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【小説】原宿ワンダートリップ

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自作短編小説(全5話)の『原宿ワンダートリップ』(2012年8月制作)をまとめました。
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演奏『原宿ワンダートリップ』(MIDI)

演奏『原宿ワンダートリップ』(MIDI)

小説『原宿ワンダートリップ』のイメージ曲です☆
私は作曲は素人ですが、隙間時間にアプリでつくりました♪

曲名は、" Teens Trip " 
(ティーンズ トリップ)

楽器はアルトサックス
単音のみでの演奏です
(MIDIファイル)

ブラウザ版の note でないとお聴きになれませんので、ご注意下さい

『原宿ワンダートリップ』イメージ曲

Teens Trip

『原宿ワンダートリップ』歌詞

『原宿ワンダートリップ』歌詞

原宿ワンダートリップのイメージ曲
" Teens Trip "
の歌詞です♪

先日、原宿ワンダートリップの続編を書くと言いながら、あとで取り止めになってしまった事へのお詫びの石ですm(_ _)m

Teens Trip

透き通った風が吹く 夢を売る朝の街
色とりどりの愛が 今日も店先を飾る

どんなに離れても 忘れられていても
わたしたちは一緒

抱きしめ合いたいの あなたと 
いつまでも

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小説『原宿ワンダートリップ』(1/5)

小説『原宿ワンダートリップ』(1/5)

「ごめんなさい! 先輩、おくれてしまって」
「ううん、大丈夫だよ。ほら、まだ10分も過ぎてないだろ」
僕は真奈美に微笑んだ。真奈美は僕が手を伸ばして見せた腕時計を見て、ほっと息をついた。
「先輩、優しいんですね」
「なーに言ってんだよ。さ、行こうぜ」
僕は真奈美を連れて、原宿駅の表参道口から外に出た。

これは、少し昔の原宿の物語。僕の名は神代洋。専門学校生。渋谷でイベント設営のバイトをしている。

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小説『原宿ワンダートリップ』(2/5)

小説『原宿ワンダートリップ』(2/5)

二回目のデートの待ち合わせは渋谷駅、ハチ公像前だった。今日は朝早くから会って、二人で映画と散策を楽しむ予定、だったのだが…
「おそーい! 先輩、遅刻ですよ。25分!」
「ごめん! 本当にごめん! 電車乗り間違えた、あわててたよ」
僕は真奈美に謝った。
「映画、間に合うかな?」
「んもうっ、急ぎましょ」

僕らは急いで道玄坂を登る。真奈美はホワイトのアウター調キャミソールにデニムのショートパンツ、底

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小説『原宿ワンダートリップ』(3/5)

小説『原宿ワンダートリップ』(3/5)

その後、授業と実習で忙しくて、僕はしばらく真奈美とプライベートでは会えなかった。だが今日、久しぶりに二人だけの時間を作れた。僕は彼女を、自宅に招く了解も取りつけることに成功していた。

まず僕らは、原宿駅の、山手線で二つ隣の新宿駅で待ち合わせをし、そこから小田急線に乗って二駅目の参宮橋駅で降りる。駅から少し歩き、真奈美が見たがっていたオリンピック記念青少年総合センターを外から、少しだけ見る。

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小説『原宿ワンダートリップ』(4/5)

小説『原宿ワンダートリップ』(4/5)

初めて職場で出会ったとき、その娘は若くて初々しくて、とても可愛いなと思った。僕の記憶にずっと残るような笑顔で、緊張しながら。
「おんだ まなみ、です!」
「初めまして、神代洋です。ようこそ弊社へ。よろしくお願いします」
「じんだい ひろしさん、ですね。はいっ、よろしくお願いします!」

そのときの光景を思い出す。今でもその娘のことを僕はよく覚えている。新米アルバイター、穏田真奈美は明るく元気で、そ

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小説『原宿ワンダートリップ』(5/5)

小説『原宿ワンダートリップ』(5/5)

けやき教会を去り二人きりになると、僕は真奈美に、例の十万円は貸すのでなく、寄付すると告げた。真奈美を信用していたから。それを聞いて彼女はとても喜んだ。

真奈美は慈善活動の事実を僕に証明したかったのだろう。すぐ近くにある活動場所へ案内すると言った。僕はライフ・フォローの事務所のある建物へ導いていかれた。道すがら会話する。

「先輩、ありがとうございました。頂いたお金は、事務所の電話代の支払いに充て

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