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会計学は何のための学問

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2019年8月の記事一覧

「会計学研究の問題意識」を今一度考えてみる(2)

学問は何のためにあるのか?といえば、真理の追究という哲学的な答えよりも我々がより豊かに生きるためにある、と私自身は考えています。

色々な知識を得て、考察する力を手に入れることでより賢い意思決定(もっと言えば納得した状態での意思決定)が可能になると思っています。

真理の追究といえば、やはり哲学だと思います。

ですが、アリストテレスも人の倫理や幸福について触れています。そして、ラッセルもそうです

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ファクトフルネスを活かした会計学の可能性(会計×ファクトフルネス)

ファクトフルネスを活かした会計学の可能性(会計×ファクトフルネス)

少し間が空きましたが会計学の学問の定義から、何のための学問かを考えていきたいと思います。ところで、この本をご存知でしょうか?

かなりのベストセラーになっているのでご存知の方も多いと思います。

ファクトフルネスの10のルールをあげていきましょう。

1.分断本能を抑える。

2.ネガティブな本能を抑える。

3.直線本能を抑える。

4.恐怖本能を抑える。

5.過大視本能を抑える。

6.パタ

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マイナー分野 VS メジャー分野

マイナー分野 VS メジャー分野

会計学研究に関する閑話休題的な話をします。

私はマイナー分野の研究者を自任しています。マイナー分野とは、「人が研究しそうにないけど、私が重要な分野と認識している分野」を研究する人です(競争率が低い)。メジャー分野は「みんなが研究していて、かつ重要な分野と認識されている分野」を研究する人(競争率が高い)、と私は捉えています。

私の業績は主に年金、保険、リスク関連にあります。これらの分野は会計学研

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「会計学研究の問題意識」を今一度考えてみる(1)

「会計学研究の問題意識」を今一度考えてみる(1)

*先日行ったポーランド料理屋さん、絶品でした。

前回のnoteでは明確に会計学研究の問題意識について考えてなかったように感じましたので、ここで今一度考えてみたいと思います。

会計学研究のスタンスとしては、共通しているのは、会計に関連する何がしのことを研究するという事だと思います。もちろん、「会計に関連する」という事が何か、という事が異なります。

Accounting review の論文タイ

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会計学の定義からその研究の位置づけまでを考える(振り返り)

会計学の定義からその研究の位置づけまでを考える(振り返り)

今読んでいる本です。貧困に関して考えさせられる良書です。こんな本や研究成果をあげられる研究者でありたいです。

さて、このnoteでは会計学の定義から始まり、会計学研究の位置づけまで考えてきました。

箇条書きにしてまとめていきます。

・会計学の定義は経済学、心理学などの分野と比べて明確ではない。つまり何を目的に何をする学問なのかをシンプルに説明できない。

・会計学は実務から発展してきた学問で

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会計学の問題意識について考えてみる

会計学の問題意識について考えてみる

今、この2冊を読みながら、会計学の知見を実装するためには何が必要か、ということを考えてみました。社会学と経済学、この2つの視点と会計学を対比させながら思考してます。

前回のnoteでは、会計学がもう一つの分野を学ぶ必要性がある、ということと、その分野の専門家の研究水準まで到達することが容易ではない、ということをお伝えしました。

「会計学の問題意識」を持った他の分野の考え方(理論)を取り入れた研

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会計学においてもう一つの専門分野を学ぶことの必要性とその課題

会計学においてもう一つの専門分野を学ぶことの必要性とその課題

写真は今読んでいる本です。私も色々幅広く読んでます。会計学者はもう一つ、いや複数の分野のことについて詳しくならないといけない、というお話です。

前回のnoteで会計学には「読み取れた」後にどんな考察をするのか?という課題があること、そして、会計学の中ではこのことに対する答えは提供してくれない、ということを述べました。

なので、会計学だけでなく、もう一つ学問を学ぶ必要がある訳です。

1.もう一

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