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短歌

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短歌の記事まとめです
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記事一覧

短歌連作『架空の恋愛について』

 雲の切間に伸びている光から天使が降りるの、見たことないけど

 自分とは向き合うことが億劫でノイズキャンセル消してこの世を

 暗闇でブルーライトを浴びた指で繋がっている気がするだけ

 見ていた動画を止めたとき寂しい無音が虚空がそばにいるの

 歪みから顔を出したの嫌いな子目が眩むのは貴方のせいね

 目眩って世界が回ると言うけれど回ってるのは私の中身

「愛とは」と語るあなたのしたり顔つねり

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短歌連作『連続した私と途切れた毎日』

目を瞑る瞼の裏に星屑が見えたらあなたを迎え入れる

夢の中「入ってますか」ノック音は逆再生で返ってきた

カーテンに透けた陽射しのやさしさは誰かに似てる思い出せない

ゆっくりと目をあけてほら、あさがきたおもい身体もあいしてあげて

寝坊して始まる今日も正常に過ぎてくれるの願うばかりだ

乾いてる肌をなぞった指先は未来を見てからシーツに落ちる

目覚めから完璧だった幼き日々を引きずって、20数年

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短歌連作『再燃するゴミ』

1引いて私が消えたらどうします? 有りえなくもないでしょうから

金髪の彼がいくつも立っていて、祈りというのかはたまた呪いか

推しはクズまたは浪費家、嘘つきで結婚できないから大好き

毎日の投稿チェックにいそしめど付かず離れず、心臓を渡す

好きだったそれは事実であり嘘で二度と私に姿を見せるな

連作を読んでいただきありがとうございます。

記事を読んでいただけたら、いいねを押してくださると、と

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短歌連作『裸体の春』

「過ごしやすい天気ですね」そうですね、あなたがいないともっと良いです

間違えてすこし根気を見せたときやっぱりやめておけばよかった

染み込んだ憂いの香りに騙されて愛してくれよと裸で迫る

「エモいって言葉で片付けないでくれ」片付けてない、散らかってるの

誤嚥した小さなイチゴのビーズたち君の唾液で美しく見えた

首にあるしこりが膨らむ夢を見てああ、また生き延びたのか、私

大胆な軌道に見惚れて立

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短歌 009

おにぎりの撫でまわしたいさんかくは
愛なんて言葉でも足りない

突き抜けて障子の向こう壁は見た
迫るスーパーボールの青色

おにぎりのなりそこないをかき込んで
ため息ひとつ米粒ふたつ

眩しくもないし胸は張り裂けない
声を枯らせど分からない 恋

いっせーのせーで死のうよ私たち
アニメの最終回になろう

変わり身の術であたしの歯並びを
よくして頂戴、あの子のように

これは夢、私のことを知らないと

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短歌 008

甘いのが苦手な君に渡したい
ちょっとお高い袋麺とか

あの人に渡してみたいわこの手紙
私の知ってるあなたの全て

刺すように輝くいしに見惚れてる
真っ白な視界で見据える先は

愛や恋とかわからないから言って
その目で口で身体でもいい

あれはダメ、これが良いよを真に受けて
出来上がったわあなたのドール

指先が触れ合うたびに意識して
反吐が出るわね愛だの恋だの

ラブアンドピースを掲げてどうするの

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短歌 007

ばあちゃんがショートケーキとコロッケを
まぐまぐ食べるの見て胃もたれ

紙の上をペンが走るの自然とね
そんなふうに絵を描きたかった

生きるため生きるためだと言い聞かせ
食べることをやめないおもち

おててがね、くりーむぱんだね、わたしのて
後に死にたくなるとも知らず

目を描いた。大きな大きな目を描いた
この世の悪はおかげで消えた

「やめよっか」寂しい瞳に吸い込まれ
散りゆく貴方をあつめる夢か

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短歌 006

「愛とは」と語るあなたのしたり顔
つねりたくなるそれも愛だと

居留守して郵便受けの不在票
捨てたい思いを破いて捨てた

「心してかかってこい」と敵の君
心は勇者(きみ)にあげたはずだよ

なくなったはずの心が痛むのは
やっぱり息を吹き返したから

いしゅーとかえびでんすとか知らんけど
わたしを馬鹿にしてるんでしょう

インパクトドライバーとか使ってさ
開けたい風穴、地球の裏側

大学を中退したか

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短歌 005

満員のスタバでココアを啜る昼
なれない銀座で暇するわたし

喉元のフラッシュバックの感覚で
食事するのが怖くなる夜

鳴る腹がきゅりきゅりぐるんと続いては
涎の海に溺れたねずみ

年末の無敵感には溺れずに
ゆっくりよく噛んで食べる蕎麦

一年の抱負などすでに忘れてる
頃になったら迎えにきてね

虫寄せる黄色いダウンが日を受けて
歩く歩く背中はびっしょり

知ることは楽しいからと本を読む
それで本当

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短歌 004

泣き虫の君から流れる液体を
すべて集めて僕になるんだ

ぺてぺてと響く静かな授業中
保健室までの道のりは長く
(うたの日2022/12/03「廊下」)

途中まで見ていた動画を止めるとき
寂しい無音が耐えられないわ

目眩のするような朝、トースト、目玉焼き
バターナイフを突き刺してケチャップ

「愛してる」「ほんとう?」背後の熱が訊く
「本当」小声で目を合わせずに
(うたの日2022/12/04「

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短歌 003

駅前で似顔絵を描いて稼げれば
間違えたって大丈夫になる

やる気ないわけじゃなくってやるべきが
やってほしくないそう言ってる

どうしてる?狂った呟き肥ゆるなう
みんなが育てる青い鳥肉

努力して得られるものがこれなのか
未来もないのに星は瞬く

よろこびも、かなしみもぜんぶ、わけあおう
架空のせりふ恋人の声

「やってない。本当だよ」って嘘をつく
やっただろうがやっただろうが

歪みから顔を出し

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短歌 002

雲の切間に伸びている光から
天使が降りるの、見たことないけど

ポテチの油でベトつきぬめった手
見ないふりして始めるゲーム

味海苔でご飯を巻いて食べるのが
久しぶりだからちょこっと泣いた

目眩って世界が回ると言うけれど
回ってるのは私の中身

さいきんね、寝汗をかくの夏よりも
悪夢も多いしそのまま死にたい

青い空よりもご飯が好きだから
カメラロールに閉じ込めてるの

寝ていても体は痛いし起き

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短歌 001

だれにでもそういうことはあるでしょう
納豆のねばねば髪に付いたり

自分とは向き合うことが億劫で
ノイズキャンセルはそのためなんだ

本をめくる音、質感、しなる紙
文字だけじゃない、ここにあるのよ

乾燥機が部屋を暖めてるから
ばあちゃんがすーっと眠ってる

団地での下校の美しさは清く
中学生が窓で絵画に

「鶏肉も食べられるのよ最近は」
呆れたように微笑むばあちゃん

「ハチミツが欲しいんだよね

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