゴッポーの二種類が村の小川に生息していた。石ゴッポーはハゼの一種で
【352日目】:吉野村か高瀬村か
ご隠居からのメール:【吉野村か高瀬村か】
私の故郷は高瀬村だが、古代には吉野村と呼ばれ、中世には奥村と呼ばれる時期があったらしい。由緒ある地名を改称するにはそれなりの理由があるはずだ。なぜ吉野村は高瀬村と改称されたのだろうか。あの村には広い野はあるが、村を流れる小川の川幅は狭く、高い瀬はない。高瀬村と称する必然性があるとは思えない。
いや、一つだけ理由らしきものが考えられる。それは我が家に伝わ