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小説、SSなど

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思いつきで書いたSS置き場です。
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2022年6月の記事一覧

ジェノスとラーメン

ジェノスとラーメン

「なぁ、ジェノス」
「はい、先生」
「うどんがバケツ一杯食えるのならラーメンは食えないのか」
「ラーメン…ですか?」
「ラーメンのほうが油があるからお前に向いてんじゃないの?」

そういう訳で先生がインスタントラーメンを作ってくれた。
「店のほうが段違いにうまいけどな」
「いえ!先生が作ったインスタントラーメンが一番うまいかと」
「啜って食べるんだぞ」

うまい!子供の頃には親から禁止されていたイ

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先生と弟子

先生と弟子

「ジェノスー、一緒に寝ようぜー」
先生のほうから誘われた。
こんなことは初めてだ。
「もちろんご一緒しますがなぜ急に…」
「なんとなくお前といたいんだよ、離したくないんだ」
「先生!嬉しいです!」

その夜は初めて抱き合って寝た。
この夜がずっと続けばいいのに。

終わり

願望小説

願望小説

「ジェノス、お前のコアって無いとすぐに機能停止するのか?」
「はい、身体は停止しますが唯一生身の脳には維持装置が別個にあります」
「じゃあ脳だけは生きるんだな」

クセーノ博士が大切な脳を護るために付けてくれた。
損傷さえ受けなければ復活できる。

終わり

ジェノスとマント

ジェノスとマント

「ジェノスはマント付けないのか?」
先生に聞かれ
「どうせ燃えてしまいますから」
と即答のジェノス。

「そう言えばジェノスの服は燃えないよな。服と同じ素材で作ったらどうだ」
「なぜそんなにマントをすすめるんですか?」
サイタマは
「お前のマント姿が見たかったんだよ」
と言う。
「それなら本格的でなくともコスプレでいいのでは?」

「そうだな、俺が選ぶから付けてみてくれ」
そう言ってサイタマが選ん

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ジェノスと銀行

ジェノスと銀行

ジェノスは極力銀行には近づかないようにしている。サーチ能力で内部データを見てしまったりという故意ではない事故が起こるからだ。

しかし。
今日は先生にお金を小額下ろしてきてくれと頼まれてしまった。

ATMは使えないので窓口の前の椅子にいると
「S級ヒーローのジェノス様ですね。よろしければ定期預金にしてみませんか」
と勧誘された。

「普通の通帳預金で充分だ」

S級は稼いでいると思ったのだろう。

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そういうこと?

「先生!」
ジェノスが真剣な目で訴えてくる。
「なに」
「今夜は先生の布団で一緒に寝たいです」
「え??!」
「ご心配なく。そういうことは一切しません」

なんだジェノス、甘えたくなったのか?

ただ、横に並ぶのではなく抱きつかせて欲しいという。
あのなぁ、抱きつくなんて俺がそういうことになったらどう責任取るんだよ。

「俺が興奮しちゃったら?」
「その時は先生にお任せします」
「まぁ、いいけど」

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ジェノスのツボ押し

ジェノスのツボ押し

ある日の新聞。チラシに人体ツボ図が書いてある。
「こんなツボ押して効果あるのかな」
サイタマが興味深そうに熱心にみている。
「頭がよくなるツボとか髪が生えるツボはねーのか」
ジェノスもチラシを熟読している。先生が興味を示しているのだから理解しておかなければ。
「俺はサイボーグですから効果は分かりませんが、先生さえよければ押してみましょうか」

「お、そうか。頼む」
早速うつ伏せに寝るサイタマ。

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漫画紛失

漫画紛失

「ヤベェ、漫画1冊失くした」
やけに必死に探していると思ったらサイタマ先生は通巻で揃えている漫画を失くしたらしい。

ジェノスは声をかけた。
「先生、俺が買ってきますから」
「売ってねぇよ、絶版なんだろ〜」

ジェノスは思案する。
古書店を回ればありそうなものだ。
しかしサイタマ先生は共に暮らしてきた漫画に愛着が湧いているのだろう。
「あらすじを教えてもらえば俺が描きます」

果たして描けるのだろ

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ジェノスに必要?

ジェノスに必要?

「なぁ、ジェノス。お前下着ってはいてるのか?」
いきなりのサイタマの問いに
「俺はサイボーグですから必要ないかと」
当たり前のように答えるジェノス。

「しかしなぁ、いくら機械とはいえパンツ無いと服脱ぐと全裸だろ?形だけでも履いたらどう?」
「どのようなものを?」
「俺のイメージではトランクスだな。他になんかある?」
「褌」
「ふ、褌??!なんで?」
「通気がいいので熱暴走しにくいんです」
「褌な

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サイボーグ・バード 4

サイボーグ・バード 4

俺の外見は怪物だ。
鳥類とかろうじてわかる程度の半ナマ人形だ。

流石に俺もこの姿は嫌だ。
美しいフウチョウだったんだぜ?
元に戻りたいに決まってるだろ。

まず試したのは着ぐるみだ。
うまくいきそうに見えたが機械部分が熱暴走して口から火花が出やがった。

ペイントも試した。
ネジがくっきり浮かんでダメだったんだ。

いっそ羽毛を貼り付けるか?
そんなものジェットエンジンで簡単に剥がれ落ちちまう。

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愛の薬

愛の薬

「ド直球な名前だな」
サイタマが呆れつつ言う。
「ヒーロー協会から1人1錠配布されたそうです」
「じゃあお前も持ってんのか。いつ飲むの?」
「先生が飲むときに俺も飲みます」

こんな妙な薬、飲んだらどうなるんだ。
だいたい、俺とジェノスしかいないときにうっかり飲んで変なことになったらたまらない。

「先生、今2人で飲みましょう!」
「えー、なんで」
「先生がどうなるか見たいです」

他人事のように

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ジェノスと太陽

ジェノスと太陽

朝、ジェノスは直立不動でサッシに背を向けて立っていた。
彼は脳だけ生身なので、朝の太陽光は浴びておきたいのだ。
サイタマ先生は寝ているが、日中外回りや買い物で散々頭皮に直接日光を浴びているだろう。

ある時ジェノスは日光浴しながらスリープモードになってしまったことがある。
連戦で身体全体に疲労物質が溜まっていたらしい。
寝たままサイタマ先生が心配そうに布団に移動させて寝かせてくれたが、不覚だった。

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ジェノスと通販

ジェノスと通販

ジェノスはテレビの通販番組に見入っていた。
あの穴あき包丁、とても使いやすそうだ。
自費で買うか?いや、節約してるサイタマ先生に申し訳が立たない。

たまに生真面目なジェノスは通販番組の売り文句を真に受けてしまうことがある。そして購入しようか迷った挙句やめるのだ。

そもそも先生が通販を利用しているのを見たことがない。送料をケチっているのだろう。

物欲がさほど強くないジェノスでさえ真剣になる深夜

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