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残酷だけど 現実です

久々のこの景色

田園界
回復期リハビリテーション室からの眺め

三ヶ月 病室の大きな窓から この景色を 眺めていた。


筋肉フェチのトレーナーS
作業療法のリハビリの日である。

現状を伝える
震える手 
疲れると寝込む
エネルギー切れ
....,,

握力測ってみましょうか?

握力計を 握る

右....
左.....

何も変わらず
激しい 筋トレやってた時は 一時的に上がった。
鮎漁師
毎日毎日 川で 5キロから10キロの
鮎綱を 持ち 投げていた

師走から 今は 何もしていない


基礎筋肉を 観てみましょう
これが 二人の課題である
え?
嘘…..

落ちている…..
上がらない腕

“マジかよ”

日常生活 普通に生きているつもり
相変わらず 身体は代償の塊で
鍛えた筋肉で 動いている。

そう 退院した時と変わらない
基礎筋肉量

“握力と 筋肉量は比例すると
言われている”
筋肉フェチSが 呟く

御意

残酷だけど 現実だ。

次は 取り調べ室(言語聴覚室)へ
森のテラスは まだ 寒い

鏡の前に座り
声優セラピストさんと 色々な話をする
他のセラピストさんも 入って来ては
色々な話をする。

何気ない話が リハビリになる

グリグリと顔をほぐしてもらう。

“あいうえお”の 口を 練習する。

限りなくZEROに近い状態に
なって全く動かなかった顔や唇

あいうえおの口の形を している。

上手くなったねー と褒めてやる。

まるで 言葉を 覚えたての 
保育園入学前の子供のように

二人で褒める
手を叩いて

なかなか ここ田園界には入れて貰えないけど

こうやって 一から育て直すのも
宝だなって 思っている

診察室へ

“どうですか?” 女医さんが呟く
“凍えた身体 急に動かしたら
古傷が痛みまして”.....

“凍えた身体 十分に温めてから
動かしてください”

古典落語のような 掛け合いに
馴染みの看護師さんは 微笑む

それでいい

節分前 頭は冴え冴え
でも身体は....

リハビリ帰り
ケンタッキーに
寄って たっぷり買った。

今日のイベントは終わり

家に戻り 
獣のように 齧り付き
あとは いつものような
寝込んでいた。

残酷だけど 現実です。


ギランバレーに恋をして
回復期リハビリテーション
現状維持


夕刻 坊が坊が帰って来た

“飯食いに行こか?”坊は呟く

“何喰うねん”

“トンカツが イイ”

昼 ケンタッキーやってんぞ...

”とんかつ喰いたい”

...
現実は 残酷かつ拷問のようである…

平安な暮らしをする縄文人
浦島太郎な浮世雲

相変わらず 持っているらしい…。

なんでやねん




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