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【君が心をくれたから※ネタバレ注意】人は五感を失うとどうなる?⸺心についての考察

先日放送されたドラマ、『君が心をくれたから』の第一話、リアルタイムで視聴しました。一時間半の尺で、とても面白かったです。

今回は、第一話の中で逢原雨(永野芽郁)が、重傷を負った朝野太陽(山田裕貴)の命を助ける代わりにこれからだんだんと五感を失っていくことになりました。

このドラマのタイトル『君が心をくれたから』の意味は、今のところ朝野太陽(山田裕貴)が逢原雨(永野芽郁)に対してずっと「雨は世界にとって必要だよ」と伝え続けてくれたから、そのおかげで雨の心は色を保っていられたということだと思っています。しかしながら、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚といった五感が失われると、心に取り込まれる外部刺激がなくなり、内部での自分自身との会話だけが残る。

そうすると、世界を知覚することのできなくなった逢原雨(永野芽郁)の心は、色褪せていってしまうと思います。朝野太陽(山田裕貴)が心をくれたから、心を失ってでも彼の命を助けようという雨の想いがタイトルになっているのではないでしょうか。


逢原雨(永野芽郁)は幼少期に、虐待を受けていました。「三つ子の魂百までも」という言葉のように、幼少期の経験や記憶が、その後の人生全てに影響を及ぼしていきます。愛されていない、自分に価値はない、そんな扱いを受け続けていたら、その自分への印象に一貫性が働いてしまって、色々なことが上手く行かない状況に埋もれてしまったりするんです。どんなに幼少期に愛を注がれたかが大事か、どんなに自分がいた環境が恵まれているのか・当たり前にあるものじゃないということを実感するところです。

そんな中、雨には価値があると言ってくれた朝野太陽(山田裕貴)の存在が、どんなにありがたいものだったか、想像できますね。


五感を失った人はどうなるのでしょうか?

精神科医の益田さんによると、人の心は脳の現象であり、内部刺激(DNAと記憶・経験)× 外部刺激(現在の状況や環境)を通して現れる現象である。との考え方があります。

その中で、自分から外部環境に働きかけていったり、逆に外部環境からの刺激を知覚したりして、私たちは身体活動をしているわけです。

五感を失うと、このような自分の身体内部と外部環境との相互作用も失われることとなります。つまり、心には内部刺激のみが残り、周りと影響し合う新鮮な感覚はなくなってしまう。何かに触れる感覚がわからないということは、体を動かしたときに世界とどう関わりっているかということも認識できない(自分の体が動いてる感覚が分からない)ので、身動きも取れない。

自分の心の中に、ひとりぼっちで閉じ込められてしまう。


鮮やかな景色を眺められること・小さな幸せを感じられることがどれだけ幸せなことか、考えるきっかけになりました。ドラマ内の逢原雨(永野芽郁)さん、なんらかの形で救われてほしいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

『君が心をくれたから』第一話の感想でした!

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