マガジン

  • チグハグなアルゴリズム

    僕には上手く説明できません

  • 愛すべきおバカ曲

    • 10本

    世の中には、人の心を虜にする「愛すべきおバカな曲」というものがある。 ひとたびそんな曲に出会うと、我々はその曲について考えることを止められなくなってしまう。きっと、そんな人間らしいおバカさこそが、我々が音楽を愛する一つの理由だからだ。 珠玉のおバカ曲たちに、我々は心から敬意を表したい。 Chikarum & onakaippei

最近の記事

変拍子

なんだこのフニャフニャは、、と愕然としたのも今は昔で、もはやこれが当たり前になってしまった。それどころか、このコシが複雑骨折したようなうどんこそ至高という気すらしてくる。宮崎うどんの人知れぬ魔力のなせる業なのかもしれないが、おそらく、4年の歳月は十分であったのだろう。 思えば4年前、僕は失意のアメリカからフニャフニャの体で宮崎にたどり着いたのだった。いま振り返るとそれはほとんど脱走兵のやり口で、コロナを体よく言い訳に、自分の弱さから目を背けるための逃避行であった。かりそめの

    • 娘が勉強したくないと言う。

      なんで勉強しなきゃいけないのと聞いてくる。おぉついにこの瞬間が、などと感慨に浸っている場合ではない。僕なりに答えを見つけなければならないだろう。 そもそも、何が何でも勉強せよとは全く思っていない。幸せで豊かな人生を歩んでもらいたい、親として願うのはそれだけである。勉強などはその手段のひとつにすぎない。勉強が幸福を約束してくれるのであれば話は別だが、そうではないことを僕は知っているから、勉強できるに越したことはないよと無責任に言い放つこともできない。 そのうえ、娘はとても頑

      • スナックマイビッチアップ

        アー 、、アー…ここはスナック星 スナックを地軸とする星 スナックをスナックとして貪り食う場所 星のように煌めくスナックでも僕にとっては砂っ食 どうにでもなれlet it be ブラックホールもトレビの泉 吸い込まれたエイリアンにはBad Day でもその人々はみな美しい

        • 備忘録

          赦すというのは本当に難しい。 それは、自分を曲げる行為だから。まっすぐな自分は赦したそばから絶えず問いかけてくる。 それは、痛みを引き受けることだから。断罪の快感と引き換えに。 それは、失われたものを失われていないと信じる試みであるから。信じるだけの価値があると信じて。

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        記事

          いろいろあるよね

          ほんとさ、いろいろあるのよみんな。全部そうだと思う。あなたには想像もできないようなことが僕には起きているし、あなたにも僕には想像もできないようなことが起きている。あなたも僕と同じように、今を生きるために退屈を、死を遠ざけるために必死なのだ。もちろんやり方は人それぞれで僕とは全然違うこともあるけれど、それはいろいろあると思うからできるだけそのへんは面白がっていきたいと思う。尺度を持つにはまだ早いから、とりあえず「いろいろあるよね」ってことにしといて、何事も肯定から入りたい。あな

          いろいろあるよね

          遠い朝

          「人はみんな生まれた瞬間だけ無傷で、あとは傷ついていくだけ」という言説を目にして、それは本当にその通りだと思う。じゃあどうやって傷ついていけばいいのかということだけれど、これはなかなか難しい。ヒュウッと身を躱して上手いこと彫刻のように仕上げられれば最高だけれど、やり直しはきかないし、向かってくるのが彫刻刀とは限らないし、だいいち自分が木なのか石なのかすらわからない。ここは石だけどここは木で、おっとここはちょっと虫が食っちゃってますねぇみたいなことだって全然あり得る。 もちろ

          こんなことを言うのは良くないと思うけど

          正直僕は、結構コロナに感謝しているところがある。 もちろんそれは、コロナによって何かを取り返しのつかない形で損なったわけでもなく、たまたま時期の折り合いが良くて失ったものを楽しむ余裕すらあったからであるから、僕が感謝すべきなのはむしろ幸運の方なのかもしれないけれど、もしコロナがなければ僕の人生は全然違ったものになっていただろう。 当時はアメリカのそれも結構田舎の方にいて、なんかよくわからんけど日本はクルーズ船とか大変そうだな~くらいに思っていたのだけれど、それは全然最初だ

          こんなことを言うのは良くないと思うけど

          急にごうっと雨は降る

          私は歪んでいるのだ。歪んで、歪んで、歪んでいるのだ。右から左から、重くも鈍いものやときどき鋭いものにもぶつかって、そうしながら、このようなかたちでそうっと居るのだ。

          急にごうっと雨は降る

          2023/7/2

          上の娘が日記を書き始めたので、触発されて。 今日は公園に行った。大きいトランポリンがあるし屋内で車に乗ったりもできるし、かといって広すぎることもないのだが、山々も支えきれない空を抱えた公園である。 梅雨の合間の晴れ間だったから、子供たちの顔は真っ赤である。全開にした水飲み場を指で押さえる妻に、どうにも人目を気にしてしまう自分には、喜色をびっしゃびしゃに表す息子がまぶしい。5人家族のはずが買ったアイスは6本で、とっくに溶け切っているアイスを大事そうに舐める下の娘。

          メガラからアテナイへの街道に出没した強盗だったらしい

          プロクルーステースの生き方はある意味理に適っているとおもう、だってものさしを変えなくって良いからね。

          メガラからアテナイへの街道に出没した強盗だったらしい

          眠れぬ夜の悪魔

          あれ、もしかして今夜は上手く寝付けないかもと、ほんの少しでも感じてしまえば一巻の終わりである。「やつは、その瞬間を、決して、逃さない。」一度そうなってしまえばあとはもう、やつが飽きるまで弄ばれるだけである。眠気は永遠に伸びるゴムのごとく、手繰り寄せようとすればするほど遠ざかってゆく。どこかで見た米軍が使っているとかいう入眠法もまるで役に立たない。催眠音も無性に耳につく。昨日までどうやって寝ていたのかさっぱりわからない。「寝なければ」と考えるその意識がいけないのだと、分かっては

          眠れぬ夜の悪魔

          note、書き始めて3年が経ったらしい

          塵はいくら積もっても塵にすぎないが、誰かのアレルギーを引き起こすことくらいはできる。 他者を尊重するというのはほんとうに難しい。「他者を尊重せよ」というプログラムを全人類にインストールしたその瞬間、この世界がいっぺんに滅びても僕は驚かない。よくわからないものの扱い方は、どこまでいってもよくわからない。よくわからないものを理解する必要はないし、理解したと思ってもそれは絶対に、絶対に気のせいである。自分の物差しに無理くりねじ込んでわかった気になっているだけだと思う。自分にとって

          note、書き始めて3年が経ったらしい

          狂気

          めちゃくちゃ好きじゃない限り、絶対に本物は生まれない。段々とそのことが分かってきた。身を助くにせよ滅ぼすにせよ、宇宙的なエネルギーを生むのはただひとつ、偏愛だけである。しかし、僕にも一応愛するものはあれど、押しなべて人並みであってそこに狂気が宿ることはもはやないだろう。仕事も、あと大さじ五杯分くらいやる気を盛ってもらえればまた違っただろうけれど、結局生活の糧という域を出ないまま何者でもなく終わるのだろうと予感している。これは決して悲観ではない。僕は至って中立的かつ客観的に自分

          ジャンプ

          属さず、錨を下ろす場所も時期も分からないので縋れるのは言葉くらいしかないが、言葉は酔うもので、穏やかな海を漂う心持ちにさせてはくれるが行き先は保証しない。気付けば海の果てかもしれず、時には愛してるの響きだけで強くなれる気もするけれどそう上手くいかないことも多くて、この手の悶々の行き場には手を焼いていたのだが、最近良い解決法を知った。 教えてくれたのは娘である。10回ジャンプすればいいらしい。娘いわく、嫌なことは足の方から溜まっていくらしい。だから、ジャンプすればいいそうだ。

          ジャンプ

          トンガリ '23

          お勉強はできたし見てくれも良かったので、あまり屈託のない人生を過ごしてきたし、世界は自分を中心にまわっていると感じたときさえあった。挫折を知らない奴はだめだとよく言うけれど、ただの負け惜しみだと思っていた。しかし、夏の終わりに蝉は知る。プライドの柵を越えようとしなかっただけだと。転職も留学もギター教室も全部そうだ。挫折が怖くて逃げた。その結果、家族愛を借景にギリギリの汽水域で生きている。僕が踊れる舞台はもうここだけかもしれない。この服にポケットはない。しかしウィルヘルムは叫ぼ

          トンガリ '23

          盲腸の話

          これだ!!と思いつくのはほとんど酔っ払ったときか、妙に目が冴えて寝付けない夜だから、後から見返すとさっぱり意味不明だけれど、「これは1本書けるんじゃないか」という思いつきを記したネタ帳のようなものがある。今この瞬間僕が死んだとして、見られたら恥ずかしいものベスト3には確実に入る代物である。恐る恐る開いてみたが、「死ぬべくして死んだ」とか「ぶっとい何かを口に突っ込まれている」とか、訳の分からないことばかり書いてあったのでそっと閉じた。いっそ葬り去ってしまった方が身のためなのは分

          盲腸の話