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#オリジナル小説

掌編「海月姫」

朝がやってこない。
私にはわからない。
きっと誰かが願ったことで、それを誰かが叶えたのだろう。

今の私には都合がいい。ずっとこうしていたいから。
ずっと部屋に引きこもっていた。いったい何のために生きているのかわからない。生きたいと思えない。だからずっとこうしていられる今はとてもありがたい。明日のことを考えずにいられる。

今日も最悪な気分でベランダに出る。
ここから誰かが連れ出してくれるわけも、

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