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読書感想文ーー『ぼくたちは、まだ少し期待している』

木地雅映子『ぼくたちは、まだ少し期待している』を読了した。

物語は、主人公の男子高校生が、家出をした女子高校生を探す、ひと夏を描いたもの。

簡単すぎるあらすじはそう。

傲岸不遜で、天上天下唯我独尊な男子高校生の、お金についての持論であったり、誰に対しても上から目線の身勝手な態度に、やれやれと思いつつ、結局のところ君はどうしたいのとつっこみながら読んだ。頭がきれ、超優秀で、口達者な人物という設定なので、怖いもの知らずだ。そして、そんじょそこらの金持ちじゃない。方向音痴だけど、高校生としてありえない自己資産のある金持ちだ。交渉金として、200万をぽーんと簡単に用意できる感じ。

DV、虐待、精神疾患、メンタルケア、スピリチュアル、、、などなど、家族の問題や、その周辺を丁寧に盛り込み(盛り込みすぎて、研究発表会状態と思ってしまうほど)物語は進む。

主人公の男子高校生は、結局収まるところに収まった。

つけつけして、きんきんして、俺サマで最後まで生きるのかと思いきや。

そこは、主人公の成長と捉えるべきところなんだろうなとは思うけど、(私には)若干つまらない。

「前の世代よりも今の世代が、今の世代よりも次の世代が、ほんの少しでも良くなっているのなら、それ以外の事は、割となんでもいい。」

という一節が出てくる。

虐待された子供が、自分の子供を今度は虐待する。

そういう負の連鎖をとめられるなら、それは、人類としての偉大な一歩。小さな、でも確実に前に進む一歩。

人間は変わらない。太古の昔から戦争ばかりしている。争いは消えない、人間に刻まれたDNAみたいだ。

という悲観論がある。そういう一面も確かにあるけど、少しでも良いものを次の世代に残せるなら、それで十分という、楽観論も同時に大事だなと思った。

期待しても、いいのでは。

この本も、コロナウイルスの時期が重なる物語。

この3年、コロナ一色。

小説を私が読まなかっただけで、コロナウイルスと切っても切れない人間が書いているのだもの。作品の中にコロナの影があっても当然か。。。

そして、今読んでいる本も、コロナウイルスとガチンコでぶつかっている小説。

ちょっと、今更にコロナ疲れ。読む本読む本みんなコロナってどうなの!

読む本を間違えているらしい。

【今日の英作文】
「そのニュースを見たのは食事中でした。初めは大した事件ではないと思いましたが、段々見ているのが辛くなる悲惨なものになりました。」
"I was at table when I watched the news on TV. At first I didn't think it was so big incident, but it was getting more and more serious and a terible tragedy.''

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