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電力の HTT の推進 四半期進捗報告(第 23 回:SOINN 株式会社、第 24 回:inQs 株式会社、第 25 回:エリーパワー株式会社)

■第 23 回「H:減らす」優勝社 SOINN 株式会社との協働

東京ビッグサイトの空調設備のオペレーションを AI がレコメンドすることで熱量(電力量)を削減

SOINN が独自に開発する AI は、熟練のオペレーターによる空調オペレーションを学習し、その日の気候データや会場の室温・湿度やイベント内容といった利用データ等から最適な空調制御をレコメンドするシステムです。従来オペレーターの経験と勘に大きく依存し、属人化していたオペレーションを AIが再現し、様々なデータを組み合わせて分析することで、これまでより少ない熱量(電力量)で同程度の空調効果を実現することが期待されます。

東京ビッグサイトや東京都等の関係者と協議しながら、システム設計、開発・実装スケジュールや効果検証方法等について検討

空調制御オペレーションのレコメンドを行うためには、東京ビッグサイトの中央監視システムからのデータだけでなく、気象情報や展示ホール内のリアルタイム環境情報等のデータを組み合わせる必要がありますが、それらのデータをどのように取得し、どう分析に活用するのか、といったシステム設計に関わる検討が現在進められています。

また、本システムを実装する建物が複数あることから、各棟への実装をどのような工程で進めていくかといったシステム開発・実装のスケジュールに関する検討・調整作業が行われているほか、実装後の削減効果をどのような方法・基準・範囲等で評価すべきかといった効果検証方法に関する検討も併せて行われています。

■第 24 回「T:創る」優勝社 inQs 株式会社との協働

新たな地産地消型エネルギーの創出を目指すべく、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターに太陽光・室内の明かりから発電するガラスを設置

中小企業への技術支援機関である東京都立産業技術研究センターでは、inQs の可搬型発電ガラスシステムを同センター施設内に設置し、太陽光と室内の明かり双方で発電させる実証実験が行われています。
inQs のガラスシステム「SQPV」は、2 枚の板ガラスの向かい合った内側に透明な発電層を組み込むことで、部屋の内外から受光し発電することができます。

当初の協定内容に基づく全ガラスシステムの設置を完了し、現在システムの安定稼働にむけた運用テスト、データ取得作業を実施中

2023 年 7 月末をもって建物内へのガラスシステム設置作業が完了し、現在は本ガラスシステムが正常に稼働しているか、安定的な運用が可能かどうかという観点で確認を行うためのデータ取得作業が行われています。具体的には、発電量・照度・温度・湿度データを測定し、それらが期間中を通じて安定した水準であるかどうか、というテストとなります。

これまでの運用期間においては想定通りの発電量が得られているとのことで、今後も継続的にシステム運用データの取得が実施される予定です。

■第 25 回「T:蓄める」優勝社 エリーパワー株式会社との協働

ピーク電力の削減・シフトを目的とした可搬型蓄電池システムにより、電力需給のひっ迫緩和に貢献

エリーパワーが提供する可搬型蓄電池システム「パワーイレ・スリー」とその一括管理システムは、オフピーク時に電力会社の電気を蓄電し、ピーク時には蓄電池に蓄めた電気を放電することで使用電力のピークシフトを実現します。
複数台を束ねることでより大きな効果を発揮するほか、停電発生時など有事の際にはスマホ等の充電スポットとして一般開放することもでき、多くの場所に設置することが理想的な運用となります。

東京都関連施設の事業所に「パワーイレ・スリー」を設置し、接続先や設置方法等の活用方法等を模索しながら、電力のピークシフト効果増大に向けた取組みを推進中

2023 年 6 月現在、東京関連施設にて計 48 台が稼働中で、各事業所においてピークシフト効果を大きくすることを目的としてその運用が模索されています。有効活用されているモデルケースや事例紹介、設置場所や接続先の工夫等が各事業所に共有され、事業所全体で HTT 促進に向けた蓄電池システムの有効な運用方法が模索されています。

以上、電力のHTT(減らす・創る・蓄める)に関する 3 つの協働プロジェクトの進捗状況についてお伝えしました。
HTT はゼロエミッション等にもつながる、東京都のエネルギー問題解決に向けた重要な取組であり、スタートアップとの協働を通じたさらなる発展が期待されます。

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