マガジンのカバー画像

文芸練習

10
文章を練習したくて書いた文章です。
運営しているクリエイター

記事一覧

大空の下で漁をする人々

 快晴の入道雲が三つほど、大河で漁をする人々を見下ろしている。彼らは竹か何かの丈夫な植物…

浦田久武
2週間前
1

荒廃した土地と幹線道路#3

 妹に会うには、この道をまっすぐ進むしかない。  Earth highway 4528。この数字を聞くと、…

浦田久武
3週間前

荒廃した土地と幹線道路#2

 小さい頃からを思い返せば、僕は怖がりなように思う。今でもお化け屋敷に入れば腰が抜けてし…

浦田久武
3週間前

荒廃した土地と幹線道路#1

 上空からの景色はその視界の多くを黒に染めていた。まだ、夜はやってきていないというのに、…

浦田久武
3週間前

広大無辺の夕暮れ#3

 私は大地である。  木を生やし、草原を広げ、太陽の恩恵を受けて、いつもこの身体の中で輪…

浦田久武
1か月前
3

広大無辺の夕暮れ#2

 僕は、どちらかというと、高低様々な山に囲まれた土地で育ったので、だだっ広い土地には違和…

浦田久武
1か月前

広大無辺の夕暮れ#1

 大地は、低山に低木、残りは草原で埋め尽くされているようである。空は薄くもがかった晴れで、雲と宇宙の間が見えるほど、視界は泰然としている。時は夕暮れなのか、雲には橙色の光が反射している。ただ、この土地は広すぎて、一度に夕焼けがやってくる仕様にはなっていないのだと思う。奥はまだ真昼間で、手前から順に夕焼けが忍び寄る。ゆっくりと進む太陽と併走し、この土地の夕暮れはのそのそとその全体図を広げていく。  大きな木はひとつもない。低く、地面にはびこるように低木が身体を寄せ合って生えてい

白氷の湖#3

 どれだけ歩いてきただろう。いつから雪はやんでいただろう。私の足跡は次第に雪に埋もれ、ど…

浦田久武
1か月前
2

白氷の湖#2

 とても寂しい風景である。雪の中を一人で歩いているような。雪はあまりいい思い出がない。小…

浦田久武
1か月前
2

白氷の湖#1

 まず、白。氷の大地が、右を見ても左を見ても数キロメートル続いている。左を見れば、遠くて…

浦田久武
1か月前
1