トルストイの入口「戦争と平和」
「戦争と平和」は、登場人物が500名以上、約3000ページに及ぶ圧倒的なスケールの大河小説です。読破するには時間がかかりますが、一度物語に入ることができればどんどん先を読みたくなるような魅力にあふれています。
まずは、何と言ってもその卓越した描写力です。時に力強く、時には繊細に綴られた文章はめりはりに富み、登場人物たちは脇役に至るまで丁寧に描かれているので、スムーズに感情移入することができます。
歴史背景の解説等に切りかわる部分がたまにありますが、冗長に感じられる場合、それらは斜め読みしてもあまり差し障りはありません。物語の本筋部分は短い章が刻まれながら展開していくため、慣れればさほどストレスなく読み進めることができるでしょう。
イギリスのBBC制作によるドラマ(Netflix)がよくできていますので、通読の時間がとれない方は、先にこちらから入るのも良いかも知れません。
レフ・トルストイ(1828- 1910)~ロシア・小説家、思想家~
ドストエフスキーやツルゲーネフと並ぶ19世紀ロシア文学の巨匠。「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」などの名作を残した。彼の非暴力主義はガンジーらに受け継がれた。