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『日本図書館情報学会誌』の最新号に、拙稿「コロナ禍による大学図書館員の専門性への影響:『来館できない』をチャンスに変えるために」が掲載されました。
『日本図書館情報学会誌』の最新号に、拙稿が掲載されました。 https://cir.nii.ac.jp/crid/1520297737313745152 「コロナ禍による大学図書館員の専門性への影響:『来館できない』をチャンスに変えるために」というテーマです。 同学会のシンポジウムの記録で、当日は熱く語り過ぎた気もしますが、コロナ禍によってますます重要となった「確かな情報」の価値について広く声を届ける機会をいただき、感謝いたします。 私は、「いつでもどこでも、世界の最新
「ネット情報におぼれない学び方」(岩波ジュニア新書)執筆の背景と狙いについて『教育学術新聞』にご掲載いただきました。※画像の使用許諾済み
この本は、大学図書館の司書としての経験を基に、初学者に向けた「調べ方」や「学び方」の入門書として書いたものである。本稿では、執筆の動機と狙いについてお伝えしたい。 この本の読者に学び取って欲しいのは、情報収集の知識・技術のみならず、「正答のない問い」に能動的に取り組み、社会に出てからも学び続けるための知的好奇心の大切さである。 主に中高生に向けた「岩波ジュニア新書」からの発刊だが、初めての課題レポートに挑む大学生にも役立つよう、研究やアウトプットの基礎的な方法も含めた内容
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「ネット情報の海に溺れないための学び方入門」第8回:「鬼に金棒」の図書館活用術(その6)地域・郷土資料とレファレンス(調べごと相談)
最近は、本や雑誌に加えて電子版やオンライン版の資料も増えています。さらに、図書館が介在しなくても無料で誰でも利用できる「オープンアクセス化」が進んでいることにもふれてきました。 それでは、もしも未来において「お金で買える情報」がすべてオープンアクセス化したら、果たして図書館やその専門的職員(ここでは「司書」と呼びます)の存在意義は残るのでしょうか? 今回は、その問いに答える形で「地域・郷土資料」と「レファレンス(調べごと相談)」を例に挙げ、図書館と司書がネット時代でも「頼れ
「ネット情報の海に溺れないための学び方入門」第2回:ネット時代に、なぜ読書?なぜ図書館?~自分だけの世界地図と、脳内四次元ポケットを持とう~
ネットに飛び交う玉石混交の情報に踊らされないためには、今日までに学び「ここまでは確かだ」と言える知識を頭の中で自由に参照できるよう整理しておくことが大切ですが、個人の記憶容量には限界があります。しかし、未知の課題であっても、情報の海から確かなものだけを探し出す力があれば、対処が可能です。 「ローマ教皇がトランプ氏を支持」というフェイクニュースや、トイレットペーパー不足等のデマも、発信者の確認に加えて、教皇の立場や製品の産地など既存の情報を積み上げれば、真偽を見極められます(