文豪とアルケミストの話
趣味読書で純文学好きな私です。
文豪で遊べるゲーム「文豪とアルケミスト」はリリースから半年後あたりに出会い、途中休憩をはさみつつ、現在73レベル。
読書しながら勝手に進行してくれるゲームなので、とても楽しくプレイできております。
そんなゲームがアニメになると聞いて、とても楽しみにしておりました。
1話から、アマゾンプライムで追っかけています。
先日、12話「歯車」の前編が配信されました。
ツイッターでは阿鼻叫喚のツイートがあちこちに見られました。
そうですよね、私も見ながら心の中で叫んでおりました。
芥川龍之介のドッペルゲンガー目撃説を交えたストーリー展開となっております。
著名文豪の代表作が各話のタイトルになっており、進行に作品が絡んでいます。いい機会だと思って、出てきた本は読んだり読み返したりしていました。
そんな文アルも、次回最終回になりますかね。終わりますかね本当に。
だとしたらどやって終わりますかね。だいぶ取り返しのつかないような進行になってますけどね。
このアニメ、史実を知っていれば知っている人ほど面白く感じるように出来ていて、知ってるエピソードが登場するたびに、おお、これも反映されている、と嬉しくなります。
例えば、武者小路実篤が農業にやたら入れ込んでいましたが、適当なキャラクター設定ではなく、理由があるんですね。新しき村 検索。
アニメのテーマソングは賛否両論あるみたいですが、私はかなり好きです。
オープニングの曲「グッド・バイ」がとても良くてですね。
ちなみにグッド・バイは太宰が入水自殺する直前まで連載していた小説で未完の絶筆となっています。私は太宰の数ある小説の中で、(まだ全て読めてはいないのですが)この小説が一番好きです。
そんなもんだから、まずタイトルを見たときから「おっ」と思うわけです。
聞いてみると、メロディも伴奏もとても良い。
切なげで不安要素も持った音で、大正浪漫を感じさせるような三連符・弦楽器・リズム感。
そして何より歌詞がとても良いです。
私は最初、雨の日にグッドバイ、という言葉から連想し、美智子夫人が太宰に充てたものなのかな、と思っていましたが
よくよく聞いたら太宰から芥川へのラブレターでしたね。
ところどころ、”ぼんやりした不安”などの有名なワードを混ぜつつ、小説家として生きる苦しさが歌われていて、素敵な歌詞だなぁと感じます。
悩みに悩んで選び抜いた言葉一つ一つを組み合わせて文章を作り上げていく、小説家として作品を作り続けていく苦悩。
先に逝ってしまった芥川に憧れて、大好きな芥川の名前を冠した賞が欲しくて欲しくて、
薬物中毒になり精神病院に入れられ、肺をやられ、何度も体を壊しながら、芥川を追い続けて必死に生きていく。
生き地獄のような日々をいくつも過ごして、結局芥川賞を獲ることができず、
グッド・バイ。
太宰の辛さ、芥川への心酔度、いろんな感情が伝わってきて、揺さぶられます。
何度聞いても良いです。