受験において勉強よりも大切なのは『情報』である ~非進学校出身東大生が考える「兵法」的戦略~

大学受験に合格した人は、合格した要因として様々なものを挙げる。
自分の努力、家族や学校のおかげ、環境、運など1人1人に受験のエピソードがある。残念ながらこれらのエピソードは、受験生にとって有益とは言えない。なぜなら全員が合格しているからだ。受験生に最も必要なのは過去の人達の失敗体験だと思う。その失敗を教訓にすれば、きっと目標を達成できるだろう。そんなことを願って自身の経験を綴ってみる。

東大3年のジョンです。私は地方の非進学校出身でした。高校の先生に恵まれ、成績が伸びたため、現役時に東大理1を受験するが不合格。その後通った別の大学の2年時から仮面浪人をしながら一から文転し、文科3類に合格しました。
現役時よりも少ない勉強時間でなぜ合格できたのか。結局成功体験じゃないかと思うかもしれないが、失敗体験との比較によるものなので少しくらいは参考になると思う。


彼(敵)を知り己を知れば百戦危うからず

これが私の合格につながるヒントである。簡単に言うと高校生のときは彼も己もどちらも分かっていなかった。浪人時、勉強はもちろんしたが仮面浪人のため当然勉強量は減った。それよりも敵と自分自身について知ることに注力した。受験生活で変えたことはこれだけなので効果があったのだと思う。

そこから私が考える失敗する条件は2つである。
1つは情報不足(敵を知らない)、もう1つは過信(己を知らない)である。


・情報不足について
 東大に合格した先輩がいないこと、これが進学校との最も大きな差である。どれくらい勉強したか、なにを勉強したか、模試の成績はどうだったかなど受験期におとずれる不安に答えてくれる人がいないのは本当に辛い。例えるなら自分の力だけで1階から2階に登るようなものだ。先輩がいればアドバイスというアイテムをもらえるが、私はがむしゃらにジャンプして2階に手が届くまでひたすら勉強するしかなかった。
 東大に関しての情報としては、進振りがあることしか知らなかった。赤本をひたすらに解けば合格出来ると思っていたが、そんなに甘いものではなく、不合格に終わった。
 
それから1年後、いろいろあって文系として東大を再受験することになった。
前回と同じ失敗はしまいともっと敵のことを知ろうと思った。仮面浪人、東大文系受験など自分にとって初めてのことばかりなこともあり、ネットで情報収集をした。ここからはためになった情報を挙げていこう

受験科目: 社会2科目は何を選択するかについて、地理は高校でやっていたので確定。世界史と日本史は一から独学となるので、東大入試において知識があまり必要とされないという理由で日本史に決定

受験する科類: 将来やりたいことが決まっていればそこに行きやすい科類を調べて目標とすべき。とりあえず東大に入りたい人は、入試の合格者最低点で決めると良い、とのことで文科3類に決定

二次の目標得点: 過去10年の合格者最低点を調べ、文科3類に合格するためには(センター足切りをギリギリ通過した場合でも)260点を取れば100%受かることが判明

各科目の目標得点: 国語は勉強しても得点が伸びにくい、英数社は努力しだいで伸びるということで260+10点が取れるように各科目の目標点を設定

受験会場: センター試験の会場や二次試験の会場をチェックした。大学ならば勝手に入れるので下見に行くのも良い。二次試験会場だった900講堂は事前情報でリスニングが聞きにくい、空調の当たり具合が場所によって違うなどと調べた結果、対策して臨むことができた

復習: 模試や赤本の復習に力を注ぐべきとのことで、復習のしかたを工夫した。具体的には答えに必要な要素をノートにまとめ、見直せるようにした。

インターネットには様々な情報があるので、自分が知りたい情報を入念に調べて、そこから勉強をはじめるとより効率よく合格に近づけると思います。


・過信について
 非進学校にいたこともあり、定期テストはずっと学年トップだった。そのため自分は天才だと思っていたし、当然東大にも合格できると思っていた。今になって当時の東大模試を見てみると良くてC判定でなぜあんなにも自信に満ちていたのかと思ってしまう。過信してしまうと自分に甘えが生まれてしまうので過信は受験生の敵である。成績が良くなっていたら自信を持つことは大切だが、それを見て自分は天才だ、特別だなどと過信してしまうは絶対にやめてほしい。過信が自身の成長を阻んでしまう。
 謙虚さや周囲への感謝の気持ちを忘れないことが、過信しないためには必要である。上には上がいることを肝に命じることも、自戒を込めて伝えておきたい。


 ここまで読んでいただきありがとうございます!
数千年前の言葉が現代の受験のヒントになるなんて驚きです。これは受験以外にも使えることで、何か目標を達成したいと思ったら彼と己を知って、対策を練ればきっと成功できます。皆さんの目標が達成できることを心から願っています!


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