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エキゾチックな世界遺産、パレルモのアラブ・ノルマン様式の建造物群

世界遺産に登録されているパレルモのアラブ・ノルマン様式建造物群。

イスラム建築と西洋のビザンチン建築が融合した建築物群で、古くは12世紀のノルマン人によるシチリア王国に遡るそうです。パレルモはシチリア王国の首都で、歴史地区にある2つの宮殿、3つの教会、1つの大聖堂、1つの橋が世界遺産に登録されています。

これらの建物は建築の融合だけでなく、異なった民族の社会的・文化的融合や共存を表してもいるということで重要なのだとか。

スペインはアラブに支配されていた地域も多く、アルハンブラ宮殿をはじめアラブ様式の影響がいたるところに見られます。ただ、イタリアのシチリア島もアラブの影響があったことは今回初めて知り、パレルモでそのいくつかの建物を巡ってみました。


王宮(Palazzo dei Normanni)とパラティーナ礼拝堂(Cappella Palatina)


まずは王宮へ。シチリア王国の代々の王が住んでいた宮殿で、11世紀に建てられたそう。なんでも王の居住していた宮殿としてはヨーロッパで最古だそうです。王宮の正面から見ると左の建物はルネッサンス様式で、右側の建物にノルマン様式とアラブ様式の特徴が見られます。

内部は見なかったのですが、中でも王宮内にある12世紀に増築されたパラティーナ礼拝堂↓がアラブ様式、ノルマン様式、ビザンチン様式の3つの様式が融合した素晴らしい例として挙げられるそうです。


パレルモ大聖堂(Cattedrale di Palermo)


次はパレルモ大聖堂へ。12世紀に建設が始まったそうです。分かりにくいですが、正面の細部を見るとアラブ様式がところどころ伺えます。

通りを隔ててある塔だけ見るとあまり違和感はありません。

結構アラブ様式は控えめなのかと思ったのですが、正面右手に回ってみると、見事なアラブ様式が!

拡大すると良く分かります。幾何学模様がびっしり!

内部は他のイタリアの教会と変わりませんでした。

ラ・ジーサ宮殿(palazzo della Zisa)

シチリア王国の王の夏の居住地として12世紀後半に建てられたこの宮殿。周りは公園なのですが、公園はかなり荒れ果てていました。

夏の居住地ということで、建物内部を涼しく保つため、エジプトやメソポタミアの知恵が施されたそう。外観は宮殿にしては随分地味です。

普通なら開館しているだろう時間に行きましたが、閉館していました。周りの荒れ具合から見て暫く閉まっているようでした。

内部の映像を見ると美しいアラブ様式が際立ちます。


サン・カタルド教会(Chiesa di San Cataldo)

1160年に完成したサン・カタルド教会。アラブ様式の赤いドームがとても印象的です。

ドームの赤い色は19世紀になって塗られたよう。

内部はかなりシンプルとのことで、拝観料を払って見る価値はなさそうだったので、外からのみ。やはりかなりシンプル↓


マルトラーナ教会(Chiesa della Martorana)

サン・カタルド教会の左隣にあるのがマラトーナ教会。ファサードは特に代わり映えのない普通の教会に見えます。

塔をよく見ると幾何学模様の装飾が見えます。

とう


かなり小さい教会ですがビザンチン様式の内部の装飾が素晴らしいです。

オフィシャル・インスタサイトで高い角度から撮った全体像を見ることができます。


サン・ジョヴァンニ・デッリ・エレミティ教会(Chiesa di San Giovanni degli Eremiti)

12世紀に建設されたこちらの教会もアラブ様式の赤くて丸いドームが印象的。

外観は余計な装飾はなく至ってシンプルです。

通りかかったときは閉館時間でしたが、内部もかなりシンプル。

アンミラリオ橋(Ponte dell'Ammiraglio)

1131年に完成したオレト川にかかるアンミラリオ橋。中心からちょっと離れていてそれほど大したことなさそうだったので行きませんでした。

ヨーロッパではビザンチン様式やノルマン様式はどこにでもありますが、アラブ様式が融合されることによって随分エキゾチックな雰囲気になります。

アラブ・ノルマン様式建造物群の世界遺産には、パレルモ以外に2つの町の建物が含まれています。そのうちの一つ、チェファルにある大聖堂にも行ったので、そちらはチェファルの記事でお伝えします。

次は欧州一のストリートフードの街と言われるパレルモの市場を巡ります。


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