【海士町】旅は、自分の知的好奇心の種を育む娯楽やな。人
旅は世につれ世は旅人につれ。こんにちは、私qbcです。
思えば遠くに来ましたねー。ここはどこ? 私はだれ? ここは日本。東京、三軒茶屋。私は無名人インタビュー主宰です。
ということで海士町企画も順調に順調にみなさまのおかげで、延べ20人ほどにインタビューさせていただいたでしょうか? いや30人? その半数弱が、現地でのインタビューになります。
そして! また8月の終わりに海士町に行きます!!!!!
行くんです!!!!!
今回はインタビュー+別件+全開の2月訪問ではなく真夏の訪問ということもあり、なんかまた違った海士町と出会えるんだろうな、と思っております。
ありがとう海士町!
と思う2024年6月23日23時58分に書く無名人インタビュー802回目のまえがきでした!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】
今回ご参加いただいたのは ブランチ さんです!
年齢:20代後半
性別:男
職業:大人の島留学
現在:大阪におるときよりもシャッターを構える頻度が増えたなって。ちゃんと海士町の風景を残しておきたい。海士町含め西之島、知夫里とか、ちゃんと自分の目で見て、どういうまちなのか表現ができたら、と。
ナカザワアヤミ:
ブランチさんは今何をされてる方ですか。
ブランチ:
大人の島留学で4月から海士町にきたという感じです。
ナカザワアヤミ:
普段の生活ではどんなことをされてますか。
ブランチ:
それは仕事とか休みとかも全部含めてっていう意味ですか。
ナカザワアヤミ:
そうですね、何でも大丈夫です。
ブランチ:
大人の島留学っていう制度で、教育委員会の中で伝承教育の活動をさせてもらってます。
休みのときは自転車でフラフラ海士町内とか、他の西ノ島とか知夫村とか散策していて、今隠岐諸島のことをどんどん知っていこうかなって感じです。
心がけていることとしては、僕は兵庫出身の人間なんで、旅人の目線を忘れないでいよう、みたいなところでありつつ、実際に移住してみて、地方で暮らして草刈りとかいろいろやっていく中で、逆の立場から見て、やっぱ旅人であるためにはお邪魔させてもらってるっていうか、地域となるべく溶け込むようにいろいろ積極的に行事に参加したりとかしてますね。
ナカザワアヤミ:
ブランチさんにとってはどの部分が生活の中で大きいですか。
ブランチ:
大阪にいたときだと、仕事と休み、みたいな感じで別れていたんですけど、こっちに来てからは、やっぱり人と人の顔が見える関係性があるんで、混ざり合ってるみたいな感じで。
白と黒みたいな感じで分けられない環境なのかなっていうか、いい意味で、いろいろ混ざり合ってるって感じですかね。
ナカザワアヤミ:
なるほど。
最近楽しかったことは何ですか。
ブランチ:
やっぱり何気ない日常というのが僕は楽しいなと思っていて。
たとえば、自転車で島前カルデラを見ながら通勤したり、お休みの日もいろいろ自転車で景色たりとか。これは自分が島っていうか特殊な環境にいるから、島に住んでるからこそできることであって、貴重な経験させてもらってるんだなって。
海士町にきてからもうすぐ2ヶ月たちますけど、1日1日が、日常ですけど、濃いなという。
ナカザワアヤミ:
先ほどから自転車でいろいろ回っているっていうお話されてるんですけど、島内を回ったり、他の島に行ったりっていうのはなぜやろうと思ったんですか。
ブランチ:
やっぱりそこの地域のことを知りたいなと。ちゃんと隠岐のことを知ろうと思ったら、島前と島後とあるけど、やっぱりそこをちゃんと知っといた方がいいかなっていうか。
隠岐のことを知っていれば島根のことを知るっていうことにつながるし、島根のこととか県外のことを知っておけば、僕の地元がどういう地域なのか、一般的に見えそうですし。常にそれは意識してます。一回関西から離れたときに、県外から地元ってどういうものか、それを見たかったんですね。
ナカザワアヤミ:
なるほど。地域がどういう場所なのか知るとかっていうのは、海士町に行く前からやってたりしてたんですか。
ブランチ:
結構意識はしてましたけど、海士町来るまでずっと6年間ぐらい大阪住んでたんですね。
ただ、週末はずっと兵庫に帰ってたんで、なんなら兵庫で過ごしてた時間の方が多い。比較対象にならないなと。
やっぱ大阪以外にしたかった部分もあって。
僕の中で大阪っていうのは住む場所というか、観光っていうか遊びに行く場所やなって。
だったんで、いろいろ今後生活するという上ではやっぱり自分がちゃんと住みたいなと思う場所の方がいいのかなと。
ナカザワアヤミ:
実際やってみてどうでしたか。
ブランチ:
ずっといろいろ日本各地を旅しましたけど、やっぱり地元、兵庫はバラエティーに富んでいて、なんかちょうどいいなっていうのが改めて認識できて、それは海士町住んだからこそ、再認識できた。
島根には島根の、いろいろ独特な文化があるんだなと。神楽一つにとってもやっぱ全然違うし、その違いを自分の言葉に落とし込むことが、ちょっとずつ、まだまだですけど、それができるようになってくると、まち歩きしてても楽しくなっていくんやな、みたいなそんな感じです。
ナカザワアヤミ:
大阪とか、いわゆる都市的な部分で生活していたときは、趣味としては何をされてたんですか。
ブランチ:
そのときからずっと地方を旅したりとか散策したり、自転車に乗ったり散歩したり、大阪おったときは、西国三十三所めぐって御朱印集めたりとか。
ナカザワアヤミ:
それは1人で行くんですか。それとも人と一緒に行くことが多かったですか。
ブランチ:
社会人の6年のうちの4年ぐらいはだいたい1人で行くことに重きを置いてたんですけど、残りの最後の1年、島根に行く前は結構みんなで旅するのを楽しんでやっていましたね。
ナカザワアヤミ:
1人で行くのと複数人で行くのってどういうところが違いますか。
ブランチ:
1人で行く場合はやっぱり、思考スピード、決断スピードが速い分、柔軟に動けるっていうところが特徴で、逆にみんなで旅するってなると、みんながどういう旅してんのかなみたいなことを吸収できる。あと何に興味があるのかなとか、結構人のことを知れる、普段自分が目も向けないような場所に行けるっていうのもありますね。
同じ空間とか同じ時間を共有できるっていうのもある意味、みんなで旅する醍醐味なんかな。
ナカザワアヤミ:
まだ来て2か月のところだと思うんですけど、ブランチさんにとって海士町という場所は、どういう場所だと表現できますか。
ブランチ:
一言で言えば、自分の生き方とか、内省する時間を与えてくれる場所だなと。ゆったりしてる。1人で考え事する時間も前より増えて。いろいろ挑戦もできて。頭をフル回転させている感覚もあって、五感をフル活用できるまちやなって。海の香りもそうですし。島の文化もそうですけど、民謡の音楽も。そういうところは結構フル活用できる。僕の中では結構、住んでて面白いまちですね。
なんなら兵庫に戻ったとしても、定期的に訪れるまちなんだろうな。結構そんな感じがしています。
ナカザワアヤミ:
一度行った場所にもう1回行くっていうのを結構やる方ですか。
ブランチ:
そうですね。変化を見たりっていうのと、やり残したことあるなっていうところには何か行ってみたいなっていう部分があります。
ナカザワアヤミ:
今まで、大阪にいたときと今の比較のお話をしてくださってるんですけど、以前は何のお仕事をされてたんですか。
ブランチ:
メーカーで働いてたんですけど、店舗が1年で、システム関係の部署に5年いました。
ナカザワアヤミ:
なるほど。
人から性格について、どんな人だねって言われることが多いですか。
ブランチ:
そうですね、好奇心旺盛な、っていうのはよく言われたり。真面目だねとか言われたり、ですかね。なんかその辺深く考えたこともないんですけど、一つのことに打ち込んでるタイプだねとか。あとは明るいねとか。
ナカザワアヤミ:
実際ご自身でもそう言われてどうですか。
ブランチ:
確かにそうやな、みたいな。
そういうところはやっぱあるんだな、それ知ったらやっぱ、そこは伸ばしていくべきとこなんかなとか、そういった感じですかね。
ナカザワアヤミ:
ちなみに、今打ち込んでることはなにかありますか。
ブランチ:
やっぱりまち歩きの一言に集結しますね。それこそ、海士町に来てからも、観光地ももちろん行きますし、観光地以外とかでも、なんかここ石像あるなと思ったらやっぱりシャッター切るし。大阪におるときよりもシャッターを構える頻度が増えたなって。
ちゃんと海士町の風景を残しておきたい。海士町含め西之島、知夫里とか、ちゃんと自分の目で見て、どういうまちなのか表現ができたら、と。
ナカザワアヤミ:
うんうん。写真は結構撮るんですか。
ブランチ:
そうですね、風景写真とかはよくカメラで撮りますね。
ナカザワアヤミ:
まち歩きするときって、何を見ますか。結構いろいろあるとは思うんですけど
ブランチ:
町並みもそうですし、山とか海とか空とか自然、あと植物とか季節とか。
日本ってやっぱり四季折々豊かな島なんで。海士町とかでも同じ地区でも4通りの楽しみ方っていうか風景が見れる。あと食文化とか、図書館とかも結構好きなんで、図書館ってどういう本があるのかなみたいな。どういう感じの建物なのかなとか。本当に何か一言ではこれってのは全然言い表せない、その地に関することってどれもまち歩きで大事なものかなって僕は思っていて。
ナカザワアヤミ:
最近見つけた面白いものって何がありますか。
ブランチ:
知夫村でたぬきの看板があって。
ゴミ捨てたらあかんよ、みたいな感じの。言葉が違うんでそれは何か一応写真撮ってまとめてはいるんですけど。
ナカザワアヤミ:
知夫村って、タヌキの方が人より多いって言うんですね!
過去:俺は都会じゃないなと。そこで地方のこともっと知りたい、もっと知った方が多分自分は有意義な人生を送れるんだろうなって。
ナカザワアヤミ:
これまでのこともちょっと振り返っていただきたいなと思うんですけれども、ブランチさんは、小さいときはどんなお子さんでしたか。
ブランチ:
小学校のころとか全然覚えてないんですけど、ゲームとかをよくしてたなと。中学生ぐらいとか、小学校高学年ぐらいからどっか出かけたりするのが好きになって、自分の地元の隣町に自転車でかけたり、どんなもんがあるんかなと結構散策したりとか。
ナカザワアヤミ:
散策はどんなところが面白かったですか。
ブランチ:
単純に、自分が見たことないものを見るっていう、新しい、自分の世界が広がるってことが楽しかったですね。
ナカザワアヤミ:
なるほど。出身は兵庫っておっしゃってたと思うんですけど、生まれ育ったところはどんな場所でしたか。風景とか雰囲気とか。
ブランチ:
低山に囲まれたような地域で、秋になると紅葉がきれいだったりとか、夏になるとひぐらしが鳴いてたりとか、カエルが鳴いてるとか。田園風景とか綺麗だし、川も結構流れてくる。
そういう意味では自然にめちゃくちゃ恵まれた場所で。みんなやっぱ何もないとかいうんですけど。
ナカザワアヤミ:
さきほども結構、その地域のことを知りたいとかちゃんと見たいとか、今もいろんなところを見てると思うんですけど、ご自身の育った町についてはどう思ってますか。
ブランチ:
やっぱり自分の考えを形成した大事な場所でもあるし、旅の楽しさというか、まち歩きの楽しさを、直接人に教えてもらったわけじゃないんですけど、そこでいろいろ教わったなっていうか。そういう意味では自分の原点なのかもしれないですね。
ナカザワアヤミ:
まち歩きも中学生くらいからっておっしゃってましたけど、小中学校とか、学生時代はどうでしたか。
ブランチ:
小学校はあんまり覚えてないんですよ。
中学校は部活、剣道やってたんですけど、休みが全然なかったんで、休みがあったらどこか行きたいなってずっと思ってて。
休みのときってのはもう自分が自由に使える時間やから、自分の好きなことやろうと、自転車でどこかに行ったりっていうのが、結構充実してた3年間やったなって思いますね。
ナカザワアヤミ:
高校時代はどうでしたか。
ブランチ:
高校時代になると、中三頃から記念スタンプ集めたんですけど。駅とか道の駅とか。
高校生なんでアルバイトもできなくて、休みに遊ぼうと思ったら、自転車で隣町行ったりとか、どっか家族と行くときに、道の駅行ったりとかしてスタンプ集めて。兵庫の道の駅のスタンプ集めてみようかなみたいな。
それでより旅好きに拍車がかかったんですよね。テスト勉強とかで図書館に行く時間があったんですけど、たまに息抜きに旅とか旅行雑誌の方が大学生になったらここ行きたいなみたいな想像を膨らませたりしてましたね。
ナカザワアヤミ:
遊ぶ日とか休みは1人でいろいろ行ったりすることが多かったですか。
ブランチ:
友達と遊ぶときもありましたけど、どこかに旅行に行くってなったら1人で行ってましたね。
ナカザワアヤミ:
部活はやってたんですか。
ブランチ:
一応やってましたがゆるい部活だったんですよね。時間が欲しかったので。
ナカザワアヤミ:
なるほど。卒業して大学に進学されたんですかねその後は。
ブランチ:
そうですね、大学は兵庫県で、自転車のサークルに入って、
そこで日本各地を回って。そこでは合宿だったので集団だったんですけど、より一人旅したいなって。もっといろんな自分の行きたいところに行きたいな。そこで結構一人旅やるためにいろいろやったんですよね。
ナカザワアヤミ:
大学生活は自転車が大きかったですか。
ブランチ:
自転車もそうですけど、兵庫県という場所、地域を自分の中で改めて認識するいい機会だったなと。
原体験があるんですけど、大学に入学して自己紹介するとき、だいたい出身地どこってきくと思うんです。大体みんな兵庫県とかなんですけど、僕が自分の地元を言ったら、どこ?とかそういう反応が返ってきたんですよ。
そんなに認識されてないんだな。なんかもったいないな、って。そこからやっぱり地元のこともちゃんと知らんといかんなと思ったんですね。
ナカザワアヤミ:
意外と知られてないなって思ったときはどんな気持ちでしたか。
ブランチ:
もったいないな、というのと、自分の中ではそれは何か不思議で仕方がなかったんですよね。それが、自分が発信をしようかなと思うきっかけになるんですけど。
ナカザワアヤミ:
実際この想いを感じてどんな行をされたんですか。
ブランチ:
Twitterとかで旅行行った写真のせたりとか。Instagramも大学生ぐらいからちょくちょくやり始めて。ブログも始めたり、大体社会人ぐらいになってから、兵庫の写真を6割、あとは日本各地みたいな感じでやっていこうかなと。あとは最近なんですけど、noteとかも。
日本のへそっていうのが、僕の地元なんですけど、そこからいろんなとこ行きますよっていうコンセプトで。最近だと、崎地区の散策をしたよとか。海士町にいるんやったらそういうことをどんどんストック貯めてもいいかなと。
note :
インスタグラムhttps://www.instagram.com/branch_stamp?igsh=emZrMWc1MWt1c2Vl&utm_source=qr
ナカザワアヤミ:
なるほど。さっきもったいないっていうのはご自身の出身地のことを知られてないなっていう気づきだったのかなと思ったんですけど、他の地域のことも発信しようというふうに思ったんですか。
ブランチ:
そうですね。せっかくなんで。
ナカザワアヤミ:
発信してみてどうですか。
ブランチ:
客観的に、なんでしょう、島のこととか発信しようとするとやっぱりインプットしないといけないので、より島のことを理解できる。なんか、その島に対しての解像度が高くなるというか。散歩するときはめちゃくちゃ楽しいなって。
ナカザワアヤミ:
散歩するときは、ここを紹介しようかなみたいな気持ちで写真撮ってらっしゃるんですか。
ブランチ:
そうですね。事前に資料とか見て、こういうところなんだ、じゃあこういう角度から写真撮って、伝えたいなとか。そういうところをある程度自分中でシミュレーションしてから写真を撮りにいきますね。
ナカザワアヤミ:
取材ですね。
ブランチ:
ものに対して取材してるなって。
ナカザワアヤミ:
なるほど。大学生からこうやって発信をしてってことなんですよね。
ブランチ:
大学生ぐらいのときはTwitterだったんですけど、大学4年生ぐらいのときにInstagramとかブログとかも力入れだすようになって。最近はちょっとなかなか書けてないんですけど。
地元の歴史セミナーとか行ったときのことを全部書いたりとか。
ナカザワアヤミ:
ちなみに大学のときは何を勉強されたんですか。
ブランチ:
経済学部でした。ゼミでいろいろまち歩きしたりとかしていて、そこで、自然っていいなとか。
ナカザワアヤミ:
こういった専攻、あるいは大学なのか、これを選んだのはなぜだったんですか。
ブランチ:
そうですね、大学1回生のときに、東北、宮城の気仙沼に10日間ぐらいボランティアで行ったとき、復興とか、そういうのを見たりして、まちづくりっていうのがちょっと気になって、勉強したいなと。で、ちょうどいい良さそうなゼミに入ったんです。
ナカザワアヤミ:
なるほど。自転車で地方行ったりとか、勉強でも地域だったり、そういうところ結構考えてらっしゃったんですね。
そこから、就職されたときは何かどういった選択で会社員の道へ行かれたんですか。
ブランチ:
最初は公務員の勉強してたんですけど色々考えて、民間受けようかなってなったんです。
ナカザワアヤミ:
その当時、将来的にどういうふうにしたい、というような思いはあったんですか。
ブランチ:
何年か会社員したら、兵庫戻りたいなって思ってたんですけど、でもなんか、大学4回生、卒業するときに働くの面倒くさいなみたいな気持ちもやっぱあったりとかして。だけど、せっかく就職したしな、と思っているうちになんやかんや6年働いたんですけど。
そこで何か、仕事ってこういう楽しい部分もあればちょっと面倒くさい部分もあればみたいなことを学べたんでそれはいい経験だったなと。
で、大阪にずっと住んでたんで、コロナで休みの日に地元に帰れないストレスはやっぱり感じて、俺は都会じゃないなと。そこで地方のこともっと知りたい、もっと知った方が多分自分は有意義な人生を送れるんだろうなって。
で、たまたま大人の島留学っていういい条件があったんで、これはハードル低いなと思って思い切って。人生のちょっとぐらいやったらその辺ちょっと飛び込んでもいいかなみたいな、そんなノリでここに来た感じです。
ナカザワアヤミ:
お仕事辞めて、来たっていう選択だったんですよね。
ブランチ:
そうですね。
ナカザワアヤミ:
何でこのタイミングでと思ったんですか。
ブランチ:
そうですね、6年会社に勤めてて、この先ずっと勤めてたら、ずっと大阪だなって思いまして。大体、年間休日が120日あったとして、そしたらだいたい3分の2が大阪で、自分の好きな地域にいれる時間は3分の1って考えると、それをずっと続けるのはちょっと違うよな、って。自分の思い入れのない地域に住むっていうのはすごく僕の中ではストレスだった。だったら自分の好きな地域で、住んでみたい地域に住むっていうのがやっぱ人生の幸福度が上がるかなっていう思いですかね。
で、6年経ったし、いいか、みたいな感じで辞める決断をしました。
たまたまそのときに大人の島留学という制度を見つけたんですよね。タイミングがよくて。
ナカザワアヤミ:
なるほど。お仕事辞めたときのハードルとかありましたか。
ブランチ:
もうなんか、開放感MAXでした。やっと終わったか、みたいな。
ナカザワアヤミ:
特に、迷いとかは。
ブランチ:
ないですね。でも会社員、1社目そこでよかったなって思いますね。
未来:旅は、自分の知的好奇心の種を育む、娯楽やなと思ってて。
ナカザワアヤミ:
将来というか、今後の話も聞いていきたいんですけど。ブランチさんは将来5年後とか10年後とかあるいはそれより先のことでもいいんですけれども、未来についてはどういったイメージをお持ちですか。
ブランチ:
未知数であり、わくわくするというか。
ナカザワアヤミ:
どんなことにわくわくしてますか。
ブランチ:
なんか自分どういうとこに住んどるのかな、どういう生活拠点でいるのかなとか。蓋を開けてみないとわからない。1年後どうなっているのかも楽しみで。
ナカザワアヤミ:
わからないことに対してのわくわく感なんですね。
今時点でやりたいこととか行ってみたい場所とかありますか。
ブランチ:
いっぱいあります。いっぱいあるし、海士町で言うなら全地区をやっぱ自分の足でまわりたいっていうところですね。
あとは、隠岐の島町も自分の自転車でちゃんと回ってキャンプして、うまいもの食べて、祭り見て、踊りとか体験できるんだったらちゃんと体験して。知夫村であれば知夫里島を一周したり、本当に何かやりたいことって数えたらきりがないというか。
あと一つ、これだけやりたいっていうのが、実際に自分が撮った写真とか、感じること文章にしてマガジンつくったりとか、写真展、海士でやったりとか、地元で大きな写真展やったりとか、ていうのはやってみたいなってふうに思いますね。島の様子をいろんな人に伝えたいな。知ってもらいたいな、と。
やっぱなかなか行くことができない人もいると思うので、写真とかであれば旅した気分になってもらえたら。それを通して1人でも旅したいなと思う人が出てくれば、それはそれで本望なので。
ナカザワアヤミ:
伝えたり、写真を見たりした方にはどういうふうに感じてほしいですか。
ブランチ:
旅してもらいたいなと。そういう気持ちになってもらいたいですね。
ナカザワアヤミ:
ブランチさんにとって、旅ってどういうものですか。
ブランチ:
旅は、自分の知的好奇心の種を育む、娯楽やなと思ってて。
旅することでやっぱり、自然のことだったり、歴史のことだったり、文化のことだったり、中には芸術とか音楽とか、いろんな切り口があると思うんですけど。それを、自分のからだ、五感を使って、いろいろ体験できる贅沢な行為やなって、僕は認識してます。
ナカザワアヤミ:
なるほど。みんなそれに行ってくれたらいいなっていう。
ブランチ:
そうですね。遠く行くだけが旅じゃないんで、別に近くとかでも全然。旅って本当に人それぞれなんですよね。
ナカザワアヤミ:
旅の面白さとかか地域の面白さとかそういったところに気づかなかったらどんな人生だったと思いますか。
ブランチ:
多分ですけど、なんか平凡な人生を送ってたんかな。あんまりでもそれはイメージできないんですけど、それを取ると自分じゃないというか。
ナカザワアヤミ:
なるほど。
兵庫の自然とか感じられる場所で生まれたとおっしゃってたじゃないですか。そうじゃなくて、都会とかで生まれてたら、どんなふうに育ってたと思いますか。
ブランチ:
それも経験しないんで、こうって言うのは多分言えないけど、しいて言うなら何か、都会っ子になってたんだろうなって。実際にそれを経験してるわけじゃないので、僕がどうこう言えるものでないというか、なんか偏見になっちゃいそうなんですけど。
その地域にいい思い出があれば、何かしらの形で発信したいなと、もしかしたら思うかもしれないです。
ナカザワアヤミ:
ちなみに、1年後どうするかっていうのは、どう決めてくんですか。
ブランチ:
自分の中ではもう1、2年おってもいいかな、と。だけど、最終的にはやっぱ本土にちゃんと戻って、兵庫県で骨をうずめたいなと。兵庫県を拠点にして、いろんなところに行くっていうのが、自分にとってはいいのかな。
ここに来てから、いろいろ考えていると、やっぱり最終的には地元に恩返ししたいなとか。
ナカザワアヤミ:
なるほど。死ぬときにこういうふうな気持ちでいたいなとかっていうのありますか。
ブランチ:
やっぱり人生1回きりなんで、自分のやりたいことをやり尽くしたな、生きててよかったなっていう人生にしたいですね。
なんか、自分のやりたいことに対して貪欲であり続けたい。子供のような無邪気な心を常に持ち続けたいです。
ナカザワアヤミ:
ご自身でやりたいと思うことは、どういった感情でやりたいって思うことが多いですか。
ブランチ:
単純に、冒険してるなっていう。心が躍るそういうニュアンスが強いのかなと思います。
ナカザワアヤミ:
ありがとうございます。結構質問させていただいたんですけど、言い残したこととか、あと感想とかでもいいんですけど、何かありますか。
ブランチ:
そうですね。最後の、その自分が地元じゃなかったらっていう質問って、なんか結構核心を突いてくるっていうか、そういう感じの質問、なかなか難しいな、と。そこは確かに考えられてなくて、いい意味で自分でも気づきだったなと。
この人はこういう人なのかなって、多分そういうところに深く、本質に迫る質問だなって思いました。
ナカザワアヤミ:
ありがとうございます。
あとがき
海士町における旅人(および旅人予備軍)のなんと多いことか。と驚くばかりです。
旅人とは、ブランチさんのように旅を好み、人生においても旅を始めた方もいれば、どちらかの人もいます。
島留学(高校生)の受け入れとか、大人の島留学とか、Iターンとか、戦略的にも還流を生む政策をうっている町ではあるんですけど、にしても多い。
たぶん、海士を歩けば旅人にあたる(褒めてます)。
一般的な地方自治体の移住施策は、基本的に定住を目指します。
当たり前ですね。税収あげたいですし、産業や地域インフラの担い手が欲しいですし、あわよくば子育てしてほしいですし、いつかいなくなる人に対してコストをかけたりはしません。
でも不思議と、海士町にたどり着き、そして新たな土地へ向かった旅人たちは、海士町を愛し続け、関わり続け、海士町は自分の町だ、という感覚を持っている人が多いんです。
住み続けなきゃダメだよ、と言われたわけじゃないのに、大人の島留学生は期間の延長を希望するんです。
こんな場所を、私は他に知りません。
海士町では、人も自然の一つなのか、循環していきます。
つくづく不思議な場所だなと思います。
【インタビュー・編集・あとがき:ナカザワ】
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