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地の涯まで 走ろう 

30年ほど前
たった250ccのエンジンに
大荷物を積んで 走り回っていた
北の大地….

写真整理をしていたら 出て来た
その時の写真達
構図や 景色の切り取り方は
何にも変わってなかった。

秋の気配が感じられる頃
地の涯行きのチケットが 回って来た。
そう 女満別空港への…

ふらっと出かけた。
ただ いつもと違うのは 釣りの道具を
一式を

“秋鮭を 釣りに行って来る”

海外に行くにも 持たないくらいの
大きなスーツケースにリュックにカメラ
まあ 車だから 大丈夫

春先に 南の涯


波照間島まで 出かけた以来の空港
浦島太郎は やっぱり ドキドキしている。

無人決済販売所

“お釣り”って 知らない子供達…

田舎のスーパーで小銭を探してたら 
ペイペイばあちゃん達に 睨まれる。
“………”
そこで あえて 小銭を出すのが
我だなって….

飛行機と そこで 働く人を
観ると とても嬉しくなって来る

ただ まだ 人は少ない

満面の笑みの CAさん
表情筋が 豊かなんだろなーって
笑うようになった 顔で
ご挨拶を… “お世話になります”


グランドスタッフの小さな彼女は
大きく 大きく身体を動かす

指示に合わせて 機体が動く

こんなのが 重力に逆らって
空を飛ぶんだから…
人が 空を飛べると 勘違いして
たかが 100年ちょっとしか
たっていないのだから

すぐさま 雲を抜け

青い空は やっぱり心地よい

ずっと ずっと 眼下を見ている。
今何処を飛んでいるって 
ロストポジションしないように

男鹿半島に 田沢湖が見えてくる

バイクで 日本海側 下道走って来ると
本州って 長いな〜って
新潟 秋田は 長い長い

気がつくと 
機体は 北の大地にかかっていた。


眼下の景色に 眼を奪われる

日本海と太平洋が 沈みゆく太陽を
浴びて オレンジ色に輝いている
今 この 地に 浮いていなければ
観れない景色だった。

降下を始めると 眼下に 阿寒岳
そろそろ 北の大地が見えてくる

地の涯の窓口
女満別空港へ 降りたった。
バイクで来た時には ここまでに
色々な ドラマがあった。

今日 ここに居るのは その延長線じょうの 一点である。

“今 目の前の事を 愉しめる旅に
なりますように”


平安な暮らしをする縄文人
浦島太郎な浮世雲
地の涯の窓口へ 降りたった

旅は始まる…




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