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海と即興


海が
挫滅する
群青色した
海が
挫滅してゆく
錐もみ状に
圧搾されて
きらびやかに
弾ける
海の果肉
総天然色のNoise
 
決して来ることのない 終末の周りを 永劫回帰する潮流 死者が蘇る 静謐な海に 巻き起こる Milford Gravesのパーカッション びっくらした! イルカと太刀魚が エレクトするたびに
 
海は
群青色の濃さを
増してゆき
僕らは
ゆったりと撓む水平線の
胸に抱かれることを
夢見てしまう
 
湾岸の礼拝堂の 微笑む聖母像の下で 君と僕はまだ青いオレンジを齧った 酸味の強い果汁が飛沫を上げて 太陽に溶けてゆく するとこの胸の果肉も きみの胸の 奥の 冷たい数式も 見る見る蒸発して行き とうとう僕らは 空っぽになってしまった!
 
挫滅瘡の平板さときたら 宇宙史的スケールだから 世界旅行する人たちは みんな退屈して 服を脱ぎ捨てたけど 案外に表面の 細かな質感は Miles DavisのところのForeyの ピッコロベースのソロみたいに ざら目ザラザラで 水母の舌を逆撫でにしてくれる
 
旋回する
砂浜の純白
蒼穹へと
ちぎれた血管の
断端に咲く
ハマヒルガオの花
のほほんと 海に浮かぶ
入道雲と カモメの群れが
宇宙の灯台に
引っ掛かって
ぶら下がって 
天下って
 
爆発する音響
メタリックかつ
ぷにぷにした
玉筋魚と
コバルトカラーの火花
 
挫滅する海は
破滅型の都市を憧憬しているから
西から東へのんびりと
ノイズの航跡を引きながら
沖で汽笛を鳴らすタンカーに
僕らは精いっぱい手を振ってやった
そしたらタツノオトシゴの
蝸牛管的神経叢が
Crimsonの明滅を返して来た
 
圧搾され続ける海は
蒼白い昼の月と
ヒトデの睦言を盗聴してやろうと
ジオイドに特大の耳を生やして
キモい繊毛を震わせ 
節操なく雑多なNoiseを
捕獲し 咀嚼して 
ところ構わず
食べカスをまき散らしている
 
水平線に吐き出された
総天然色のアルファベット
アンティグア海兵隊式の
点呼を取るため
Kaoru Abeの分泌する
流氷のサックスに整列したけれど
互いにガタビシ
ぶつかり合って
敢えなく沈没
でもって海の底で
Drek Baileyの土座衛門が
電磁六弦琴で
インプロヴィゼーションしている
 
とるものも
とりあへず
ヤドカリ式の
AIが
海底砂漠の淵を
そそくさと
走る時の
かすかな かすかな 
かすかな 跫音から
僕らの自然発生的スポンティニアス
即興が始まる
僕らは大海原に抱かれて
 
 『即興、興に即する』あるいは『即、興である』インプロヴィゼーション
 
まるっこい
緑の島を
そこらじゅうに
ばら撒いて
僕らの天体を
成層圏から鳥瞰すれば
ひねもすのたりと
挫滅の海
圧搾された
多島海の
原色の箱舟

そこでは ガールズバンドの 『Zapparella』が 「Immigrant Song」を 演っている あれ? 『Frank Zappa&Mothers』の トリビュートバンドじゃ ないのか? よく見たら 『Zepparella』でしたw 『Led Zeppelin』の。 そう言や『レズ・ツェッペリン』は 最近は どうしてますか? ちなみに 深紫色のトリビュート女子バンドは 伊太利の『Strange kind of womEn』です やってくれ!オバさ‥‥あ、スイマセン、おネエさん達! 
 

さ~て
これから
どこの
星域の海を
即興しようか



*『 Derek Bailey & 田中 泯 』
https://www.youtube.com/watch?v=A5dz_1meBjY

(昔、ミルフォード・グレイヴスも加えた三者ライブを観ました)


*Milford Graves -- Meditation Among Us
https://www.youtube.com/watch?v=Il_EjE885fE&t=23s

(右端はサックスの阿部薫。他は近藤等則、高木元輝、土取利行)


*『Zepparella』‐「Immigrant Song」
 
(Led Zeppelin Cover)
https://www.youtube.com/watch?v=R1xWo2dzTaM

ええぞええぞオバちゃ‥‥じゃなかったおネエさん達!

*『Strange Kind of WomEn』 - 「Burn」
  (Deep Purple Cover)
https://www.youtube.com/watch?v=C91yV03DLgc

シビレるねぇオバちゃ‥‥あ、スイマセンおネエさん達!


最後はこれでちょっとスッキリ



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