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思考停止という病

初めての投稿は、苫米地英人さんの「思考停止の病」をご紹介します。
苫米地さんは、1959年・東京生まれの認知科学者です。

カーネギーメロン大学大学院哲学科計算言語学研究科博士課程では、
10年に1人しか出ないといわれる計算言語学の博士号を日本人で初めて取得されたそうです!(苫米地英人さん大全集より:http://www.forestpub.co.jp/author/tomabechi/lp/cw/)

現在の日本において、政治や経済に関係なく、考えることをやめてしまっている人が多いというのがこの本の指摘です。

自分の頭で考えられる人は、自ら解決策や施策を生み出し、実践し成果につなげることができるのに対し、自分の頭で考えられない人は、何度も同じ間違いを繰り返すことになってしまいます。

自ら思考することは、成功者になるためには欠かせないことと言えます。

思考するとは何か?


この本の中で苫米地さんは、思考には2種類あるとおっしゃっています。

1つ目は、物理的な脳の活動です。これは人間の脳が動いている限り止まることはありません。寝ている時も脳は情報処理のために動いています。

2つ目は、創造的な問題解決活動です。苫米地さんがこの本で指摘している「思考の停止」はこの創造的問題解決活動のことです。これは、分析する・意思決定する・問題を解決する・仮説を作るといった行為です。これらの思考をほとんどの人が放棄しているのではないかという指摘ですが、皆さんはいかがでしょうか?(私はとてもギクっ!となりました)

サラリーマンとして社会に出ると、会社や上司から無数のhave toを与えられ、ほとんどの人が指示待ちをするようになってしまいます。これは日本企業における問題の一つです。高度経済成長の頃は、上から指示に従い、自ら考えずに働いても景気自体が良かったので問題がありませんでしたが、今はそうではありません。だからこそ一人一人の考える力が必要となってくるのです。

自分の頭で考えることができることのメリット

1つ目は、奴隷の人生から解放され、本当にやりたい人生に進むことができることです。
自分の頭で考えないことは、自分で生きることを放棄し、他人に自分の人生を委ねていることだ、そんな人が幸せになれるわけがないと苫米地さんはおっしゃいます。

2つ目は、メディアや権力者から騙されなくなることです。権力者は、自らの権力を維持するために国民には思考停止してほしいと願っているかもしれません。なぜなら思考停止している人間の方が動かしやすいからです。自分の頭で考えることができれば、権力者やメディア、エセ宗教などに騙されることがなくなります。

3つ目は世の中を見るときに深みが出ることです。考えることによって抽象度が上がり、目の前の事象だけでなく、大局的に物事を見れるようになります。

なぜ日本人の思考は停止してしまっているのか?

多くの日本人の思考が停止してしまっている理由は大きく3つあるとされています。

1)前例主義
何かを行うときに、過去のやり方や結果を踏襲する、そのやり方に疑問を持たない
2)知識不足
脳は知っているものしか認識できないため、思考することがそもそも出来ない
3)ゴールがない
本気で達成したいと思えるゴールがあるからこそ、思考を動かすパワーが生まれる

上記を見て、私はさらにギクっギクッとなりました・・・;;

この3つを打破するためには

まず、1つ目の前例主義を打破するためには、世の中のノーマルを疑うことです。
・それは本当に正しいのか?
・別の方法はないのか?
・この通説や論理は何を前提に正しいと言っているのか?

自分で考え、自分の価値観で生きる選択こそがノーマルだと心得ることが大事なようです。

2つ目の知識不足を打破するためには、新たな知識を習得することが欠かせません。

そのための方法として、4つの苫米地流読書術が紹介されています。
1)文面通りに読む。文面通りに読むとは自分の先入観を捨てることです。
2)著者になりきって読む。著者の視点に立って、自我を消すことで新しい知識の吸収を最大化できるそうです。
3)意図・問い・関連性を持って読む。書いてある内容の裏や意図を読むこと、自分の生活と関連づけていくように読むようにするといいそうです。
4)同一分野を同時に読む。1冊1冊読まず、同時に読むことで情報の関連性を発見できるようです。

最後3つ目はゴールを持つことです。

ゴールを設定するときのポイントは、「現状の外側」に置くこと。
言い換えれば、そのゴールの達成方法が現段階ではわからないことです。

コンフォートゾーン(自分の心地いい所)の目標設定は現状を維持しようとする作用が働くので、「現状の外側」に置くことが大切なようです。
そして自分の今ある知識や興味をゴールと合致させることが必要です。

苫米地さんはゴールを、仕事・健康・趣味・生涯学習・家庭・ファイナンス・地域活動の8つ持つようにとおっしゃっています。

また仕事とファイナンスは分けて考えることが大事だと言います。
お金持ちになりたい!という目標は、資本主義下の日本における洗脳であるとの主張で、自分の価値を資本主義の価値に乗せず、自分で決めなさいとおっしゃっています。

これから個人の時代になっていくにつれて、自分が何を目指して生きていくのか、周りに流されず考えていくことは、とても重要なことだと感じました。

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