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11月19日の手紙  人生の選択肢を絞る方法

拝啓

バーゲンセールのようなものに、行ってきました。
招待者だけが入れて、
お値打ちの商品のものを買えるタイプのセールです。
招待状を持てるような人間ではないのですが
たまたま招待状を手に入れ、
久しぶりのオンラインでない買い物に行ってきました。
そこで気づいたことを書きたいと思います。

比較的、オンラインでの買い物をするほうです。
Amazonプライムは慣れてしまうと、
これほど楽な買い物の仕方はありません。置き配に設定しておけば、不在でも荷物が受け取れます。
楽天市場もAmazonプライムほど早くはないし、置き配ができないのが玉に瑕ですが、
Amazonで見つからないものがあったり、公式が出店してたりするのでなかなか使えます。
そのほかに贈り物の花もオンラインで頼んでいますし
季節のお菓子を送る際にも
和菓子屋のオンラインショップから手配しています。
洋服は失敗が多いといいつつ、オンラインで購入したことも何度かありますし
大きめの家具や園芸用具のようなものも購入したことがあります。
感染症にかかった際に、オンラインスーパーで食料品や日用品を購入して届けてもらい、療養したこともあります。
あれは、本当に助かりました。

こうしてあげてみると、かなりオンラインショッピングを利用しているわけです。

オンラインでショッピングの魅力、
それは何といっても家から一歩も出ずに、欲しい商品だけを買えることです。
そして、これは買い物に行かなくてよいというだけでなく、
目当てのものだけを買うという意味でもあります。

さて、冒頭のセール会場に到着した際、
最近の買い物体験が、オンラインショッピングに偏っていたため
まずはその物量、そして、人間の量に圧倒されました。

どこを見ても物がある。
どこを見ても人間がいる。
そういう状況になれるまでに、10分ほどかかりました。
ものは大きく分類され、陳列されてはいますが
そこはセール会場です。
店舗ほど整然としていません。
その上、それらの物の間を、人間が相当の数、うろついています。
すし詰めということはありませんが、
それでもぼんやり立っていると誰かにぶつかりそうになるくらいには
人間がいます。

しばらくして、状況に慣れてきてもどこを見ればいいのかがわかりません。
今回、はっきりしたお目当ての商品は特になく、
「もしあれば買おう」くらいでセール会場にいったのが
よくありませんでした。
周りにいるのは歴戦の猛者たちは、もう少し明確な目的の品がある様子です。何かを探すかのように、ワゴンの中をひっかきまわしています。
何らかの判断基準があるようで、手に商品を取って首を傾げ、ワゴンに戻しています。
せっかく来たのだから、何か良いものはないかと、
人の波を少しでも回避しながら、ワゴンの中を覗き込むのですが
何を買えばいいのかがわかりません。
というか、物が多すぎて、商品に見えないのです。
自分と関係のないモノにしか見えません。
モノと片仮名で書くのがしっくりきます。
それを使っている自分の姿が想像できないし、
どう使うのかも想像できません。

ぐるぐる会場を回遊しているうちに当たり前のことに気づきました。
商品には、「サイズ」があるということです。
自分に合うサイズ表記がされているワゴンを覗きます。
先ほどまで、単なるモノだったものが、どういう商品かわかるようになってきました。
どういった目的のために製造されたものなのか
どうやって使うものなのか、
どういう特徴があるものなのか、
さっきよりずっとわかります。

古文書を解読したような気分になります。
そして今度は、まずは「サイズ」を確認し
その次は、自分がその商品を使っているところを想像することにしました。
「サイズ」が先です。
まずは、「サイズ」が合うものだけを探すのです。
そして、「サイズ」で商品が絞られたところで、想像力が沸く、気になるものだけを厳選する、のです。
「サイズ」が合わないものは、見て気になっても結局は使用できないし、
しかも気になったから、妙に心に残ってしまう、
それならば、「サイズ」で、範囲を思いっきり狭めてしまった方が
楽です。
あちこち見る必要はありません。
自分に合った範囲だけ、見るのです。
「これはあれだ、「目標をセンターに入れて、スィッチ」みたいなことだ」
とハッとします。
そして、買い物だけでなく、人生の大きな判断もこんなものかもしれないと思いました。

人間は圧倒的な物量、
人生の場合なら圧倒的な選択肢に迫られると、
判断が出来なくなって、
その行為自体を、放棄して今うのかもしれません。
物を買うという快感が伴う、単純なことですら、
まずは「サイズ」という条件フィルタをかけて
合わないものを除外する、
そしてその後に、決めるわけです。

それならば、人生の選択肢だって
「何にだってなれる」とか
「いくらでも選択肢がある」という立場から選ぶのではなく
まずは「自分にできること」のなかから選んだ方が良いのかもしれない
と思いました。

身の丈を知れとか
可能性に期待するなということではありません。
イチかバチかのチャンスにかけたい人はそうすればいい、のです。
しかし、もはや「何を選べばいいのかわからない」という状態なら
まずは、「今のサイズ」「今の状態」を条件フィルタに入力して
それにヒットしたことをした方が、前に進めるような気がします。

セールはどうしたかって?
結局山ほどの商品を買って帰りましたよ。
それは全部、「サイズ」がぴったりあったものばっかりです。
とはいえ、少し買いすぎたかもしれません。

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