もしこの花が人間のような生き物だったのなら-カルミア(3)-
「だから きみはもう ぼくにあえないとおもったり あいたいとおもったり しなくても かなしむことはないんだよ だって ぼくは きみといっしょに いきてるんだから」
「どうして?」
「どうしたってさ」
わたしにはカルミアのいってることがわからなかった
きっと カルミアは
ぬりえや ドーナツがすきじゃないんだとおもった
だからわたしと あえなくてもいいんだ
わたしはとっても かなしくなって
もうわたしのゆめにも すんでくれないとおもった
だけどわたしは
ぬりえやドーナツがすきじゃないカルミアのことも
なんだか すきなような きがした
きっと わたしがぬりえとドーナツが すきなように
カルミアにもだいすきなものが あるはずだから
わたしはカルミアのすきなものが きになって
なんだか むずむずした
(おしまい)
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