納富さん3

就活したくないなら、しなくて良い理由

納富順一さん
特定非営利活動法人「キャリア解放区」代表理事。
大学卒業後1年間のニートを経験後、テレビ局のADを経て、人材業界へ転職。新卒、中途、障害者など幅広い分野で人材ビジネスに携わる。
企業、求職者の目線に立ちづらい人材業界のあり方に違和感を持ち、もっと時代にあった本質的なアプローチを追求するために特定非営利活動法人「キャリア解放区」を設立する。現在は年間500名以上の大学既卒生や中退者と企業を繋ぐ「就活アウトロー採用」のサービスを企画・運営。
Twitter: https://mobile.twitter.com/noutomijunichi
キャリア解放区ホームページ: https://career-kaihohku.org/
キャリア開放区Youtube:
https://www.youtube.com/watch?v=2vpMiR63Luo

(以下、納:納富さん、工:インタビュアーの工藤)

自分を変える必要なんてない。

工:既存の就活のフレームに対して、不満を覚える人に対して、納富さんはどのような言葉をかけるのでしょうか。就職が目的ならまず自分を変えてしまって、会社に入ってしまった方が手っ取り早いと思ってしまう自分もいます。

納:そんなことする必要ないよね。別にやりたくないならやらなくていいじゃんっていうのが基本的な考え方。就活って適応のゲームで、世の中は過剰適合社会なんだよね。でも、ずっと我慢して生き続けるの?っていうのを問いかけたいんだよね。入社してもこんなはずじゃなかったって言い続けるわけでしょ。
だから早くおかしいと気づいて立ち止まる人の方が全うなんだよ。

工:おかしいと思ったときに、ドロップアウトしてそこからどう生きるんだろうと思ってしまう気持ちもあると思います。

納:ドロップアウトしたら終わりというのが、恐怖に支配されているよね。どうしたらいいんだろうか、としか思えないことが社会の生きづらさ。
必ずドロップアウトしろとは言わないけど、なんとなくおかしいなと思ったら立ち止まるべきだよ。

どんな人か伝わらなくて、不採用。

工:就活のあり方に不満を覚えた若者がキャリア開放区に参加すると、どのような気持ちの変化が生まれる傾向にあるんですか。

納:それまで、「就活なんてクソだ」って言ってた人もさ、企業の人としゃべるなかで、企業も人間なんだなって気づいて、自分らしくしゃべれるようになるね。自分をさらけ出しやすくなって、結果上手くいくっていうパターン。
普通の就活はさ、候補者はきれいごとしか言わないからさ、企業としては候補者のことがよく分からなくて、不採用にするんだよね。
だからこそ、自分のことを自分の言葉でしゃべれるようになると、内定はもらえるようになるんだよ。

↑キャリア開放区の様子

「立ち止まる」ことも行動の一つ。

工:潜在的にやりたいことを見つけるために何をしたらいいのでしょうか。

納:なにしたいかなんて見つからないから色々やるしかないんだよ。

工:やるしかないけど、違和感を覚えたら立ち止まってもいいということでしょうか。それって少し矛盾しているような、、。

納:立ち止まることも行動だよ。色々やることのひとつ。やりたいことってよく分からんから色々やってみるんだよ。
だいたいの人ってよくわからないからやらないでしょ。よく分からないことに対して否定したり、バカにしたりする。

工:就活に違和感を覚えても、やり続けるっていうのは、「立ち止まる」ってことに対して勝手なネガティブイメージを持ったまま、やらないっていうことなんですね。

納:そう。だから、よく分からないから、こそやる。色んなことやりながら、面白くて好きなことを体験の中から見つけていくしかないでしょ。受験勉強しかしてこなかった人が、自己分析してもやりたいことなんて分からないよね。だから、わからないんだけど、やってみるっていうメンタリティーがこれからの時代は必要。とりあえずやってみる。失敗したらやり直してみればいいだけの話だから。新卒プレミアムということに過剰に意識して、チャレンジに臆病になる人はこれからの社会でどんどん駆逐されていくよ。

やりたいことがあってもリスクを計算してる間は無理

工:社会の通念が嫌で、そこから飛び出してキャリアを作って一人で泳いでいくって、正直難しいですよね。納富さんはキャリア開放区の設立という形でそれを実現されたわけですけど、どうでしたか?やっぱり、そちら側に行くのって距離を感じてしまいます。

納;大変とはそんなに思わなかったよ。金銭的には辛かったけどね。結婚もして子供もいたからね。でもさ、本当にやりたいことが見つかったときって、リスクの計算ってしないんだよね。リスクの計算してるうちは辞めた方がいいと思う。
リスクばかり考えるのがリスクだよ。安定求めれば求めるほど安定じゃなくなる時代だからさ。そういうジレンマがあるから、色んなことをチャレンジしてるやつの方が安定する時代なんだよね。常に試行錯誤できないやつ、石橋をたたいてでしか渡れない人は価値がなくなっていくからね。面白いと思ったことをとりあえずやってみる。好奇心持てるかどうかが大事だよ。

21世紀型の学び

工:新卒1年目、2年目とかが、仕事の向き不向きとかないから、とりあえずやった方が良いですよね。

納:好きなことと得意なことって違うからさ。そういうケースが多いから、やってみるしかないよ。で、得意なものが好きになるケースも多いし。得意って、相対的なものだからさ、でも好き、は人と比べるものじゃないからね。
これからの時代は好奇心格差がすごく重要だよ。

工:好奇心格差って情報格差ってことですか?

納:いや、そうじゃなくて、好奇心があるかどうか。面白いなって思えるかどうかがすごく大事。
情報を取りに行くのもそういうことでしょ。面白く思えるかどうかじゃん。
それで、実際にやって確かめて、得意や好きなこと見つけていくしかないね。
分からないことに対する感度が大事なんだよね。
動いたもの勝ちだよ。行ってみて、実際に見たら思ってたのと全然違う、とか。それが21世紀型の学びだから。

↑NHKをはじめ、多数メディアで注目を集める「キャリア開放区」

キャリア開放区を利用して大きく前進する人の共通点

工:アウトロー採用を通して、キャリア設計を大きく前進させる若者に、共通する点ってあるんですか?

納:やっぱり、「わからないからやってみよう」っていうマインドセットに変わる人だね。変わらない人はそのまま。
立ち止まって、社会的な正しさじゃなくて、自分の好奇心で動いていこうって人達は上手くいくね。
とりあえず動くというのも、ニュアンスが際どいんだけど、
動くことが正しいのではなくて、正しいのは「それが正しいかとか、面白いか分からない」からこそ確かめるために動くってことだよ。リスクを過剰に恐れることもないし。働きたくなければ、働かなくていいと思う。それもある意味検証でしょ。

工:働かないと死にますよね(笑)

納:え、本当に死ぬ?(笑)死ぬんだったらやるでしょ、人間なんて。明日飢え死にするとなったらさすがに働くでしょ。
働きたいときに働ける社会を作りたいよね。就活なんて、やりたくないのにやらされているんだったらやらなくていいじゃん。みんながやるからやるわけでしょ。

工:でも就職しないと飯食えなくないですか。

納:いや、わかんないけど(笑)工藤くん、洗脳されてるのかもよ(笑)
バイトしたり、すねかじったり、色んな友達に毎食おごってもらうとか。やり方色々あるじゃん。

キャリア開放区はより本質的な就活の場

工:内定をとれない友達で多いのが、自分を変えたがらないんですよ。自分を曲げたくないとか、誰かの下につきたくないとか。それって力がある者だけが言っていい発言だと僕は思ってて。強さがない学生はまず実力をつけないといけないから、まず会社入って、スキルを磨いてから偉そうなこと言えって思っちゃうんですよね。

納:良いじゃんべつに。そういう人を無理に変える必要ないと思うよ。本人が気づかないとしょうがないもん。人を変えようと思うこと自体間違いだよ。
そんなの放っておけばいいじゃん。

工:納富さんって不思議ですよね(笑)納富さんの話を説明会で聞くまでは、アウトローの人を救いたいのかなって思ってたんですよ。でも、説明会で聞くと結構辛辣なこと言うし、勝手にすれば、みたいなスタンスが意外だったんですよね(笑)

納:チャンスを与えるけど、それを利用するのは、自分次第だよってことなんだよ。人につきたくないのは分かる。じゃあ、今苦しいなら、それを変えるチャンスは用意されてるけど、チャンスを使うのかどうかっては君次第って話なのよ。で、「お前らチャンスだから絶対やれよ」って言ったら絶対やらないから。やらないことも選択だからさ、後から被害者ぶるんじゃないよ、と。やらないやつは得てして環境のせいにしがちだからさ。
大事なのは、選択肢を明らかにすることだからさ。周りができることは選択肢を整理させることまでだけだよ。
キャリア開放区は弱者支援じゃないから。参加者がこの場を上手く利用しようと思えるかどうか。ようするに、自立とか、主体性とかをアウトロー採用で求めていることなんだよね。普通の就活なんかはさ、全部大人たちは手取り足取りしてあげるでしょ。環境の中で自分で決めろってことなんだよね。

工:それで、その主体性っていうのはこれからのキャリアで一番大事ってことですもんね。

納:そうそう、選ぶっていう主体性。

工:なるほど、その点でキャリア開放区はより本質的な就活の場なんですね。

↑キャリア開放区の卒業生には、バンドマンや漫画家、芸人も。

やり切った先に見つけた違和感がキャリア開放区を作った

納:自分の本当の強みとか、本当に面白いと感じることとか、まだ模索するんじゃないかな。どういうフィールドで勝負するのかっていうことは、働き始めてわかってくると思うよ。

工:その土俵を見つけて、納富さんは今に至るわけですもんね。

納:そうだね。

工:それって幸運ですよね。見つけられてない人も多いと思います。
人材ビジネスで突き抜けて行こうって思えたのは、前職の人材業界で本気でやったってことなんですか。

納:まあ、そうだね。営業をがんばったね。

工:それくらいの志にたどり着くには、頑張らないといけないってことですよね。

納:まあね。やり切ってみて、人材ビジネスって本当に役に立ってるのかな、むなしいなって思ったのが大きかったかな。営業として売りまくって、やり切ったときに本当に役に立ってるのかなっていう疑念が生まれた。そこで感じた人材サービスの嫌なところを変えていくようにキャリア開放区には活かしているからね。
入った会社でまず頑張れば、道が開けるんじゃない?

工:本気で頑張るっていうのを学生のうちから習慣にしないとなって思うんですよね。社会人からやろうとしても、いざってときに馬力が効かないじゃないですか。今から変えないと、未来も変わらないし。

納:俺はそこまで思わないけど(笑)
そういう経験もあったらいいと思うけどね。
頑張るにしても、内から湧き上がってやるならいいよ。楽しくてやるなら良いんだけど、無理やりその環境でやり切ったって言って、自己満足に終わる人もいるから注意は必要だよ。
本当に好きなら、自分でやるから。そっちの方が重要。
やり切ったか、よりも、内側から情熱が駆動しているかが大事。

工:その内側からの情熱を生み出すのがなんでしたっけ。

納:好奇心。チクセントミハイが言うフロー状態を作り出せるか。
受験勉強とかフロー状態で勝手にやる人多いじゃん。あれは、自分の目標の難易度設定が上手くいってるんだよね。ちょっと頑張ればできるっていう目標とそこからのフィードバックがあるからハマっていくんだよね。

組織として良い会社とは

工:会社っていうのは、仕事の難易度を自分で調整できる環境なんですか。もっと挑戦したいってなった時に、自分の頑張ればできそうな仕事を任せられるとか。

納:会社の仕事の難易度設定と、やったことに対する的確なフィードバックがあると、仕事が楽しいループになるんだよ。そういうことができてる会社が良い組織だよね。
そこを社員に会って聞くといいよ。

編集後記

「やる前から嫌悪して、行動に移さないよりも自分の足で検証してみること。」
納富さんは強くそこを僕に伝えてくれました。
やってみる、そして物事を好きになる、これができることが、これからを生きるうえで大切なスキルセットかもしれません。


(取材・編集 筑波大学4年UTIC代表 工藤一将)



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