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デジタル小鉢

20点小鉢が、40点に?!

と、ぬか喜び。

ぬか喜びだった。

小鉢の盛りつけが、日々迷走を極める中、所長が見かねてデジタルスケール(1g単位で量れるはかりのこと)を持ってきてくれた。

材料全体の加減から数字的に計算して、小鉢ひとつあたり大体のグラム数を計算、量りながら、盛り付けるというやり方。

そう!

そういうのは、なんとなく得意なんですよ。私! と思った。

以前、ホームベーカリーの計量で随分鍛えられたから。デジタルスケールで、小麦粉を量ったり、バターを量ったり。もはや自慢だけど、ものすごく手際が良かった。5g、10gが、大体1回でピッタリになるほどだった。

小鉢を見た感覚というか、手で持った感覚というかで、1-5g重い、少ないがなんとなく分かる。

グラム数でピタッと盛り付けは、3、4日の間にかなりスピーディーになった。

だが、しかし。

小鉢というのは、本来そういうものではない。

グラム数が同じでも、水分を含んでいる、キャベツの芯などグラムではかさむけど、見た目が残念。とか。

グラム数ピタッとは、割とすぐできるようになったので、小鉢の盛り付け時間の大幅短縮にもなった。

悩む時間が減ったから、少し喜ぶ。少し嬉しい。

闇夜に光が!

でも、早速先輩パートさんから「グラム数も大事だけど……」と言われる。

グラム数など、いちいち量って盛り付けたこともない先輩パートさんには、納得がいかない。

大事なのは、グラム数よりも見た目と、盛り付け具合、具の配分。

ごもっとも。

もどかしい気持ちでいっぱいなんだろうな。

私もグラム数を量って盛り付けながら、これはどう見ても(見た目)少ないなと思ったものには、ちょっとグラム数ではオーバーするけど、オマケしとこう。とか、ちょこちょこやってはいた。

でも先輩パートさんには、全然足りない。よろしくない。

均等に、全部が「いい感じ」でないと、うーーん。

どうしたものかなぁ。。。(きっとみんな思ってる)

私個人的には、もう少し待って欲しいなあと思う。

グラム数ピタッとを、もう少しやってみて、それに慣れたら、見た目への気配りも、もっとできる気がする。

今は難しい。

とはいえ、その日の小鉢は、その日だけのもの。

その微妙な小鉢を食べるのは、それを選んだ1人のお客さんだけ。

その日、ちゃんと盛り付けてなくてお客さんが残念な思いをするのは、私の成長とは関係ない。

一期一会。

ゆっくりやりましょうと、自分に言い聞かせ、焦らず、慌てず、と思いながら、プレッシャーに潰れそうになる。

小鉢の闇は深い。

デジタルに進化したけど、出口は見えないのです。

【今日の英作文】
お節介を鬱陶しいと思うか、親切と思うかは人それぞれ異なります。
Each people finds it different whether the pushy is annoying or nice.

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