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愛の薬

「ド直球な名前だな」
サイタマが呆れつつ言う。
「ヒーロー協会から1人1錠配布されたそうです」
「じゃあお前も持ってんのか。いつ飲むの?」
「先生が飲むときに俺も飲みます」

こんな妙な薬、飲んだらどうなるんだ。
だいたい、俺とジェノスしかいないときにうっかり飲んで変なことになったらたまらない。

「先生、今2人で飲みましょう!」
「えー、なんで」
「先生がどうなるか見たいです」

他人事のように。
いくら身体がサイボーグだからって脳にもきっと影響するぞ。
「2人ともおかしくなったらヤバくねーか」
「それでもいいので見たいんです」

結果、2人で愛の薬を飲んだが、南の島か観光地でリラックスして旅行してる幻覚しか見なかった。

目が覚めた2人は言う。
「なんて安直な休暇だ」

ヒーロー協会の愛が詰まった錠剤だったのだ。
「まぁ、幻覚だけど休めたからいいか」
ポツリと呟くサイタマだった。

終わり

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