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小説

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私の書いた小説をまとめています。
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#短編

【短編小説】クリスマスの魔法

「だってクリスマスなのよ、ケーキくらい食べなくっちゃ」  そう言って隣を歩く僕の彼女――…

有未
1年前
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【短編小説】繋がる心

上【昔からの想い】  ――誰かと繋がりたい。ただ、それだけ。    さびしさが足元から生…

有未
2年前
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【短編小説】巡る想い、巡る日々

 ――このままで良いのか?  真冬、雪が深く降る日に私の同居人が雪が降るよりも静かに私に…

有未
3年前
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【短編小説】今日の夕食は何が良い?

 食用にされるアザラシが可哀想だと泣く女。どうせあとになればけろっとして俺に聞くのだ。今…

有未
3年前
1

【掌編小説】繋がる声

 ――雨が降る。何かをひどく大きく間違えている気がして、私は空を見上げる。網戸の網目にぶ…

有未
3年前
1

【短編小説】一本足の外灯

 一本足の外灯が、一本足で立っている。  私の住む小さなアパートの一階、窓を開けると外灯…

有未
3年前
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【短編小説】世界に落ちる雫

 遠くで聞こえる雷のような鼾をかきながら、彼女が寝ている。その隣に腰を下ろす。冷房で冷えた床が素足に心地好かった。彼女が目を覚ます気配はない。僕は眼鏡を掛けて読み掛けの文庫本を開いた。夕焼けにはまだ早い太陽の光が、レースのカーテン越しに入っている室内。夏になり、日脚が伸びたのだろうと僕は思う。湧くような白雲がまっさらな青空に映えていた。  本の残りのページがあと少しになった時、彼女が大きく唸った。猫のようだ。悪い夢でもみているのだろうか。起こした方が良いのかと逡巡していたら

【短編小説】信号の色が変わるまで

 ただ、信号機の信号が青だから歩いて来た。歩いて、いた。不意に信号が黄色になった。私はそ…

有未
3年前

【短編小説】チャージ・タイム

第一章【出会い】  突然のことだった。思い出と呼べる程の年月が経っても、それは強烈過ぎて…

有未
3年前
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【短編小説】窓のない部屋

  自室に窓がない。否、厳密に言えばひとつある。だが、それは嵌め込み式となっており、内側…

有未
3年前
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【短編小説】雲の切れ間に

序章 【小さな変化】  十五の誕生日に、僕は鳥を貰った。エメラルドグリーンの美しい二翼と…

有未
3年前
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