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【ボイトレ】「うたうこと」について読み解いてみた Part9【「第4章 解剖と生理」p31 10行〜p35 16行】

本ブログは以下の2冊について取り扱い、私の理解をシェアするものです。
・1冊目
フレデリック・フースラー、イヴォンヌ・ロッド・マーリング著
須永義雄、大熊文子訳
『うたうこと 発声器官の肉体的特質 歌声のひみつを解くかぎ』
・2冊目
移川澄也著
『Singing/Singen/うたうこと F・フースラーは「歌声」を’どの様に’書いているか』
お手元にこれらの本があると、よりわかりやすいのではないかと思います。
今回は第4章 解剖と生理 p31_10〜 「その他の喉頭の機能」に入っていきます。


第4章 解剖と生理

今回の三行まとめはこちらです。

・声帯を引き締めるもの、伸ばすものの他に、開くもの、閉じるものなど様々な役割の筋肉がある。

・それらの筋肉は拮抗したりして互いに影響を及ぼしあい、歌声に影響を及ぼす。

・声唇と声帯靱帯の間の「縁辺の筋肉群」は歌声の美しさを作る上で非常に重要である。


第1部 喉頭

その他の喉頭の機能

c.後筋(後輪状披裂筋)ー開大筋、開くもの

原著ドイツ語版ではここから先の筋肉にもc、d、eと頭についているようです。
あとから出版されたドイツ語版でそのように修正されたということは、これまでのa.声唇 b.声帯靱帯、と同じように扱うべきだったと後から変更したということと考えられます。
本ブログでも、同様に重要なものとして捉えて頭にアルファベットをつけていきます。

内容に入っていきましょう。

まず「声帯を伸展する筋肉である輪状甲状筋の機能についてもっと明確に定義する必要がある」とし、後筋の説明に入る前に先ほど登場した輪状甲状筋の説明が入ります。

輪状甲状筋の筋肉の効率は単体では限界があること。
そして、声唇の収縮に抵抗することと同時に、声唇と協力しなければならない。

としています。

まず訳についてですが、「同時」については邦訳「同様」ではなく、原著英語の「at the same time」から「同時」が適切と考えます。

輪状甲状筋は、声唇=内甲状披裂筋の緊張、収縮に対して抵抗する+同時にバランスを取り合う必要がある。というのがここでの内容です。

そして、そのバランスを取り合うための補助筋、拮抗筋がいくつか用意されており、このc.後輪状披裂筋がその一つだ、と続けて述べます。

少しだけ拮抗筋という言葉について例を交えて説明します。
綱引きで例えると、「引っ張る人」=筋肉、「引っ張り合う綱」=体の器官(今回で言うと声帯)です。
綱引きの場合は引っ張り合いの関係、片っぽが強く引っ張ると片方が負けて勝負が決します。
ですが、綱引きと筋肉は違います。
筋肉は自分の体の中のもので、その間で引っ張り合っているモノ、綱引きでいう綱も、人間の体の大事な器官を引っ張り合っています。
そして、片っぽの筋肉が引っ張ると、その間にある器官は引っ張られ、その相手側の筋肉も引っ張られます。
すなわち相手側の筋肉は伸展されて張られた状態になるということです。
筋肉は完全に短い状態や伸ばされ切った状態よりも、その中間地点に最大筋力を発揮できる長さがあり、ある程度張られた状態になることで効率よく収縮できます。
ということを踏まえると、バランスを取り合う必要があることが理解しやすいかと思います。
こう言った関係性にある筋肉を「拮抗筋」と呼びます。
これも、フースラーが述べていた「調和」の一つであると言えます。
こういった筋肉たちが互いに関係し合っていることがわかると、全体で調和をとることが必要という主張の全体像が見えてきます。

後輪状披裂筋の説明に戻って、これは後筋とも呼ばれております。
図18、19、20と、どこについており、どのような動作をするのか、図で解説されています。
その名の通り、輪状軟骨の後ろ側と、披裂軟骨につながっており、披裂軟骨が2つで1対あるように後輪状披裂筋も1対あります。
披裂軟骨と甲状軟骨の間には声帯があり、その先、甲状軟骨と輪状軟骨の間に輪状甲状筋があることを考えると、輪状甲状筋が緊張する時に、この筋肉が拮抗筋になることは想像しやすいかと考えます。

そしてこの後輪状披裂筋の1番の機能は吸気のための空間を作り出すこと、それは同時に1対の声帯の隙間を広げることになります。
故にフースラーはこれを「開大筋」としていると邦訳では述べています。
原著英語版では「opener」ですので、「開くもの」(筋とは書いていない)ので、ここも厳密には表現が揺れています。

声帯を伸展させる際に輪状甲状筋ととともに働く時も、この開く機能が働くので、声帯の隙間、すなわち声門が開くような力が発生しやすいです。

先ほどの綱引きの例のように、周りが働かず、バランスが取れずにこの筋肉が作動しすぎると、声門が開く方向の力が声自体にも影響し、ざらざらした声やしわがれ声、かすれ声の原因となることも多いとフースラーは述べます。

ざらざらした声、しわがれ声(=しゃがれ声)、かすれ声、あるいは息の音が混じったような声というのはこの筋肉の働きによって声門に隙間ができている可能性があるということです。

毎度お馴染みの注意点として、0ー100で考えてはいけません。
「声がざらざらしてる!よし!後輪状披裂筋が悪さをしているんだ!」
と短絡的に考えてはならないということは補足させていただきます。
ざらざら、しわがれ、かすれ、こういった音が混じる原因というのは多く考えられます。
必ず一対一の関係ではありません。
あくまで「バランスを崩した結果、この筋肉が強く働いていると、そういった声になる原因になりうる」という理解にとどめるのが良いと考えます。


d.側筋および横筋(側輪状披裂筋、披裂間筋)ー閉鎖筋、閉じるもの

同様に続き番でd、と頭につき、閉鎖筋、というよりは原著はclosersで閉じるもの、といったニュアンスです。
(前回のa,bとは違い、「筋」といった表現が含まれていないのはわかりやすい点かと思います。)
そして「側輪状披裂筋」は「側輪状披裂筋」と表記されることが多いです。
どちらも同じ筋肉を指しているのだと捉えて問題ないかと思います。

この側筋、横筋の図は図22〜29に渡って描かれており、図を見るとどのように筋肉がついており、収縮した時や運動するとどのような動作をするのかが説明されています。

簡単にいうと、この「閉じるもの」達は、声帯の隙間を狭めたり閉じたりすることで、声の質に影響を与える筋肉達です。
声帯、声門のすきま(間隙)、すなわち声門間隙の形を決める特殊な機構が大いに関係するというのはこのことです。

『声帯が近づいて隙間が埋まるほど、声の密度が高くなり、いわゆる「焦点」や「声の芯」が生まれる。声門間隙を狭くすることは、少なくとも「ざらざらした感じ」や「がさがさした感じ」を取り除いてくれて、声は前に出る(英:the tone is placed forward)』
というのがここでのフースラーの記述です。

この項目の文章自体はこれで終わりなのですが、図についての記述からこの筋肉達の働きを少し説明します。

 側筋(側輪状披裂筋、外側輪状披裂筋)

外側輪状披裂筋は披裂軟骨から輪状軟骨側面につながっており、披裂軟骨を水平方向内側に回転させます。

披裂軟骨自体は外側に引っ張られますが、同時に披裂軟骨は内側に回転、すなわち内転されます。
これによって声帯は接近…近づいて、声門間隙が埋まる方向に動くということになります。

そしてこの回転によって、声帯の大部分は閉じることができますが、披裂軟骨を外側に引っ張りながら回転させるわけですから、披裂軟骨のすぐ近くには3角形の隙間が開きます。
(フースラーは図の説明でこれを「ささやき声の状態」としています。)

 横筋(披裂間筋)

披裂間筋は、横披裂筋、斜披裂筋があります。
1対の披裂軟骨の間を繋ぐように横向きに走っているのが横披裂筋、今回フースラーが述べているのはこの横披裂筋のことと捉えて問題ないかと思います。(図が横披裂筋になっているため。)
横披裂筋が働くと、披裂軟骨同士が接近し、声門が閉じる方向に動きます。
先ほどの外側輪状披裂筋でできる3角形の隙間も埋まるようになるということが図にて述べてあります。

補足情報として、片方の披裂軟骨の下側から、もう1方の披裂軟骨上側に繋がるのが斜披裂筋です。
こちらも同様に左右の披裂軟骨を接近させて声門を閉じる筋肉です。
さらに披裂喉頭蓋筋という、披裂軟骨から喉頭蓋軟骨に向かって斜めに走る筋肉があり、こちらは喉頭蓋を閉じる際に働く筋肉です。
斜披裂筋はこの披裂喉頭蓋筋の一部とされていたり、独立しているとされてたりします。

図27、28では、これまでに出てきた筋肉たちの働きによってどのように披裂軟骨が動き、どのように声門閉鎖が行われるのかが図解されています。


e.声唇と声帯靱帯のあいだの区域ー「縁辺の筋肉群」

ここの記述はこれまでの説明と比較して難解です。

一つずつ意訳を行なっていきます。

これらの閉鎖筋の働きだけに頼った声門閉鎖では、歌声としてはまだ不十分、
なぜならあくまで閉鎖筋は「大まかな足場づくり」をするだけであり、
声帯の縁の張りはまだ不十分だから、声門間隙の真ん中に隙間ができる。
(この隙間は輪状甲状筋によって声帯が進展していても出来る)
(p32_5〜10)

いわゆる頭声区、仮声区の時にはこの隙間ができるとみなされている。
しかし声区という見地から考えずに、「歌声を作りだす発声器官」全体で考えていくと、この隙間は弱体性の症状、要するに発声器官自体が持つ弱点とも言える。
(p32_11〜14)

例を挙げると、長い2つのゴム管を並べて全長で触れ合うようにする。
そのゴム管を縦(すなわちゴム管を伸ばす方向)に引っ張ると、張っているにも関わらず真ん中に楕円形のすきまがあく。
ここからわかるのは、弾性体は引っ張られると幅が狭く、径が細く、厚さが薄くなるということ。(p32_15〜17)

声唇の表面を覆うものも同様に弾性体であるため、単純に閉鎖しても、伸展すればこのような隙間が空いてしまうのだ。
これが声帯の縁における弱点であり、これは外からの力ではなく、声帯自身で作られる張力(内側から張る力)でなければ取り除くことができないのは明らかである。(p32_18〜20)

声帯に内蔵されている多くの筋繊維は声帯人体の一番外の縁にまで放射して(つながって)いる。(図29)これらの繊維が声帯の縁を調整し、歌声に最も絶妙な美しさを生じさせるのだ。(p32_21〜23)

ここまでで段落になっていますので、ここまでをまとめて簡単な文にすると、
声帯は、外部の閉鎖筋だけでは完全に閉じることができず、声帯の内部にある筋繊維が声帯の縁を調整することで閉鎖状態をコントロールし、歌声に美しさを生じさせるのだ。』
長くはなってしまいましたが、結論としてはこういったことが述べてあります。

次の段落、p32_24〜p33_33で
この声帯の縁の微妙な調整が、人間の声に精緻さを与え、個性的な表現を可能にしており、この微妙な調整があってこそ発声器官が「歌うための楽器」になるのだ。
ということが述べられます。
これは先ほどの結論部分の強調と言えます。

そしてこの先p33ではこの縁辺の筋肉群の働きや能力についての説明が入ります。

①この筋繊維は声帯の形を色々変えられる。厚くしたり薄くしたり、
強く張ったり鋭くしたり、弾力性の度合いを変えたりできる。
②披裂軟骨から声帯、甲状軟骨から声帯に交差する筋束は、その中のいろいろな部分を振動させることができる。
③ピッチや倍音構成もこの筋肉が、バラバラに動いたり一緒に動いたりすることで自由自在。
④なぜこんな能力があると言えるのか?それは声帯の縁に、病などでのほんの少しの病的変化があれば、声門の閉鎖が完全でなくなり、声に雑音が混ざってきたりするから。
⑤さらにこれらの筋繊維は声帯の主体からの枝分かれというだけでなく、声帯靱帯を形成する弾性体との接合もおこなっている。
⑥声帯の主体=声唇は、いわゆる胸声区に影響を、声帯靱帯はいわゆる頭声区に影響を与えるので、これらを繋ぐ橋渡しとも言える。
⑦橋渡しをする協調性と、バラバラに働ける独立性を併せ持っており、これによって作られた声を「中声区」と呼ぶ
⑧この縁辺機構、縁辺の筋肉群は喉頭の心臓部を形成していると言える、これを欠いては古典的’ベル・カント’によって意図されたものを作り出すことはできないだろう。

ここまででわかる通り声帯の表面の形がこれらによって変わることで声の大事な部分を成すのだと述べたいということが読み取れます。
⑧については、邦訳と解説版で引用されている原著の記述に違いがあるので、原著の表現を引用しています。

そしてここで使われているベル・カントについて少し解説します。
ベル・カントは、イタリア語で「美しい歌声」という意味の一般名詞です。
音楽用語としても用いられており、低音から高音まで無理なく美しい声で歌う、といった意味があり、オペラなどの歌唱表現で用いられます。
17世紀頃のイタリアの声楽の「様式」であり、その頃から登場してきた様々な歌唱テクニックを自由に美しく歌い上げる、そういったニュアンスと捉えて良いかと思います。
「美しい歌声」という一般名詞の意味通り、素晴らしい歌声を指しているのだなという理解です。
そしてそのベル・カントで歌うことを重視して、ベル・カント唱法として非常に重要視する歌手、発声訓練教師もいます。
実際にイタリアには「ベル・カント」を自称する歌手も、発声教師もいるようです。(が、そこに厳密な基準や根拠があるわけではなく、個人の美的感覚に頼っている状態なようです。)

そういった「ベル・カント」と呼ばれる素晴らしく美しい歌声とされているものが17世紀ごろ(古典的と言える時代でしょう)からあり、その時代に意図された「美しい歌声」を実現するには、この「縁辺の筋肉群」を欠くことはできないだろう、というのがここの⑧のフースラーの記述と考えます。

フースラーが「良い流派」と捉える発声訓練の流派は、それぞれ独自の方法で、この縁辺の筋肉群の「神経支配をよくする」ことに苦心を重ねてきました。
縁辺の筋肉群の神経支配は、普通…すなわち現代の一般的な人の場合は十分に行き届いておらず、ここの神経支配が「最初から」十分に行き届いている人は「生まれつきの歌手」といって良いと述べられています。

ここは、以前の「人間は生まれつき歌手」という表現と少し相反する部分があります。
最初から神経支配が良くないと「生まれつき歌手」ではないのか…?と考えられる発言でもありますが、これについては別物と捉えましょう。
ある意味誤って似たような言葉で説明してしまっただけなのだ、という程度に受け止めると理解できます。

元々、「人間は歌う能力を持って生まれてきている、それが解放されていないだけなのだ。」という主張から、転じて「人間は生まれつき歌手」という表現が用いられています。
対して今ここで使われた「生まれつきの歌手」は、簡単な言葉で言ってしまえばいわゆる「才能を持った天才」という表現と同義と言えます。

この2つは明確に違いがありますので、同じような言葉が使われていることに問題があるかと思いますので、ここは今回使われた表現に対してスルースキルを発動!でスルーしましょう。

そしてこの「縁辺の筋肉群」の最後の二行。
”この微細な筋束は非常に敏感で傷つきやすい、歌声の破滅(永続的音声障害)はそのほとんどがこの部分から始まる”
この記述から、「縁辺の筋肉群」は繊細で傷つきやすいのだなということがわかります。
歌声に、風邪や疲労などで何かしらの異常が現れた時、この筋肉群に異常が起きていないかを疑うことができると考えます。


f.仮声帯

頭のアルファベットについては私の創作であり、原著などにはありません。
申し訳ありませんがここは私の創作で、これまでの筋肉たちと同じように通し番号で説明させていただきます。

声楽発声にさいして仮声帯が何か特別な任務を持っているかどうかは、これまでの研究ではわからなかった、というのがフースラーが仮声帯に対して最初に述べる内容です。

以下のような内容で、フースラーは仮声帯について説明しています。
①仮声帯は声帯を保護するのに役立つと考えられること。
②なぜかというと、過度に強い呼気の圧力に対して、声帯の支えとなるからである。
③咳をするときには、左右の仮声帯がピッタリ閉じる。ここから声帯を保護するのに役立つとわかる。
④声を作り出すのに直接の関係はないが、できた声のもつ音響的な性質は、仮声帯の影響を受けるだろう。

この器官のポイントは、
・基本的にはおそらく声帯を保護する機能をもつもの。
・それによって「声のもつ音響的な性質」は変化しうる。
ということです。

仮声帯は、いわゆる西洋音楽の声楽的発声よりも、ホーメイなどの特殊な倍音を生じさせる歌唱や、ヘヴィメタルなどでも用いられるいわゆるノイズ歌唱、ディストーションボイスなどとは関わりがあると考えられており、仮声帯が接近して喉頭室(声帯と仮声帯の間の空間のこと)が狭くなることで声の倍音構成に影響を与えたりすると考えられています。
(特殊な場合ではこの仮声帯が声帯のように閉じることによって生み出される声といったものもあるようです。)

現代では様々な音楽ジャンルと、それに合わせた歌い方、「歌声の音」があり、その「歌声の音」に影響を与えるという意味で重要な発声器官の一部であると私は捉えています。


拮抗筋について

そしてこの第1部 喉頭を締めくくるのは、これまでも登場した拮抗筋についてのまとめです。
拮抗筋の説明については、今回のc.後筋の説明でも触れましたので、詳しくはそちらを読み返していただくとして、ここではわかりやすくその組み合わせをまとめてくれています。
本ブログでは、邦訳と解説版の原著を元にした表現を合わせて解説します。

1.『声帯緊張筋(引きしめるもの)=声帯内筋、声唇、内甲状披裂筋』
これの協力相手は『声帯伸展筋(伸ばすもの)」=輪状甲状筋(前筋)』である。これによって声帯がある程度伸ばされるので、震えやすくなる。

2.『声帯伸展筋(伸ばすもの)=輪状甲状筋』
これの協力相手は内喉頭筋の中では『声門開大筋(開くもの)=後輪状披裂筋(後筋)』である。ただし、より主要な拮抗筋として『胸骨甲状筋』がある。(第2部、喉頭懸垂機構にて述べる。)

3.『声門閉鎖筋(閉じるもの)=外側輪状披裂筋(側筋)と披裂間筋(横筋)』
これの協力相手は『声門開大筋(開くもの)=後輪状披裂筋(後筋)』、『声帯伸展筋(伸ばすもの)=輪状甲状筋(前筋)』の両方、そしてこれらの拮抗筋を働かせない状態で声門閉鎖練習を行うと、声帯を傷つける恐れがある。

筋肉の名前の別名や通称、うたうことでの表現を併記する関係で長くなってしまうのがどうしようもなく、やや読みにくいのですが…太字の鉤括弧でまとまっている部分が同じものとして表現される部分です。
(声門閉鎖筋だけは、外側輪状披裂筋と披裂間筋をまとめている表現なので、違う筋肉が同じ鉤括弧の中に入っています…これ以上の読みやすい表現が思いつかず…)

そしてこの第1部の締めの文、
「個々の筋肉は、お互いにその機能の調整相手として存在しているのである」

これまでも繰り返して言われているように、発声器官は多くの筋肉、器官が一体となることで、一時的にあらわれ、歌声を生み出します。
それらの筋肉や器官は、この第1部 喉頭で登場した内容だけでも相互に影響を及ぼしあっておりました。
事前に述べられた「多くの筋肉、器官が一体となって発声器官を作る」のだということが、この第1部の説明でより理解しやすい状態になったかと思います。



これにて第4章 解剖と生理 の 「第1部 喉頭」 が終わりとなります。

第4章は、3部構成となっており、「第1部 喉頭」、「第2部 喉頭懸垂機構(あるいは、単に懸垂機構)」「第3部 呼吸器官」で構成されています。

次回は第2部に入っていきますので、よろしくお願いいたします。


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