痛みが長引いている原因の1つになっているかもしれない。怪我≠痛み。ソーシャルペインってなんだい?
こんにちは!totoritoです。
緊急事態宣言も解除されて、各行楽地はにぎわっていますね。
紅葉がとてもきれいですね。とてもいいことだと思います。
このまま第6波がこないことを祈っています。
さて、今日は痛さを感じるのは怪我した時だけではないということについて簡単に書いてみたいと思います。
では参りましょう。
今回も私の頭の整理みたいな感覚で書きますので、閲覧してくださる方は温かい目で読んでいただければと思います。
また、どなたかのためになればとても幸いです。
結論
ソーシャルペイン:社会的な痛み
社会的な疎外感(仲間外れのような感覚、社会から切り離されたような感覚)や誰かへの妬みの感情、不当な扱いをされた時は体が痛みを感じた時と同じ脳活動が起きている。
つまり、心の痛みを感じた時は体が痛みを感じている状態と似ており、簡単に痛みの強弱は変化する可能性がある。
注)あくまで1つの要因であって、本当に身体に異常がある場合、原因が分からなくて不安がある方はまずは診察、体の治療が優先です。
私は、日々、整形外科クリニックで勤務しております。
いわゆる病院ではなく町の診療所的なところです。ここには体のどこかが痛くなった方や今後、腰痛が再発しないように予防したいという方がたくさん来られます。本当に毎日たくさん来られます。
そのため、皆様この痛みをなんとかしてほしいという声がほとんどです。
まずは痛いってなんじゃいということですが、例えば壁に足の小指をぶつけたり、コケて手をついて血がでたり、頭をぶつけたりした時に「痛っ」って感じますよね。
この痛みってどこで感じているのでしょうか。
手でしょうか、肩でしょうか、膝でしょうか、腰でしょうか、
正解は脳みそです。すべての情報は頭(脳)が感じ取ります。
手や肩や膝や足はあくまで情報を頭に送るためのセンサーがついている場所です。
なので、腰が怪我してようが、肩が怪我してようが、全てを判断するのは何度も言いますが、脳みそです。
何が言いたいかといいますと、腰痛を感じていても腰が悪いとは限らないです。
例を挙げるとすると、頭痛が起きている時に『あ~頭が怪我している』『あ~頭が悪くなっている』って思いますでしょうか?
まぁ思わないですよね。
二日酔いの時、テスト勉強を頑張った時、悩み事を考えすぎた時、気圧の変化を感じた時、などたくさん頭痛を起こす出来事ってありますよね。
ただ、脳について知識がある方は、『脳梗塞』、『脳出血』、『くも膜下出血』などのワードも思い浮かぶのではないでしょうか。
これは本当に大事なことです。検査して小さな脳梗塞や出血が見つかったということもありますので。
上記で述べたように、頭痛と聞くと『頭が~』となりにくいですが、腰痛は皆さん口をそろえて『腰が悪いからね』とおっしゃいます。
腰痛と頭痛、場所は違えど同じ痛みなのに何が違うのでしょうか。
背景にはレントゲンの結果説明とかいろいろあるのでしょうが、、、
多くは体の中に原因が潜んでいますが、あくまでこういう事実があるということは知っておきましょう。
そんなことあるわけない!と思うのも無理はないと思いますが、
これが痛みの原因です!とはっきり分かる場合もありますが、このように痛みが起きる原因が1つではないことも多々あります。
それと同時に痛みを強くしたり、弱くしたりする要素もたくさんあります。
このことを知らなかった時は、なぜ日によってこんなに痛みが違うの?とかなり困惑していました。
その中の1つに社会との繋がりがあります。
これは、前回の記事でも少し触れさせていただきました。
これがソーシャルペイン(社会的な痛み)です。
私たちは怪我をして痛みを感じた時は脳の複数の部位が同時に働きます。
よく心の痛みという言葉がありますが、いろんな場面で使用されますね。誰かがお亡くなりになった時、悲しい出来事があった時、怒った時、怒られた時、雑に扱われた時などなど、、
この心の痛みと体の痛みは、脳の同じ場所が認識しています。
その日の出来事によって、痛みをより強く感じたり、弱く感じたりする可能性があるということです。
仕事で誰かと協力してうまくいった時や夫婦で楽しくお出かけした時、カップルで仲良くできた時、などはむしろ痛みを感じにくいかもしれません。
逆に誰とも会わなかった日や作業で仲間に入れなかった日、誰かをうらやましいと妬みを感じた日は、日頃の痛みが強くなるかもしれません。
以前、退職を決めた時から体の様々な痛みが一気に消えたという方に出会いました。
本当にこれがあてはまっていたか分かりませんが、本当にこんなことがあるのかとびっくりしました。
ちなみにですが、この痛みを感じる場所とストレスもとても関係が強いです。職場でのストレス管理も本当に大切です。
ただし、このソーシャルペインの厄介だなと感じるところは私たち理学療法士クリニックでこのことを把握できても介入が難しいということです。
例えば一人暮らしの高齢者はどうしても他者とのつながりが少なくなります。会社で他者との関わりが良好でない方もいらっしゃるでしょう。そういう方は職場環境を変えたり、違うコミュニティに属さない限り変化は難しいかもしれません。
例えば、各会社に臨床心理士やカウンセラーさんがいて、窓口になってくださると良い連携がとれたりするかもしれないですね。
このような方に出会った時はとても歯がゆさを感じます。
今回は体の中以外で痛みを変化させる要因の1つ『ソーシャルペイン(社社会的な痛み)』について書かせていただきました。
この他にもたくさんの要素があります。
明確に怪我や骨折をしていて痛みの原因がはっきりしている方は直接治療ができますが、長引いていて、日々痛みの強さが変化している方はもしかしたら体の中以外の要素が関係しているかもしれません。
日によって変わる方は『日記』などつけてみるのも1つの方法かもしれませんね。もしかしたら何か法則やパターンがあるかもしれません。
『痛み』はとても複雑です。
日々、勉強です。
ここまで読んで下さった方、誠にありがとうございました。
誰か1人の一助になれたら幸いです。
では、失礼します。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?