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漫画紛失

「ヤベェ、漫画1冊失くした」
やけに必死に探していると思ったらサイタマ先生は通巻で揃えている漫画を失くしたらしい。

ジェノスは声をかけた。
「先生、俺が買ってきますから」
「売ってねぇよ、絶版なんだろ〜」

ジェノスは思案する。
古書店を回ればありそうなものだ。
しかしサイタマ先生は共に暮らしてきた漫画に愛着が湧いているのだろう。
「あらすじを教えてもらえば俺が描きます」

果たして描けるのだろうか。
ジェノスの絵心など誰も知らない。

「いや、それじゃダメだ。コマ割りとかまで覚えてねぇし」
「作者は?」
「過労で亡くなってるよ」

作者を突き止めて描かせる方法は断たれた。

「最後に読んだのはいつか覚えてますか?」
「布団に寄りかかって読んだのは覚えてるな」
「!!」

ジェノスは外に干した布団を見に行った。
その足元には失くした漫画が落ちていた。

「サイタマ先生、ありましたよ」
「おおそうか!よかった」

大事そうに本を開く先生を見て安心するジェノスだった。

終わり

お金が欲しいです。