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梅雨の晴れ間に 鮎漁師の呟き

朝目覚めれて
川の水位と天気予報を眺める

“今日だな”

明日から 大雨になるらしい...
投網を 数種選び漁場へ

相変わらず ワクワクする
誰も居ない漁場

先人が 打った後か わからない

荒瀬の溜まりに 打ってみる

“鱒だー”

投網の中 黒黒と背を魅せて 泳いでいる

咄嗟に 網を 被せる間も無く 荒瀬に
消えて行く

“鱒だー” 大声も 荒瀬に消えて行く

今日は 当たらなかった

荒瀬の中を歩いて行く
スパルタリハビリ 
ギランバレーに恋をして 三年目

”一歩も 歩けなかったんだから“.....

主治医は呟く
“良くぞそこまで 回復しましたね”と
川の神さまに 感謝である

気がつくと 仙人さまが 見つめてる
相変わらず

 ”鮎おらんやろ“って....

半年振り 色々な話をする
譲ってもらった 投網は どうだと
気にしている
ただ その姿は 何処か寂しげ

”今年は 川に入れるかなーと....
”体調子良い時に 打ったら“と呟く

まだ 誰も入らない天然ジャグジー

良く観ると 若鮎達が 泳いでいる

梅雨の間に

川の神さまに 若鮎を分けていただき
冷凍庫に 寝かせておいた若鮎と
一緒に 甘露煮を 炊いた

大鉢に 山盛りの若鮎の甘露煮

梅雨の高水 
鮎漁師は お預けになる
その間 ひとつ ひとつ 摘みながら
写真を選び noteを 描いていく

浮世雲拝

梅雨の間に
鮎漁師の呟き

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