マガジンのカバー画像

考えごと

27
運営しているクリエイター

#漆器

漆塗り教室を始めて10年

 漆塗り教室を始めて10年。毎年100人に1日体験や教室で漆塗りに親しんでもらえば、10年で1,000人。1,000人になったら漆の認知も少し変わるのかなと思ったが、実際は1,000人では大して変わらない。

 それでも、漆の新規愛好家を増やす努力をあきらめてはいけない。なぜなら新規を獲得しなければ、自然減していくだけだから。これだけ漆器に触れる機会のない生活では自然増はありえないから。

 新規

もっとみる

「漆器の価格の差は何なんですか?何十万円のものも100円のものもある。」とたまに聞かれる。まずは、真行草の差、とお答えしている。

漆塗りというリソースをもって、今の世の中で何をしていこうか。これが常に考えていること。

趣味としての漆の普及を目指す

「伝統産業」「伝統工芸」とはすなわち、過去の産業、過去に流行った工芸、ゾンビ産業、ということなのだと感じる。
 その中の漆も、今の時代、なくてもいいものなのだと思う。実際、漆器のない家はたくさんあるわけで。
 ではもう消滅すればいいかなと考えると、それはちょっともったいないなと思う。漆がとても魅力的な素材だと知っているので。
 この漆の魅力を知った上で、いるかいらないか、好きか嫌いかを判断してほし

もっとみる

漆器の扱いを難しくしている3大要因

①家伝来の漆器を、扱いのわからない嫁に触らせられないと、嫁から漆器を遠ざけ、苦手意識を植えつける姑。

②とりあえず最大限のリスクを排除した、至極丁寧な漆器の扱い方を伝授する習いごとの先生。

③説明責任の恐怖から、取扱説明書の禁止事項に「落下させること」までいれてしまう、漆器の長い長い禁止事項の説明書。

ふだん漆器

ふだん着物、普段着着物、そんな言葉があるのだから、「ふだん漆器」があったっていい。
ほかにも、
・アンティーク着物→アンティーク漆器
・リサイクル着物→リサイクル漆器
・レンタル着物→レンタル漆器
・着物リメイク→漆器リメイク
・カジュアル着物→カジュアル漆器
・フォーマル着物→フォーマル漆器
などなど。
リメイク漆器や漆器レンタルは少ししてみているけど、まだ、ジャンル開拓の余地がある。