“幸せですね”って言われたら….
“お陰様で
ありがとう御座います”と 返事する
浮世雲拝
招かれた茶話会が終わり
ご一緒だった皆様は 帰られた後
お話がしたいと....
何万人ものカウンセリングをされて来た
有名なその道のプロフェッショナルの方らしい
目の前に 座る浮世雲は 不思議な
存在なのだろう
色々な お話をさせていただく
ギランバレーになる前
ギランバレーに恋して
五回死んで
寝たきりになって
ZERO零になって
.....,,
話は尽きない
一通り お話を 終えた後 呟かれる
“貴方 幸せですね”って
“お陰様で
ありがとう御座います”と 返事をする。
その瞬間
その道のプロの表情が 変わる。
所作も
仕草も
声のトーンも
変わる
茶テンダーは その変化を観て
茶葉を 選び一服いれてさしあげる
色々な話が 始まる
御本人が 封印している事さえ 忘れてしまっている話が 出て来る
次から次に
いつしか
泣きながら お話をされる
いつものこと
嗚咽で 言葉にならない時は
代わりに こちらが 言葉を重ねる
一番 真髄の事象が 奥から
顔を覗かせる
その瞬間を 見過ごさず
さらっと引き出し
さらっと流してさしあげる
お茶といっしょに...
顔が変わる
不思議なくらいに
いつもの事である
スッキリした顔になり 帰って行かれる
後の事は わからない
それでいい
家に戻り 猫師匠に呟く
“猫師匠 幸せですね”
“はよ 飯くれよ” とスリスリされる
ギランバレーに恋をして
茶話会で
幸せですねって
楠喜園 茶テンダー 浮世雲