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禅的瞑想の手順とポイントについて解説します。

おはようございます。宇賀神(生前戒名:亮法観療禅士)です。この記事は「禅療法士」シリーズ④「禅的瞑想の実際の手順とポイント」について書いていきます。

「禅」「瞑想」についての解説は、下記過去記事をご覧ください。


「禅的瞑想」の目的

瞑想といっても、目的によって瞑想の仕方が様々です。禅的瞑想というのは、「禅」の考え方を応用した瞑想となります。300以上ある瞑想法の中の一つの視点であることを予め伝えておきます。

禅的瞑想は、

「今ここ」にいる自分を丸ごと認め、心地よさを味わいながら気づく

ことを目的としています。(Bosatsuマインドフルネス。詳細は下記リンクよりご覧いただけます)

待つ・信じる・寄り添う・見守るを軸とした、自分自身を問い続ける瞑想です。


禅的瞑想の流れ

①無理のない脱力した姿勢(ニュートラルポイント)を探る
禅の考え方を応用しているため、基本姿勢は「坐禅」となりますが、僕が瞑想誘導する際は、坐禅にこだわっていません。あぐらでなくてもOKです。椅子に座りながらでも、クッションや座布団の上でもかまいません。


今ここの自分にとって、一番ゆったりリラックスできる姿勢(上半身:頭や肩首・腹筋も背筋も力が入らないポイント)を探っていきます。ニュートラルポイントの探り方については誘導していきますので、初めての方も安心です。


②呼吸を整える(自律神経のスイッチングを促す)
ニュートラルポイントを特定した後は、「呼吸」に意識を向けていきます。
呼吸の文字通り、「呼=息をはく」「吸=息をすう」の順番で行います。
みなさまは、「はく・すう」のどちらを普段意識していますでしょうか?


僕がパニック障害で経験した「過呼吸」や予期不安、うつ等の不安症状全般において、「吸い過ぎ」によって起こります。すなわち、「交感神経系が働き過ぎている」影響で起こっていることが大半です。


呼吸は唯一、無意識でも働き、意識的にコントロールできる身体の機能と言われています。自律神経の乱れによる症状は、呼吸を意識的にコントロールすることで緩めていくことができます。(僕自身の3年の実践で体感しています)


息をはくことで、副交感神経系が優位になりますので、まずはゆっくりと長く吐くことを意識します。息を吸うのは身体が自然と行なってくれますので、瞑想誘導の際は「鼻から自然と新鮮な空気が入っていきます」と表現しています。(息を吸うことで交感神経が優位になります)


このように、呼吸ペースを整えることで、自律神経のスイッチングを促していきます。また、自然と身体の内側に意識が向かいやすくなります。


③身体の内側で起こる反応・感覚を味わい・受け入れ・認める
「今ここ」にいる自分を丸ごと認めることが禅的瞑想の目的、と上記で書きました。
では何が「自分を認める」ことになるのか?
それが、身体の内側で起こっていることを味わい・受け入れ・認めることから始まります。


日常は思考優位で過ごしている方が多いと思います。僕自身、1日中考え事をしていて、頭の中は常にぐるぐるして疲れ果てます。そんな時、自分の感覚や感情に意識が向かないことがほとんどです。その状態が続くと、気づいたら病気になっていたり、身体中が凝り固まっていて激痛がしたり、不定愁訴があちこちに出てきます。(これは過去の僕経験談です)
ただ、思考優位の状態から感覚を感じることはとても難しいと思っています。そのために禅的瞑想を通して、「感覚優位」にしていくことが大切であると考えています。


なぜなら、感覚や身体の内側の反応に気づき・認めることで、「自分の本来の欲求や在りたい姿」が見えてくるからです。そんな自分を「認める」ことから始めていきます。
思考・感覚・身体反応(フェルトセンス)の味わい方として、下記ワークを行っていきます。


④行住坐臥(歩く・立つ・寝る・座る)ごとに行う心身ともに緩めるワーク
人が日常生活において行う動作は、「歩く・立つ(とどまる)・寝る・座る」の4つに集約されます。僕が瞑想誘導する際は、この4つの姿勢からアプローチしていきます。
歩く瞑想。立つ瞑想。寝る瞑想。座る瞑想(坐禅)。
それらは全て、調心調息調身(心・呼吸・身体がゆるみととのう)に向かうものです。


ご参加者さまのその時の姿勢や表情を見ながら、必要な身体の部位を特定し、どの姿勢からアプローチするかを決定していきます。(一部のワークイメージは下記リンクからご覧いただけます)


身体は主に、臓器官・骨・筋肉・体内液・皮膚・神経で成り立っています。身体の内側は解剖をしない限り見ることができません。ですが判る方法があります。それが「感覚」を味わうこと、今の感覚・身体反応に意識を向け、味わいことなのです。
ふれる・さする・ゆらす・いたわる・いつくしむがポイントとなります。
また、内側を感じる手段として、声(ハミング)を使うこともあります。


じっと座っているものが瞑想というイメージを持っていらっしゃる方が多いのですが、動きながら行う瞑想がメインとなります。


※実際に禅的瞑想を体験してみたい方は、下記リンクをご参照・お申し込みください。(東京都足立区北千住でもリアル開催です)または、こちらからお問い合わせください。


瞑想後の意識ポイント

僕が瞑想誘導していてよく言われることがあります。
それは「瞑想誘導されているとできるけど、自分一人ではできない」ということです。(これは僕も常に感じています)
それだけ、自分の身体の内側に意識を向け、感覚を味わうことに慣れていないということも言えるかもしれません。
なので、僕は「忙しない日常の中に自分と向き合う時間を」をコンセプトに、禅的瞑想誘導をしています。少しでも、心も身体も緩まる機会を、と思いながら誘導させていただいています。


瞑想中だけではなく、日常の中に、味わった「心地よさ」を広げていくように意識を向けていくと、少しずつ自分一人でも心身を整えていくことができます。


・・・
今日はこれくらいにしたいと思います。瞑想を通して、心身ともに緩まる機会となりますように。


今日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
また書きます。
宇賀神

語句解説

■マインドフルネス(mindfulness):状態

仏教用語サンマ・サティ(漢語 : 正念)の英訳が語源。
サンマ・サティは、「常に落ち着いた心の状態」という意味。
マインドフルな状態とは、今ここの自分の内側(感覚・感性の現在地)を、
心地よいを味わいながら探り続けていくということ。

■瞑想(メディテーション):方法

マインドフルな状態であり続けるための具体的な方法の部分。
世界に300以上の瞑想法があり、「何のためにやるのか?」という目的によってその方法は様々である。
瞑想とは〇〇という答えは、その人によって変わってくる。

■bosatsuマインドフルネス

待つ・信じる・寄り添う・見守るを軸にしたマインドフルネス。
仏法・禅の考え方を根本とし、自分自身を問い続ける(洞察する)ことにより、
自分の内側の状態を、心地よさと共に探り続けていく実践。
結果的に、安楽な存在になっていく。

■禅セラピー

bosatsuマインドフルネスを、具体的なワークに落とし込んだもの。
仏法・坐禅の作法をベースとした、調身調息調心メソッド。
(藤井 隆英さん主宰 身心堂Zafuプロダクト)


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