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フィクションだと思って読んでください

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マガジン

  • 薬考まとめ

    去年~今年までのトリップ体験と思考の記録

最近の記事

深夜に、スウェーデンのスーパーの地下で働く夢

スウェーデンのとある地方都市の郊外に、一軒の大型スーパーがある。駐車場は驚くほど広く、夜になると青みがかった照明が灯る。照明が青いのか、外気の影響なのか分からない。私はこの店で、夜間勤務として働いている。私はなぜか女性になっている。階段を下った地下には広く、冷たく、真っ暗な貯蔵庫がある。私はここで小さな灯りを頼りに、納品されたたくさんの食料品を夜の間じゅう定められた位置に陳列するのだ。 ここで作業していると、ときおり違和感がある。どこからか風が吹いてきて、土の匂いがしてくる

    • まだ下書きだけど、記念すべき9月29日(後述)になってしまったので一旦あげといて、後で気が向いたら直します。ただ気が向かないかもしれん。

      手記より 8月の頭、東京に台風がくる前の7日夕方、この日は18時に目が覚めた。手記には開筆一番「仕事やだな~」と書いてある。 もう雨は降り出してんのかな、と玄関のドアを少し開け、辛うじて見えるせまい西の空、もじきに新しいマンションで隠れてしまう、が目に入ったところではっとし、急いでカメラを持ってマンションの外階段を駆け上った。夕暮れの空を北から南へ、ちぎれるようなスピードで雲が横切っていくところだった。最上階まで上ってカメラを構えたとき、部屋を出る直前に勢いで耳につっこんだA

      • 2023/08/30の夢

        1 富士山の北の中腹、山梨県側の登山道上に山小屋を持つ、もう100歳近いじいさんがいる。彼は山小屋の管理人であると同時に、開山シーズン以外の時期も住人としてそこに住んでいるようである。 「        」 彼は、その1行にも満たない短い言葉(完全に忘れた)を何度も反芻し、それだけを心の糧にして生きているという。きっかけこそ忘れたが、私は彼と継続的な交友があるらしく、彼はその言葉を私の口から聞きたいからと、わざわざ山を降りて東京の家まで会いに来たりする。 先日彼が会いに来てく

        • 蛾がただやってきてただ死んだ話

          毎年啓蟄を過ぎると、示し合わせたようにあちこちからちゃんと虫が沸いてくるので、啓蟄を考えた昔の人すごいなあと思っていたら、今年の啓蟄である3月6日を過ぎて数日後、家を出てみると自宅玄関前の通路の壁に体長4~5cmほどの蛾が一匹止まっていた。私は蛾がただただ苦手なので叩き落とすことさえできず、最初のうちはドアの裏に移動しているんじゃないかと心配になり、家を出るにもやたら時間を食っていた。 しかし、徐々に私はこの蛾に対する不安が全く無駄であることに気がつき始めた。なにしろおそろし

        深夜に、スウェーデンのスーパーの地下で働く夢

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        • 薬考まとめ
          15本

        記事

          220225

          この悲しい事件を通して、私が普段、どれだけこうした理不尽な暴力や死に対して鈍感でいること(無視すること)に慣れているかを痛感したように思う。 昨晩、私はこのニュースを観ながら家族でうな丼かなんかを食べていた。今日はウクライナで40人以上が死んだらしい。明日も何十人か、何百人か死ぬだろう。もしかするとこうしてうな丼を頬張っている間、今この瞬間にも爆撃で人々が(国の都合で個人が)死んでいるかもしれない。考えていると気分が悪くなってきたが、しばらくするとそう考えることさえ偽善なので

          4/6,4/9の夢

          4/6(火) 13:22起床 現実にはもう10年近く会っていない、剣道のチームメイトにすぎなかったMとなぜか付き合い、Mの部屋でセックスをする流れになる。(顔を全く覚えていないため夢の中でも曖昧である)薬を飲もうとポケットを探るが入っておらず、いい雰囲気のところを「ちょっと待ってて」と遮って部屋を出る。居間でリュックを漁っているとMの叔父がやってきて、私が何か盗もうとしているんじゃないかと訝り始めたので困ってしまった。そらMにさえ隠していることを、ましてや叔父に対して「今から

          4/6,4/9の夢

          葛西臨海公園で死んだと思った話

          過去録/日付の記録なし ☒☒☒追加服用後 22時半を過ぎたころ、舞浜から橋を渡って何度目かの葛西臨海公園へやってきた。広大な森は地元を思い出す闇の深さで、いくら歩いても同じ場所に戻ってきてしまうように感じた。ちょっと油断すると遠くで鳴くミゾゴイかなんかの低い声が耳に入ったりして、それが暗闇を通して身体を蝕んでくるような気がして恐ろしくなった。あわててカメラを取り出し、払いのけるようにフラッシュを闇雲に焚くと友人が顔をそむけた。カメラを構える姿勢が銃を構えているようで、あんま

          葛西臨海公園で死んだと思った話

          月に住む老人の夢

          2013年冬、引きこもりの最中に見てた夢の日記を発掘、転写…… 2013年11月10日 マンションの通路に立っている。深夜だが照明が一つも点いておらず、目を凝らしても何も見えない。傍には、現実に知らない後輩が立っている。ここが何階なのか分からないが2階以上なのは確からしく、後輩が1階に降りようとエレベーターのボタンを押す。 ドアが開くのを待っていると、私はあまりの暗さに前後不覚になり、直立したまま後ろに倒れてしまった。立ち上がりたいのだが、身体がマネキンのように硬直して動か

          月に住む老人の夢

          題名を設定

          雑記です。 ◎「夏は夏で良い、冬は冬で良い」という誰かの言葉をいたく気にいり、その通りですなあといい顔しようとしていたがもう諦めることにした。これは風情の話ではなくて単純に体調や精神状態に関わってくるからだ。夏になるたびにずっとこうあれと願い、悪いけどもう少しだけ、もう2週間ほど居座ってはくれませんか、と追いすがっているうちに10月になれば夏はもういない。夏でなくては動けないのだ、実りある夜に寒くて散歩にも出られないんでは味気がない。こないだの夜、3時くらいに散歩してたらパン

          題名を設定

          無のための描画まとめ

          去年夏から始めて、意外に面白いんで断続的に続けている作業をまとめてみます。noteってこういう使い方もあるんだなー。 ほんの思いつきで始めたのだが、まず写真を撮り、コントラストを思いっきり上げて白と黒をきっかり分ける。そすと黒が固まってぺたーんとする。それをペイントかなんかで白く塗りつぶす。それをコンビニでプリントして、白く飛ばした部分を今度はわざわざボールペンで塗りつぶしていく。暇だったからとしか言いようがない。 しかし、これからは自分のお作品を自分で解説する能力が必要

          無のための描画まとめ

          にゃんこパクツイ考

          ※この文章は去年夏、コイソ(@sortiee)氏の冊子に寄せた原稿に加筆したものです 当方、好青年という男は三白眼というド凶相の持ち主でありながら意外にも/なんともまあ/自他共に認める猫好きである。実家ではちゅうた、ちな、マロンという3匹の猫を飼っており、というのが去年夏の原稿で、それから秋には更にゆーくんというチビっ子が新たに加わった。母と姉の人間2人に対し猫4匹であるからもう実家はほとんどにゃんこの家である。早速にゃんこという言葉を使ってしまったが、ここではあえて堂々と

          にゃんこパクツイ考

          舞浜でトリップどころじゃない話

          日時不詳、いつかの旅の記録…… 夜が始まるのを待ち、友人と☒☒☒を呷って舞浜駅までやって来た。ディズニーは閉園中で駅内の人気はまばらだったが駅前のモニュメントや、園内のホテルのイルミネーションは点灯していた。南口を出てディズニー沿いの細い道を歩きながら友人が、もしこの閉園中にも毎晩パレードをしていたらそれこそ夢の国として本物なんだけどな、とさっそく詩的感情吹かせ始めた。俺はディズニーでの思い出を探って歩くうちに、突然、思い出したくない、しかし思い出さずにはいられない、ディズニ

          舞浜でトリップどころじゃない話

          (原稿)音楽、写真、デザインに通じる”間”の概念について

          ※3年次のゼミ研究で発表したもの 「音楽、写真、デザインに通じる”間”の概念について」 どうもこんにちは。私は今までこの大学でデザインを学んできた中で、個人的に撮っていた写真との深い関わりを感じていました。被写体の選択や画面内の構図を考えることは、そのままデザインに繋がることだと思ったからです。特に去年からは、音楽、写真ともに”夜”をテーマに制作していました。その中で、今回の研究テーマを思いつくに至りました。 まず研究目的です。私は普段から音楽を聴く中で、曲中の無音の部分に

          (原稿)音楽、写真、デザインに通じる”間”の概念について

          薬やめます

          自分へ どうせnoteに載せるからと他人に向けての言葉を考えていては書けやしないので──しかし何にしろ書かなくては余計に毒が回るので──怖いのは習慣であり、依存してしまうことだ。習慣にするから依存するのか、依存するから習慣になるのか、別にどっちでもいいんですが、そういうわけで常用していた薬……☒☒☒をやめて3週間が経った。この1年弱、恐ろしいことに薬と薬の間隔は、3週間どころか1週間だって空けたことは数えるほどしかなかった。俺は使った金をアプリで記録しているが 皮肉のつもりか

          薬やめます

          数倍ぶっ飛んで2匹の動物になった

          11/21 夜のトリップから続いて翌日、やつれた顔で朝も早よから上野国立博物館のミイラ展を観に行った。ミイラ取りがミイラになるどころか、用意周到な俺たちは前の晩のうちからミイラの顔そのものだった。展示された膨大な数のミイラの迫力はどれも圧巻で見飽きることがなかった。それらが/彼らが俺と同じように動き、生きていた人間であることがにわかに信じられず、その実感を得ようと俺は腕を組んでいつまでもじっと観た。実感を得るのは簡単なことではなかった、ミイラは今こうして俺と対峙しているが、彼

          数倍ぶっ飛んで2匹の動物になった

          夢中夢録

          新幹線に乗っていたらいきなり地動説が降ってきて脳を揺さぶられた。俺は、というのはこの意識の位置は生まれた時から"ここ"にいて、死ぬまで"ここ"を動くこともないという考えだ。車輌の振動は世界の移動する地響きになった。移動しているのは外界の方なのだ。窓の向こうから山が、俺に対して、猛スピードでやってきて、目の前で巨大な壁になった。壁が去ると視界が広がり、山の斜面に建った家々がいろんな高さから飛んできた。それから横浜が飛んできた、さらにその向こうからは品川もやって来ているらしいのだ

          夢中夢録